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「Midnite Vultures」
ベック
『Odelay』でシーンを変え、一見地味なアルバム『Mutations』ですらも成功を収めた彼らにとって、その次に出されるアルバムにかかっていた期待は半端なものではなかった。そこでリリースされたこの『Midnite Vultures』。ファンクやヒップ・ホップを、どこまで本気なのか冗談なのかもわからない程振り回したこの作品は、続く『Sea Change』の高い評価もあって見過ごされがちだが、これほどまで自身のキャリアもシーンも裏切って遊び心に満ちたアルバムは他にないだろう。また、こんな作品を作れるアーティストもベック以外にいないのではないだろうか。
『Soup』
ブラインド・メロン
実際『Soup』はとても優れたアルバムである。オルタナ・ロックのアグレッシブさとニューオーリンズ・ジャズ、カントリーが絶妙にブレンドした音楽性で、バンドが確実に前作よりも成長していることがわかる。しかしレーベルからは気に入られず、セールスも不振。失意の中で行われたツアーの最中、ヴォーカルのシャノンはこの世を去ってしまった。
『Glee』
ブラン・ヴァン3000
21世紀に入ってカナダのモントリオールがアーティスト天国となり、ブロークン・ソーシャル・シーンが有名になるもっと前のことだ。カナダでリリースされたこのアルバムは、既にコミューン的アーティストのあり方や、遊び心に満ちたジャンル縦横無尽の音楽性を先取りしていた。続く2001年発売の『Discosis』の方がアルバムとしては優れているが、『Glee』にはこの作品にしかない野放図な面白さに満ちている。
『Adam & Eve』
キャサリン・ホイール
シューゲーザー一派としてシーンに登場した彼らの4枚目のアルバム。レディオヘッド『OK Computer』、ザ・ヴァーヴの『Urban Hymns』の間にリリースされた作品で、音響的妙味とソウルに満ちた傑作である。...にも拘らず結局前者2バンドのような世界的評価を得ることは無かったのだ。
『Electro Shock Blues』
イールズ
Eという男のソロ・プロジェクト。今でこそミニマルなギターと小さな打ち込みビートでささやくように歌う宅録アーティストは数えきれない程いるが、彼はその先駆けだ。姉の自殺、不治を宣告された肺癌の母親...という辛い状況の中、切々と心情を吐露するこのアルバムには、ほとんどマジカルとしか言いようのないようなメロディが満ちている。メジャーの予算でこれをレコーディングしたというのがまた驚きだ。
『Pack Up The Cats』
ローカルエイチ
2人の男性によるこのユニットは、いわゆるガレージ宅録ローファイの部類に入るのだろう。しかし幾重にもオーバーダブされたギター、デイヴ・グロールにも匹敵するパワフルなドラムによるこの15曲は、彼らが他の同じ様なフォーマットのバンドから明らかに一線引いた存在であることを高らかに宣言している。
『Play』
モービー
当時のアメリカでは、ダンス・ミュージックが商業的成功を収めるなど考えられなかった。しかしモービーがこのアルバムに納められているトラック18曲全てにタイアップのライセンスを認めたことで、次第に各曲は電波に乗って徐々に認知されていき、最終的に大ヒット・アルバムとなった。古いレコードからのサンプルとダンスビートを融合させ、プロディジーのような攻撃性などなくともダンス・ミュージックはヒットを出せることを証明したのだ。
『Monster』
アール・イー・エム
彼らのキャリアにおいては、オーバー・プロデュースされたメインストリーム迎合の低評価アルバムということになるのだろうが、それでもソングライティングのクオリティが全く落ちてないことが、今聴くとよくわかる。
『Seven More Minutes』
ザ・レンタルズ
ウィーザーのベーシスト、マット・シャープが自分のソングライティング・センスを炸裂させた好盤。ウィーザーではリヴァース・クオモの曲で茶々を入れる名脇役的存在だが、ここでは正統的なポップソングライターとしての才能をフルに発揮している。
『Regretfully Yours』
スーパードラッグ
テネシー州ノックスヴィルという、決して音楽の盛んではない土地からデビューした彼らは、CMJのコンピレーションで彼らの曲を聴いたというエレクトラ・レーベルと契約。チープ・トリックやビッグ・スターのようなポップ/ロック/サイケなサウンドで人気を博し、ウィーザーの前座でツアーをまわるなど活動は充実していたが、このデビューに続く2作目で契約は打ち切りに。それまでと遜色ない作品を出し続けていたにも関らず、である。当時はそんなバンドがごまんといたのだ。
90年代には、誰もが音楽を聴くためにお金を払っていた。レコード・レーベルは "次世代のニルヴァーナ" を探してライブハウスを巡り、優れた音楽が世に出ることも多い一方でヒット曲1曲以外は駄曲しか収録されていない酷いアルバムも量産されたが、それでも音楽業界には活気が満ちていた。例えばフレーミング・リップスのようなバンドがワーナーと契約するなんて今では考えられないことだが、当時はそんな出来事がしょっちゅう起こっていたのである。
