人生には何度も分岐点がある。そこに直面するたびに人は悩み、決断したあとも当時を思い出してはああでもないこうでもないと逡巡を繰り返す。筆者にもそういう時期があった。しかし、今でも決して間違っていないと断言できる選択がひとつだけある。それは「プレイステーション」より「セガサターン」を選んだことだ!
友人たちが何のためらいもなくプレステを選び取っていくなか、セガを愛し続けた青春時代。ナイツ、サクラ大戦、デビルサマナーなどなど、数えきれない名作のプレイに時間を費やした。FFとドラクエがプレステ発売を決めてからは、いよいよ同好の士は減った。それはもう、驚くくらい減った。それでも「ドリームキャスト」を購入し、一人でシェンムーをプレイした。
気がつけば貴重なゲーム仲間の輪にも入れなくなっていたが、これは人より早い通過儀礼が訪れたものと解釈した。あらゆる意味で、セガは「大人のハード」だったのだ。一般的な子どもが理解できなくても仕方がない。だからこそ、独自ハード路線を辞めたあとの最大のヒット作が「龍が如く」だったのだろう。
......なんて、ちょっぴりほろ苦い青春を思い出してしまったのはほかでもない。セガサターン、ドリームキャストなど、セガの往年のハードをモチーフにしたノートPC「SEGA NOTE PC」が予約受付中なのだ。
ニコニコ生放送で2月2日からオンエアされた24時間番組「ぷよ時間テレビ」と連動して企画されたオリジナルPCで、「SEGA」「メガドライブ」「セガサターン」「ドリームキャスト」の4種類を用意する。Windowのテーマを「メガドライブ」「セガサターン」「ドリームキャスト」に切り替えることができ、アイコン、システム音なども各機種にちなんだものに自動的に設定される。
セガの公式サイトには「セガグッズ制作担当による『普段ではまず作れない、でも、欲しい人は必ずいるはず!』という、セガ魂で企画された」と説明されている。
確かにマスに訴える商品ではない。商売としては惨敗する結果が目に見えている。何よりも、PC購入を検討するうえで欠かせない、キーボードまわりの画像が、販売ページのどこを見ても載っていない。液晶は15.6インチなので、モバイル仕様でもない。Window8なのにタッチパネルでもない。しかも、プリインストールのOfficeソフトはKINGSOFTだ。絶対使いづらいだろこれ。
だが、そこが良い。このかゆいところに手が届く割に、誰もが気がつく肝心なポイントに手が届いてない感こそが、セガなのだから。
モデルはライト(9万9750円)、スタンダード(13万1250円)、ハイスペック(16万2750円)、プレミアム(19万4250円)。各ゲームハードをデザインした天板は付け替え可能で、プレミアムには4種類すべてが付く。
ただし、セガが目標とする予約数に達しなければ商品化は実現しない。ライトモデルで50台。予約締め切りは3月31日。ノルマを達成すれば、セガ設立記念日の6月3日に発売される。
個人的には、セガサターンモデルを予約し、スタバでバカでかいPCを広げながら「どや顔」したいと思う。
※参考サイト
セガ公式ショップ
http://ebten.jp/sega/p/4974365702809/
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