12歳の時メル・ギブソンの『顔のない天使』に出演し、その後着々とキャリアを重ねて『ターミネーター3』のジョン・コナー役に大抜てきされたニック・スタール(32)。...と聞くと順調な人生のようだが、今年だけで妻娘と別居し、タクシー代未払いで逮捕され、そして2回行方不明になった彼は、お騒がせトラブルの数ではリンジー・ローハン(26)と張り合えるかもしれない。
ニックが女優のローズ・マーフィーと結婚したのは2009年。2人の間には娘が1人いるが、2012年1月から別居状態に。娘と面会するには「24時間以内にドラッグまたはアルコールを摂取したか検査し、シロの検査結果を出せる場合のみ」とローズ側から条件が出ているというから、影響下にある時の彼の不安定な精神状態がうかがえる。
今年の5月初めには、ジャンキーが多く犯罪多発エリアとして知られるロサンゼルスのスキッド・ロウで見かけられたのを最後に行方が分からなくなり、別居中の妻ローズから警察に捜索願が出された。何かトラブルに巻き込まれたのではと心配されたが、行方不明になってから10日後、ニックは何人かの友人に"非感情的で謝罪も試みない"と題されたメールを送り、「無事だ。1か月リハビリ施設に入るつもりだから」と伝えた。
しかしそれもつかの間、ニックは医師の指示に逆らってリハビリ施設を抜け出してしまう。そして友人宅で6月14日に目撃されたのを最後に、またしても失踪。再びローズは捜索願を出したが、<TMZ>によれば、1週間後の21日に彼女は「もう夫を必死で探すのは断念します」とそれを取り下げた。「彼は自分の家がどこなのか、ちゃんと分かっていますから。これが彼のため、私のため、そして娘のためになることです」とその時発言している。
その後しばらくニュースはなかったが、7月末になって<TMZ>が「ニック・スタール、家族と和解...治療を再開」と報じている。家族と一緒に住んでいるわけではないが、友人宅に住み、連絡を常に取り合ってサポートグループを通じ治療を続けているとのこと。
まるでドラマか映画のようだが、こんなハチャメチャな展開があった直前にニック・スタールが撮影された映画が近々公開される。この新作映画『388』(サンハチハチ)は、『CUBE』や『スプライス』で知られる鬼才、ヴィンチェンゾ・ナタリが製作総指揮を務めたサスペンス・スリラー。しかもそのストーリーは、ニックのキャラクターが妻の失踪と、それと共にやってくる"見えない恐怖"に追い詰められ、精神を狂わせていくというもの。
<V・ナタリとニック・スタール、『388』で"狂っていく"キャラクターの心情を語る>
平凡な生活をしていた夫婦にあるささいなことが起こり、それがもとになったケンカの後、妻が忽然と消える...そしてまわりで起こる、不可解な出来事の数々。ニックが演じる主人公のジェームズは誰も信じられなくなり、次第に極限の精神状態に達する、というこの作品。妻と夫の立場は逆だが、ニックの現実と重ねて考えずにはいられない。
「人生というものは、芸術が人生を模倣する以上に、芸術を模倣する」とはオスカー・ワイルドが好んだ言葉だが、ニックの人生もそうなのだろうか。監視(サベイランス)カメラを何台も使った映像で、複数のアングルから見られている、緊張感のある日常を描いた『388』。ニックはインタビューの中で、「複数のカメラに画面の中で1人というのは新たな挑戦だった」と言っているが、常に公衆の目にさらされて生活している普段の彼の生活も、サベイランスされているようなところがある。
「ニックは完璧な配役。役柄になりきり、ジェームズそのものだった」と彼の演技をたたえるナタリ監督。映画の中では脚本上狂いまくったとしても、私生活は穏やかになるといいのだが。
『388』(原題:388 Arletta Avenue)
監督・脚本: ランドール・コール
製作総指揮: ヴィンチェンゾ・ナタリ
キャスト: ニック・スタール、ミア・カーシュナー ほか
上映時間: 87分
2011年/カナダ
11月10日(金)より新宿バルト9ほか、全国順次ロードショー あらすじ:トロントの高級住宅街アレッタ通り388番地の一軒家で暮らす若い夫婦。夫のジェームズは、美しい妻エイミーと幸せな毎日を送っていた。しかし、ある朝聞き覚えのないCDがカーステレオから流れ始めたことから、彼らの日常は狂い始める。妻エイミーが忽然と姿を消し、一人残されたジェームズの家には次々と不可解な出来事が起こっていた・・・。友人、妻の姉、警察、全てを信じられなくなったジェームズは次第に追いつめられていく。果たしてジェームズとエイミーに、一体何が起こっているのか?!
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記事元:HuffPost(1), HuffPost(2), TMZ(1), TMZ(2), TMZ(3) via HuffPost, People
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