ラース・フォン・トリアー監督と言えば、"物議を醸す"がもはや名前の一部であるかのような人物で、インターネット上で「troll(荒らし、釣り)」というスラングがまだ知名度を得ていない頃から観客を釣り、煽ってきた。
デンマークの映画監督であるトリアー監督は、『ドッグヴィル』、『アンチクライスト』、『奇跡の海』、『ヨーロッパ』、『メランコリア』、『ニンフォマニアック』など、インパクトのある作品を数多く出掛けてきた。
そんなトリアー監督は、カンヌ国際映画祭において先日行われた新作『The House That Jack Built』(原題)の上映会で、望み通りの観客の反応を再び得たようだ。退席者が続出する一方で、映画が終わると6分間のスタンディングオベーションが起こったのだ。
トリアー監督が脚本も務めたこの新作は、マット・ディロンを主役に迎え、殺人を精巧なアートと見なす米国の連続殺人犯ジャックを描く。生々しい殺人シーンが何度も出てくるが、100名以上が映画の途中で退席したと報じられている。
(※ネタバレ注意:どうやら退場者が1番多く出たシーンは、ジャックが狩猟用ライフルで幼い子供2人の頭を吹き飛ばすシーンだったようだ)
以下、観客の感想の一部をご紹介しよう。
「ラース・フォン・トリアー監督の『The House That Jack Built』を観てきた。気色悪い。見せかけ。吐きそう。拷問。哀れ」Just left Lars Von Trier's The House that Jack Built.
Gross. Pretentious. Vomitive. Torturous. Pathetic. #Cannes2018 - The Oscar Predictor (@OscarPredictor) 2018年5月14日
「ラース・フォン・トリアーの作品から退席した。不快な映画。製作されるべきじゃなかった。俳優も同罪だ」Walked out on LarsvonTrier . Vile movie. Should not have been made. Actors culpable
- Showbiz 411 (@showbiz411) 2018年5月14日
「ラース・フォン・トリアー作品のプレミアから退場した。子供が射殺されるシーンを観ることが芸術や娯楽だとは思えない」I've just walked out of #LarsVonTrier premiere at #Cannes2018 because seeing children being shot and killed is not art or entertainment
- Charlie Angela (@CharlieAJ) 2018年5月14日
「それでも、カンヌの観客はラース・フォン・トリアーの『The House That Jack Built』にスタンディングオベーションを捧げた。僕の近くに座っていた誰かが『彼らは誰にでも拍手するんだ』って言ってたけどね」Nevertheless, #Cannes2018 still gives Lars von Trier a standing ovation after 'The House That Jack Built.' As someone sitting near me put it: "They'll clap for anything." pic.twitter.com/xa6Hi0t23r
- Ramin Setoodeh (@RaminSetoodeh) 2018年5月14日
多くの観客が手厳しい感想をツイートしたが、これがかえってこの映画に対する人々の興味を引くことになった。そもそも、議論を呼ぶ忌まわしい映画に人は魅力を感じるものだからだ。以下の予告編をぜひ、ご覧いただきたい。
ユマ・サーマンや、エルヴィス・プレスリーの孫ライリー・キーオも出演する『The House That Jack Built』は、トリアー監督の出身地であるデンマークで、今年の11月29日に公開される予定だ(日本での公開は未定)。
■参照リンク
https://www.moviefone.com/