そんな時代生み出されては忘れ去られていった無数のアルバム。その中でも忘れてはならない隠れた名作アルバム10枚をここで紹介したい。
「Midnite Vultures」
ベック
『Odelay』でシーンを変え、一見地味なアルバム『Mutations』ですらも成功を収めた彼らにとって、その次に出されるアルバムにかかっていた期待は半端なものではなかった。そこでリリースされたこの『Midnite Vultures』。ファンクやヒップ・ホップを、どこまで本気なのか冗談なのかもわからない程振り回したこの作品は、続く『Sea Change』の高い評価もあって見過ごされがちだが、これほどまで自身のキャリアもシーンも裏切って遊び心に満ちたアルバムは他にないだろう。また、こんな作品を作れるアーティストもベック以外にいないのではないだろうか。
『Soup』
ブラインド・メロン
実際『Soup』はとても優れたアルバムである。オルタナ・ロックのアグレッシブさとニューオーリンズ・ジャズ、カントリーが絶妙にブレンドした音楽性で、バンドが確実に前作よりも成長していることがわかる。しかしレーベルからは気に入られず、セールスも不振。失意の中で行われたツアーの最中、ヴォーカルのシャノンはこの世を去ってしまった。
『Glee』
ブラン・ヴァン3000
21世紀に入ってカナダのモントリオールがアーティスト天国となり、ブロークン・ソーシャル・シーンが有名になるもっと前のことだ。カナダでリリースされたこのアルバムは、既にコミューン的アーティストのあり方や、遊び心に満ちたジャンル縦横無尽の音楽性を先取りしていた。続く2001年発売の『Discosis』の方がアルバムとしては優れているが、『Glee』にはこの作品にしかない野放図な面白さに満ちている。
『Adam & Eve』
キャサリン・ホイール
シューゲーザー一派としてシーンに登場した彼らの4枚目のアルバム。レディオヘッド『OK Computer』、ザ・ヴァーヴの『Urban Hymns』の間にリリースされた作品で、音響的妙味とソウルに満ちた傑作である。...にも拘らず結局前者2バンドのような世界的評価を得ることは無かったのだ。
『Electro Shock Blues』
イールズ
Eという男のソロ・プロジェクト。今でこそミニマルなギターと小さな打ち込みビートでささやくように歌う宅録アーティストは数えきれない程いるが、彼はその先駆けだ。姉の自殺、不治を宣告された肺癌の母親...という辛い状況の中、切々と心情を吐露するこのアルバムには、ほとんどマジカルとしか言いようのないようなメロディが満ちている。メジャーの予算でこれをレコーディングしたというのがまた驚きだ。
『Pack Up The Cats』
ローカルエイチ
2人の男性によるこのユニットは、いわゆるガレージ宅録ローファイの部類に入るのだろう。しかし幾重にもオーバーダブされたギター、デイヴ・グロールにも匹敵するパワフルなドラムによるこの15曲は、彼らが他の同じ様なフォーマットのバンドから明らかに一線引いた存在であることを高らかに宣言している。
『Play』
モービー
当時のアメリカでは、ダンス・ミュージックが商業的成功を収めるなど考えられなかった。しかしモービーがこのアルバムに納められているトラック18曲全てにタイアップのライセンスを認めたことで、次第に各曲は電波に乗って徐々に認知されていき、最終的に大ヒット・アルバムとなった。古いレコードからのサンプルとダンスビートを融合させ、プロディジーのような攻撃性などなくともダンス・ミュージックはヒットを出せることを証明したのだ。
『Monster』
アール・イー・エム
彼らのキャリアにおいては、オーバー・プロデュースされたメインストリーム迎合の低評価アルバムということになるのだろうが、それでもソングライティングのクオリティが全く落ちてないことが、今聴くとよくわかる。
『Seven More Minutes』
ザ・レンタルズ
ウィーザーのベーシスト、マット・シャープが自分のソングライティング・センスを炸裂させた好盤。ウィーザーではリヴァース・クオモの曲で茶々を入れる名脇役的存在だが、ここでは正統的なポップソングライターとしての才能をフルに発揮している。
『Regretfully Yours』
スーパードラッグ
テネシー州ノックスヴィルという、決して音楽の盛んではない土地からデビューした彼らは、CMJのコンピレーションで彼らの曲を聴いたというエレクトラ・レーベルと契約。チープ・トリックやビッグ・スターのようなポップ/ロック/サイケなサウンドで人気を博し、ウィーザーの前座でツアーをまわるなど活動は充実していたが、このデビューに続く2作目で契約は打ち切りに。それまでと遜色ない作品を出し続けていたにも関らず、である。当時はそんなバンドがごまんといたのだ。
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