公開中の脱出系スリラー『コロニア』の監督、フロリアン・ガレンベルガーのインタビューも大到着! 南米チリを舞台に難攻不落の拷問施設からの脱出を試みるカップルの物語だが、「南米のチリが舞台なのに、その大半はヨーロッパで撮影」したなどと裏話満載です!
――今回、どうして"コロニア・ディグニダ"についての映画を撮ろうと思ったのですか?
9才の頃に学校で先生が、"コロニア・ディグニダ"に関するテレビニュースの映像を見せてくれたんです。当時はチリがどこにあるかもわかりませんでしたが、ものすごい「怒り」の感情がこみ上げてきました。家に帰って母にコロニアの話をしたのを覚えています。子どもなりに、とても不公平だと感じました。
7~8年前に偶然、新聞でまたコロニアに関する記事を目にしました。まだ、コロニアが存在していることに驚き、同時に子どもの頃に初めてコロニアについて習ったときに覚えた「怒り」の感情がこみ上げてきました。そして、コロニアについて調べていくと、コロニアを取りまく当時の情勢も含め、自分が想像していたよりも大きな問題であることがわかりました。このまま忘れられてはいけない史実であると思いました。
――主演のエマ・ワトソンを筆頭に、まるで夢のようなキャスティングが実現しましたね。
素晴らしい俳優がそろいました。夢のようなキャスティングです。
キャスティングについて協議していた時、エマ・ワトソンの名前が挙がりましたが、まさか彼女がドイツのインディペンデント映画を引き受けてくれるなんて思ってもみませんでした。
エマは本当に聡明な女性で、コロニアについても自分でいろいろと調べたようで、たくさんの情報を持っていました。また、脚本も隅から隅まで読み込んでいて、わたしに聞きたいことがあると、質問をたくさん用意してきていました。彼女の熱心さに心を打たれました。
そして、撮影の直前にエマをチリに連れて行きました。実際のコロニアで今もそこに住むコロニアのメンバーに直接話を聞いてもらうためです。この旅で、彼女がどれだけこの作品に真剣に取り組んでくれているか、実感しました。エマも実際にコロニアの生存者たちと話して、とても影響を受けたようでした。ずっとコロニアに住んでいるという老人本人の口から、実際に経験したことを聞くことはとてもインパクトのあることなのです。撮影が始まったときには、エマはコロニアについてエキスパートになっていました。実際にコロニアを訪れ、生存者達の話を聞き、そして、コロニアについて本当に深い関心を持っていました。
――実際にコロニアを訪問したのですね!
わたしは何度も訪問しているんです。脚本を書くためのリサーチなどで。なので、エマ用に訪問プランを組んで、若い住人から初期メンバーまで、さまざまな人から話を聞けるようセッティングしました。チリは遠いですし、決して"楽しい"旅ではないので、ここまでやってくれる女優はほかにはなかなかいないと思います。
また、これまで彼女は10代の役ばかりだったので、きちんと大人の女性を演じることができるということを証明したいという気持ちもあったんだと思います。
さらに、エマは"女性が恋人を救う"という設定にも惹かれていたようです。通常だと、逆のパターンが多いですよね。彼女が力を入れている"He For She"をはじめとする国連での男女平等運動などからもわかるように、彼女にとっては強い自立した大人の女性のイメージを伝えることが大切だったんだと思います。
彼女は本当に勤勉で、完璧な準備をして撮影に挑むんです。セリフなんて撮影に入る随分前に暗記していて、とにかく役になりきるためにできることは何でもやるんです。映画製作においては、関わる人がみんな同じゴールに向かって一致団結することがとても重要です。もし、主演女優から熱意が感じられなければ、共演者やスタッフの士気も下がってしまいます。主演女優が有名なスターであればなおさらです。エマはそういう意味で、関わった人皆に素晴らしいエネルギーを与える存在でした。また、製作中だけでなく、宣伝活動も手伝ってくれ、彼女が出演していることで、この映画を観ようと思ってくれる人も、少なくないと思います。
全国順次公開中!
©2015 MAJESTIC FILMPRODUKTION GMBH/IRIS PRODUCTIONS S.A./RAT PACK FILMPRODUKTION GMBH/REZO PRODUCTIONS S.A.R.L./FRED FILMS COLONIA LTD.
■映画『コロニア』公式サイト
colonia.jp
■エマ・ワトソンが語る、主演映画『コロニア』に秘められたメッセージ 「愛はこんなに卑劣な環境をも耐え抜くことができる」 - AOLニュース
http://news.aol.jp/2016/09/27/colonia/
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