フレンチマスティフのフーチは3年前、米カリフォルニアでドッグレスキュー団体マーレーズ・マットに保護された。そのときフーチは耳をそがれ、舌を切り落とされていた。同団体のエイミー・クレインさんは、定かではないとしながら、フーチが闘犬場でベイトドッグにされていたのではないかと推測している(ベイトドッグとは、闘犬を興奮させるために、リングに投げ込まれる"生き餌"のようなもの)。
ガリガリに痩せ細っていたフーチの体重を増やすため、当初はチューブを使って栄養を取らせていたが、最終的にはお湯でふやかしたドッグフードを人の手で与える方法に落ち着いた。また、水を飲むときに頭ごと水おけに突っ込むというスタイルはフーチが自ら編み出したものだという。
凄惨な虐待の経験により、初めのころフーチは極度に人間を恐れていた。しかしスタッフの愛情と献身的な世話を受け、今では人なつっこい犬へと様変わりしている。団体の創設者ザック・スコーさんはフーチの生きる姿に感銘を受け、自らフーチを引き取り、里親となった。
話はこれで終わりではない。スコーさんとフーチは、地域で行われている自閉症児のためのプログラムに参加し、子供たちに寄り添う活動を始めたのだ。フーチは正式なセラピー犬としての資格を持っていないが、子供たちにとって癒しの存在となっている。
フーチの頑張りと地域への貢献は高く評価され、動物と福祉の向上を目的とした「アメリカ人道協会(American Humane Association)」の「新進気鋭のヒーロードッグ」の栄誉に輝いたという。
■参照リンク
アメリカ人道協会
http://www.alive-net.net/zoocheck/filming/AHA-gl-1.pdf
http://www.aol.com/
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