ギリシャ神話のアキレスには「かかと」、スーパーマンには「クリプトナイト」、そして我々のような普通の人間にとっては「紙で指を切る」と猛烈に痛いという弱点がある。
多くの人が経験しているはずだが、紙で指を切ったときの傷はそのサイズから考えると笑ってしまうほど痛い。しかし、その痛さにはちゃんと理由があったのである。
紙で切った場合、傷そのものはそれほど深くならない。しかし、ナイフというよりむしろギザギザののこぎりで皮膚を切り裂き、細かく切り刻んだ状態になる。UCLAの皮膚科医によると、この痛みは抹消神経によるものだという。指先には体のどの部分よりも痛みを感じる受容体が集中しているそうで、意外なことに同じように紙で顔を切ったとしても、指を切ったときほどの痛みは感じないのだとか。
さらに前述の通り、傷が浅いことがかえって痛みを感じさせる要因になっている。傷が深いと流血するが、その血が固まってかさぶたを形成し、外気から傷口を守る役目を担う。しかし紙で切ったときのような浅い傷には保護がなく、傷口がさらされてしまうからだという。
とはいえ、気を付けていても切ってしまうことはあるはずだ。結局、未然に防げないなら絆創膏を持ち歩くのが一番いいのかもしれない。
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