AKB48の台頭と共にそのシーンを確立&拡大し、今に至るアイドル市場。そんなアイドルシーンにおいて、目下、注目度が急上昇しているのが「生ハムと焼うどん」だ。
一見すると、アイドルグループの名前とは思いがたい名を持つ彼女たちだが、2015年春にライブデビューすると、個性的な"芸風"とも言える、きわめて完成度の高い寸劇的な要素を持つパフォーマンスや、観客を交えて行う個性的なMCなどから、一般的なアイドル像とは一線を画す存在感を発揮し、急速に注目を集め、あれよあれよとスター街道を駆け上がっていく。そして、ライブデビューから1年経った今年3月には、これまで数多くの大物アーティストが公演を行ってきた赤坂BLITZでの2ndワンマンで1000人を超える動員を達成するまでに。
そんな"急成長型"のアイドルである「生ハムと焼うどん」だが、いずれのプロダクションにも所属せずにフリーランスで活動している点や、彼女たち自身によるセルフプロデュースという方法をとっている点も、いわゆる普通の「アイドル」というイメージからは大きくかけ離れており、大変興味深い。
さらに、すでに一部の番組などでも紹介されているように、彼女たちはアイドルでありながらも、本職の芸人さながらのトークテクニックを持つことでも知られる。無論、その腕前はステージ上で披露されるパフォーマンスで楽しむことができるが、たとえば物販(グッズ販売)の際にも、映画『男はつらいよ』の主人公・フーテンの寅こと車寅次郎の啖呵売を彷彿とさせる小気味の良いセールストークで絶えず観客たちを楽しませるなど、会場入りから会場を後にするまで一切気を抜かない生粋のエンターテイナーぶりは、ライブデビュー当初から一部でかなりの評価を得ていた。
きわめて特異な個性を持ち、完成度の高いパフォーマンスで、日を追うごとに熱狂的なファンを加速度的に増やし続けている彼女たち。ほぼ確実に近い将来、日本の音楽&アイドルシーンに一石を投じる存在になり得ることは、ほぼ間違いないだろう。
ちなみに、2人組のアイドルユニットと言えば、後年、多くのアイドルたちに影響を与え、カバーされることとなった有名曲「スパイスィ カレー」を引っさげ、各地の学園祭で大きな旋風を巻き起こしつつも、惜しまれながら電撃解散を果たした伝説のユニット「リトルレンズ」の活躍が古参のアイドルファンにとっては印象深いところかもしれないが、そんな彼女たちとはまた違った個性と芸風ながらも、それと同じかそれ以上に、大きな旋風を巻き起こしつつある「生ハムと焼うどん」の2人。過去を振り返ってではなく、現時点で進行中のレジェンドの行く末に、アイドルファン&音楽ファンのみならず、今後、多くの人々からの注目が集まりそうだ。
文・北井大
生ハムと焼うどん【にゅんにゅん】
■生ハムと焼うどん 公式WEBサイト
namaudon.tokyo
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