SFの世界ではファンタジックに描かれがちなエイリアンとの第三種接近遭遇だが、どうやら現実には人類にとって悲劇的な結末になるのかもしれない。しかも、その日は確実に近づいているとしか思えないのだ...。
2012年12月3日、NASAが記者会見で「火星の生命に関する重大発表を行う」という噂で、世界が騒然となった。この騒動の発端は、火星に着陸した無人探査車"キュリオシティ"による土壌調査プロジェクトに参加するスタッフが、ラジオで直接「人類の歴史に残る分析結果の発表が行われるかもしれない」という発言を行ったからだ。
世界中の人々が「ついに火星人の痕跡を発見か!」と期待したのも当然だろう。最終的に「現時点では炭素を含む有機物の発見はできていない」という微妙な発表で終わったが、本当は何を発表するつもりだったのか...と興味は尽きない。ところでNASAが、"ついに地球外生物の存在に関する発表か!"と期待させて、急遽中身をうやむやにするのは、この時がはじめてではない。この日からさかのぼること2年、2010年12月にも「地球外生物に関する重大な発表」という前フリがあった。しかし、実際に行われたのは「猛毒のヒ素で構成された、DNA をベースとしない全く新しい生命(GFAJ-1)を、カリフォルニア北部のモノ湖で発見した」という微妙なものだった。宇宙人発見を期待した人々が「なんだエイリアンかと思ったらバクテリアか...」とガッカリしたのは言うまでもない。
しかし、モノ湖といえば、世界で最も天然のヒ素濃度が高いことで知られる塩湖。文字通り生物の生きられない死の湖で、新世紀エヴァンゲリオンで登場する、ジオフロント内の不気味な地底湖のモデルとなった場所としても有名だ。そんな死の湖に住むことができる生物となれば、小さくとも重大な発見と言わざるを得ない。
この二つのNASAの発表から、皆さんは何かに気付かなかっただろうか? 地球で「ヒ素をエサとし、ヒ素で構成された未知の生物」が発見されたという発表...。そして火星では「炭素を含む有機物は発見されていない」という発表...。これは"炭素をベースとしない地球外生物の発見"を、小出しにオブラートに包んで行っているのではないかということだ!
つまり、人類に、エイリアンとの第三種遭遇が近づいていること...いや、その遭遇事実の発表が近づいているのではないかということである。
(その2に続く)
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