英語には「1枚の絵は1000の語に匹敵する」という言葉があるが、今回紹介する絵は、なんと2600万ドル(約26億円)に匹敵するかもしれないのだ。
CNNによれば、ルネサンス時代の無名画家による作品と思われていた聖母マリアの肖像画が、あのラファエロによるものではないかというのだ。
話は19世紀初めに、第4代アバディーン伯爵だったジョージ・ハミルトン・ゴードンが肖像画を買い取ったことに始まる。当時、この絵はラファエロの作品だと思われていた。
しかしその数年後、この絵が本物だとして売りに出された際に改めて鑑定が行われると、この絵がラファエロではなくインノチェンツォ・ダ・イモラの作品であると評価された。
すると、オークションでの価格は25ドルに急落。これは現在の価値でいえば、2500ドル(約26万円)に相当する。
この作品が最近、BBCのお宝発掘番組で、美術史の専門家ベンドール・グローブナー氏によって発見された。この番組は地方にある公共施設などの収蔵品から貴重な作品を探し出すという内容で、グローブナー氏がこの絵を見つけたときは、ある歴史的建造物の邸宅を調査していた。
薄暗い場所に置かれ、保蔵状態も良くなかったが、グローブナー氏はこの作品を見てすぐに聖母マリアの絵がラファエロの他の作品に酷似していることに気づいた。
番組の構成上、この絵の鑑定結果には間に合わなかったが、もし本当にラファエロの作品だった場合、この絵の価値は2600万ドル(約26億円)にもなるだろうと言われている。
「これがラファエロの作品かもしれない、というだけで興奮します。実に美しい作品なので、できるだけ多くの人に観てもらいたいですね」とグローブナー氏は語る。
ぜひとも実物をこの目で見たいという方は、現在スコットランドのナショナルトラスト施設、ハドー・ハウスに展示されているので足を運んでみてほしい。鑑定の結果が楽しみだ。
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