大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也という豪華キャストに加え、日本が世界に誇る三池崇史を監督に迎えたサスペンス・アクション超大作『藁の楯』。公開を目前に控え都内某所で行われた試写会に、株式会社ビーテックインターナショナルの警備部警護担当部長にして、数々の要人を警護してきたという牧村博一氏がゲストとして登場した。
本作で大沢と松嶋が演じるのは、警視庁警備部のSPである(映画『ボディガード』や『シークレットサービス』のアレ)。ということで、この試写会にハリウッドセレブ御用達の"敏腕SP"として招かれた牧村氏は、想像以上に厳しいSPの心得や実際のエピソードなどを披露し、訪れた観客を唸らせていた。
しかし、一般的な"ガタイのいいタフガイ"というSPのイメージと違い、いわゆる中肉中背な牧村氏...。ここで、どうしても「説得力のある強さ」の確証が欲しくなった我々AOL編集部は、無謀にもガチンコ突撃取材を敢行した! ...とはいえ、最初は正式なインタビューを申し込むのが礼儀というもの。実際、我々の質問に答えてくれた牧村氏からは非常に貴重なお話を聞くことができたぞ!
まず、本作の内容について「大沢さん、松嶋さんの"対象者を守ろう"という姿勢にブレがなく、非常にリアルだなと感じました。その裏に隠された、プライベートな事情を押し殺して職務を全うするという部分に関しては共感できましたね」と、自身の経験を踏まえて語った牧村氏。
そして「これまで危険な状況は何度かありましたが、事前に察知できなかったということでもある。それに気づいて回避できなかったというのは反省ですね」という非常にストイックな一面や、「例えば空手が強いとか、体力に自信があるというのに越したことはないですが、そこに依存してしまってはダメ。むしろ臆病で、少しでも早く危険を察知する能力のほうが大事ですね」と、腕っぷしが全てではないSPという仕事の奥の深さも語ってくれた。
...そんな、試写前のトーク時とは打って変わった牧村氏の鋭い雰囲気に気押されながらも、ここで我々は警護術を"実践"していただく交渉に成功。文字通り"突撃"してきたぞ!
まず丸腰の状態で「いつでもどうぞ」という牧村氏の襟元を掴もうとしたが、(少し手を出した時点で)ソッコーで手首をがっちりキャッチされ、いとも簡単にグイッと極められてしまった。
牧村氏
「こう来たら、こうね」
AOL「痛い痛い痛い! めっちゃ痛いですから!!」
※軸が安定しているためか、氏の顔は画像でもほとんどブレていない!
この状態ではバランスを取ることも不可能なので、そのままいとも簡単に地面に転がされてしまうのだ。※この時点で牧村氏がプロの目つきに変わっていることに気づいた編集部一同、若干ビビる。
続いて刃物を持って突き刺そうとしてみたが、今度もサッと腕を払い退けられ、そのまま間接をグイッ。頭上から刃物を振り下ろしても然り、まず腕を受け止めてから手首をつかんで、グリッ(強)。
AOL「いてててて! 折れちゃう!!」
牧村氏「まあ、こんな感じですね」
では、銃を突き付けられた場合はどうだろうか? 意外や正直に「まあ遠方から撃たれたら、100%受身、こちらは対象者の前に出て文字通り、盾になるか、弾が当たらないと判断した時は、遮蔽物まで逃げる他は無いですね」なんて笑っていた氏だったが、銃を向けようと手を動かした瞬間、アッという間にグリップを握る手と内肘を掴まれた! そして気が付いたときには、既に銃口が自分のほうを向いていたのだ...(しかも同時に関節も極められた)。恐るべしSP、そして恐るべし牧村博一、である...!
※↑ちなみに手首めっちゃ痛い状態です
...さて、これでも充分に手加減してくれていたであろう牧村氏は、『藁の楯』について「現場では絶対に出しませんが、仕事の後にはSPの人たちにもプライベートな時間がある。この作品も、そういった部分を感じながら観てもらうと面白いかもしれませんね」とコメントした。
SPの実力を身をもって知ることができた今、この映画を数倍たのしめる気がする...!(この日の夜から翌日にかけて、すっかり手首がイカレてしまったのは言うまでもない)
<『藁の楯』ストーリー>
幼い孫娘を惨殺した男、清丸の首に10億円の懸賞金を懸けた財界の大物・蜷川。命の危険を感じた清丸は、潜伏先の福岡で出頭する。全国民の殺意が向けられる中、48時間以内に身柄を警視庁に移送するため選ばれた、5人のSPと刑事の護衛対象は、"人間のクズ"。一般市民、警察官、機動隊員までもが執拗に命を狙ってくるなか、命懸けの移送が始まる...。清丸を命懸けで守る事に価値はあるのか? それが"正義"なのか? はたしてSPたちは無事に移送することが出来るのか...?
『藁の楯』は4月26日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
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