アメリカをさまよう1匹の可愛いダックスフントと、その飼主となる冴えない人々の姿を描いたブラック・コメディ『トッド・ソロンズの子犬物語』が2017年1月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開となる。
『ハピネス』『ストーリーテリング』などで、様々なタブーに触れながら人生のバカバカしさ、人間の愚かさをブラックユーモアたっぷりに描き、観る者に爆笑と気まずい気分を提供してきたアメリカン・インディペンデント界の鬼才トッド・ソロンズ監督がメガホンをとる本作。出演にはジュリー・デルピー、ダニー・デヴィート、エレン・バースティンら名だたる名優たちが名をつらねており、ソロンズ監督がはなつインパクト大の強烈キャラを熱演しているのも見どころとなっている。
死んだ目の成金オバハン・ディナを演じるのは、なんとジュリー・デルピー。J.L.ゴダール、リチャード・リンクレイターをはじめ数々の有名監督に起用され、自身も監督、脚本をこなし作り手としても多才ぶりを発揮するフランスを代表する名女優だ。
そんな彼女が本作で演じるディナは、ダックスフントの最初の飼い主になる病弱な少年レミの母親。豪華な一軒家に住み、車はベンツと何不自由ない暮らしをしているがその瞳は虚構で満ちている...。さらに、ダックスフントの身を案じ「火葬って何?」と訊く我が子に「オーブンでサッと焼くのよ」と心無いセリフを吐くなど、性悪ババアっぷりを炸裂させる場面も。また、ダックスフントに去勢手術を施そうとするが、そこで驚愕の作り話でレミを説得するシーンもかなり強烈だ。
続いての"残念ピープル" を演じるのは、ダニー・デヴィート。シュワルツェネッガーとコンビを組んだコメディ『ツインズ』、『ジュニア』で人気を博し、『バットマン・リターンズ』の名悪役Mr.ペンギンなどヤバい役どころも最高。『パルプ・フィクション』、『エリン・ブロコビッチ』など名作のプロデュースも務める才人だ。
シリアスな演技もコミカルな演技のお手のもの彼が演じるのは、業界から干され気味の映画脚本家で、映画学校の講師をしているものの、学校でも居場所がない崖っぷちのおっさん、シュメルツ。かつて手がけたB級映画だけが心の拠り所。映画会社のエージェントからも、学生からもナメられまくって絶望したシュメルツは、ダックスフントを使ってとんでもないことをやらかそうとするが...。
最後に登場するのは、アメリカ女優の頂点でもあるアカデミー賞女優のエレン・バースティン。『アリスの恋』で史上3人目となるアカデミー賞とトニー賞のダブル受賞を達成。その後数々の映画賞を受賞し最近では『インターステラー』や大人気海外ドラマ「ハウス・オブ・カード」などにも出演。博士号を持ちアクターズ・スタジオ学長という彼女が本作で演じるのは"死ぬほど面倒くさい婆さん"。
ダックスフントに「癌」という名前をつけたり、孫娘に「昔ヌードモデルをしていた」など聞きたくもない話をわざわざする偏屈な老婆ナナ。Mr.マリックのようなデカいサングラスをし、孫娘に身も蓋もない話をするその姿は正直サングラスを外すまでエレン・バースティンとは気づかないほどだ。
冴えない人々、でもどこか憎めない人間模様は新春初笑にぴったり。ブラック・コメディ『トッド・ソロンズの子犬物語』は2017年1月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
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■関連リンク
『トッド・ソロンズの子犬物語』公式HP
http://koinu-story.jp/
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