映画『タイタニック』は今年20周年を迎えるが、20年経った今でも、ファンはある重要な疑問に頭を悩ませている。凍てつく海に放り出されたジャック(レオナルド・ディカプリオ)は、生き残る事ができなかったのか? という疑問だ。


これはもっともな疑問だろう。映画の中では、ジャックは、ローズ(ケイト・ウィンスレット)を、海に流れてきた木製のボードに乗せた。ボードには2人乗るスペースが十分あったにも関わらず、ジャックは海に入ったままだった。彼の悲劇的な運命を決めたこのシーンの真意は、ジェームズ・キャメロン監督にしか語れないだろう。このシーンは、都市伝説を検証する番組、『怪しい伝説』のエピソードでも取り上げられており、2人が頭を柔らかくして、ライフジャケットをドアの下にくくりつけていれば、2人で乗ったとしても木は浮かんだままだった、と結論づけられた。

そして先日、監督自ら、この問題に決着をつけるべく、『Daily Beast』のインタビューで、『怪しい伝説』の検証がいかに"でたらめ"であるかを説明した。

「想像してください。あなたがジャックだとします。華氏28度(摂氏マイナス2.2度)の水の中にいると、脳が低体温症になってきます」と監督は話す。「『怪しい伝説』では、ここでライフジャケットを脱いで、ローズのライフジャケットも脱がし、ボードの下へ泳ぎ、すぐに外れてしまわないようにしっかりと結ぶ、と説明していました」

確かにそれは不可能に思える。凍えながら、感覚の無くなった指を使ってライフジャケットをくくりつけることは、非常に難しそうだ。しかもその間、ライフジャケット無しで水中にいなくてはならないのだ。

そもそも、理論上2人とも生き残れるかどうかが問題ではない。結局のところ、そういうストーリーだから、ジャックは死ななくてはならなかったのだ。

監督は、「ほら、非常に簡単なことなのです。脚本の147ページを見れば、こう書かれています。『ジャックが木のボードから降りて、彼女が生き残れるように場所を作ってあげた』」、「簡単な話です」と、この長年の疑問に終止符を打った。

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