やあ、みんな!
俺はヒーローだ。
どんなヒーローかって?
世の中のビミョーな物の白黒をハッキリジャッジしなきゃ気が済まないヒーローなのさ。
ジャージ姿でジャッジする、
人呼んで「ジャージ・ドレッド」なのさ!
<もちろん、映画『ジャッジ・ドレッド』にインスパイアされたのさ!>
俺は今、動物園をパトロールしている。
世にはびこる、ビミョーな動物たちを白黒はっきりジャッジするために。
お、これはカピバラだな。
数年前からキャラクター化されて大人気だけれど、実物はこんな感じだ。
はたしてかわいいといい切っていいものか、悩むところだぜ。
うーむ、つぶらな瞳がかわいいような気もするぜ。
ところでこれ、南米じゃ食用にするらしい。
そう考えると気の毒だ。
よって、ジャッジは「マル」だ。
次はプレーリードッグのお出ましだ。
いやーん、キューティー!
と、横顔は愛くるしい。
人気が出るのもよくわかる。
だがしかし......。
正面から見ると、結構キワドい。
とくに指のあたりが、ちょっとヤバい感じだ。
なので、ジャッジは「バツ」。
一見かわいらしいが、近寄ってみるとワイルドだ。
優しい男だって時には狼に変わるのだ(プレーリードッグだけどな!)。
続いて見えてきたのは、フラミンゴだ。
何ともいえない、美しい紅色をしているのが特徴だが、この色は食べている藻の色素が蓄積されて出ている色なのだ。
なんとまあ、びっくりではないか。
動物園では、その色を保つために色素を添加したエサを与えているらしい。
ということは、俺もカレーばっかり食べてると、黄色くなってしまうんだろうか。
それじゃまるでキレンジャーではないか。
そうなると、この企画は終わってしまう。
よってジャッジは「バツ」である。
カレーは食いすぎないようにしよう。
つぎにジャッジするのは「アリクイ」だ。
こんな細長い口で、気の毒だ。
この口では、カレーが食えないではないか。
ココイチのチーズカレーなんか食べた日にゃ、鼻の頭はやけどし放題だろう。
しかし、そこはアリクイ。
カレーなんて食べないのである。
よってジャッジは「マル」である。
おや、あれに見えるはレッサーパンダじゃないか。
一時期のブームは去って、おとなしく暮らしている感じのレッサーパンダだが、もともとは彼らが「パンダ」だったのに、白黒のジャイアントパンダが発見されたせいで、「レッサー(lesser)」と呼ばれるようになってしまったんだ。
悲しい運命だ。
よってジャッジは「マル」としてあげよう。
さて、最後に登場するのはバクだ。
伝説の動物「獏」は悪い夢を食べてくれるというが、悪夢ってうまいんだろうか。
バクがエサを食べている姿は、どうみてもおいしそうに食べているとは思えない。
かなりマズそうにエサを食んでる。
こんなにマズそうにエサを食べているバクを見ていると、毎日のご飯がおいしくてたまらない俺としては、バクが気の毒でならない。
よってジャッジは「マル」だ。
たくさん食べていい夢見ろよ。
というわけで、今日のジャッジは終了だ。
またあう日まで、あばよ!
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