いまだに多くのロックファンやゴシップ好きの心をつかんで離さない、カート・コバーンの"死の真相"について、またしても斬新な推理が飛び出した。
1994年にショットガンで自殺したとされているカート・コバーン。その死の真相には諸説あり、警察の発表では自殺とされているが、妻のコートニー・ラブが殺し屋を雇って暗殺させたのでは? という噂もある(これは『ソークト・イン・ブリーチ ~カート・コバーン死の疑惑~』というタイトルで映画化されている)。
https://www.youtube.com/watch?v=hH5zHmWhXHc
20年以上が経った現在でも彼の自殺を信じたくないファンがいることは事実だが、ここにきて新たな説が浮上してきた。それも"CIAがカートをヘロイン中毒にして暗殺した"というブッ飛んだもので、ジョン・ポタッシュという人物が先日発表した「Drugs As Weapon Agains Us」という著書の中で論じている。
ゴリゴリの陰謀論者であるポタッシュが言うには、米諜報部は40年も以前からカリスマ性のあるアーティストの思想や発言力を危険視しており、人々にわからないように巧妙に暗殺してきた......とのこと。ジミ・ヘンドリクス、トゥパック、ジョン・レノンなどもそうやって殺されてきたそうで、カートにヘロインを手渡したのも彼らだというのだ。
さらに、CIAはメディアを操作し、60年代にはアシッド、現代ではヘロインを流布して人々をコントロールしやすいように骨抜きにしてきた、というのである。同著のタイトル通り「我々に対する武器としてドラッグが使用された」ということらしい。
https://www.youtube.com/watch?v=uWpe0FpT5IQ&spfreload=10
かつてジョン・レノンの死に対し暗殺説が出たときには、ハッキリとポリティカルなメッセージを発していたレノンだけに信憑性もあった。しかし、カートは良くも悪くも"だらしない"というか、諦念と怒りが混濁した表現をするアーティストである(だからこそ当時の若者に支持された)。パンクを信じ、平和を望み、男女差別に反対し、一貫してLGBTの側に立った彼は、インタビューなどで社会的・政治的メッセージを発することも珍しくはなかった。
とはいえ、CIAがわざわざ暗殺するほどの存在だっただろうか? それを言うなら、パールジャムのエディ・ヴェダーやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザック・デ・ラ・ロッチャの方がよっぽど暗殺されそうなものだが、彼らは今でも現役バリバリである。陰謀論が大好きなお国柄とはいえ、彼の新説にはさすがに無理があると言わざるを得ない。
https://www.youtube.com/watch?v=TyxOqdf-sao
■参照リンク
http://www.break.com/
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