『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)や、『鑑定士と顔のない依頼人』(13)など数々の名作を生み出してきたイタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作『ある天文学者の恋文』は、一人の天文学者が恋人に遺した"謎"をめぐる極上メステリーであり、美しくも切ない愛の物語でもある。
天文学者エドと彼の教え子エイミーは秘密の恋を謳歌していたが、ある日突然彼女のもとにエドの訃報が届けられる...。悲しみに暮れるエイミーのもとに、彼の死後も届き続けるエドからの手紙。そのメッセージに導かれるように、エイミーがスコットランド・エディンバラやイタリアの湖水地方サン・ジュリオ島を巡っていく姿が描かれる。
本作で、英国が誇るオスカー俳優、ジェレミー・アイアンズが演じる天文学者の恋人・エイミーを演じるのは、『007/慰めの報酬』でボンドガールを熱演したウクライナの星オルガ・キュリレンコだ。
トルナトーレ監督作品には初出演となったオルガだが、名匠の印象について「とても直感の強い人で、同時に人間の心理を完璧に理解している監督でした」と賞賛。
また、トルナトーレ監督は主演の二人について「相性が素晴らしかった」と言及する。オルガは、ジェレミーとの共演について「とても光栄なことで、私自身楽しみました。パソコンや携帯に面して演技をすることが多かったので、エイミーの状況がとてもリアルに表現できたと思います。一緒のシーンがもっと多ければ良かったんですが、脚本に従いました」と振り返った。
本作で彼女が演じるエイミーは、この世を去った恋人を一途に想い続ける情熱的な女性だ。役作りにおいて、「エイミーというキャラクターについて、彼女の過去や感情など、監督とたくさん話し合いました。違う見方をしていることも時々あったので、意見を交換するのはとても重要でした」と監督と多くの会話を重ねたようだ。エイミーと自身が重なる部分については「私も情熱的ですし、真実の愛は永遠だと思っています」とも語っている。
また、劇中では、"教え子と生徒"というエドとエイミーのロマンチックな関係の二人の織りなす恋愛模様も描かれているが、オルガ自身にとって理想的な恋愛は「愛情が身近で、隠す必要がない状況です。リアルで正直、自由な恋愛です」と"秘密の関係"にはあまり関心がないようだ。
オルガとジェレミー、主演の二人の織りなす繊細でありながら情熱的な演技や、アカデミー賞作曲家のエンニオ・モリコーネによる心のひだに触れる優美な旋律、さらにエディンバラやイタリアのサン・ジュリオ島という情緒あふれるロケーションが生み出す魅力を名匠トルナトーレ監督が丁寧にとりまとめて生まれたたロマンス・ミステリー『ある天文学者の恋文』。秋にぴったりの、大切な人と観に行きたくなるような一本だ。
『ある天文学者の恋文』は9月22日(木・祝) TOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次ロードショー
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■『ある天文学者の恋文』公式サイト
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