いよいよ8月に入り、夏の行楽シーズンもたけなわ。そうした中、近年、にわかにファミリー層の間で注目を集めるのが、いわゆる"車中泊"を中心とした旅行だ。一般に"車中泊"と聞くと、狭い車の中で体の痛みや窮屈さと戦いながらの"眠れぬ夜"を思い浮かべがちだがさにあらず...。実は近年、キャンピングカーを使っての"車中泊"ツアーが巷で流行している。
どこへでも気ままに移動でき、宿の手配をせずに好きな場所を宿にできる手軽さや、子供たちの思い出づくりという点から徐々に愛好者を増やし続け、それまで乗っていた普通車から、キャンピングカーへの買い替えを行うファミリー層も増えているという。
となれば、当然気になるのは、そうしたキャンピングカーの設備・仕様や、導入に際して必要なコストといった部分を含めた、"使い勝手"の部分である。
まず、設備について言うと、現在、流通しているキャンピングカーの場合、キッチンやベッド、トイレといった生活に必要な備品のほとんどは搭載されており、きわめて快適な居住性が確保されているのが実情だ。どのような車をベースにしているか、また、どの程度の費用をかけることができるかで、充実度は大きく異なるとはいえ、ハリウッド映画にしばしば登場するトレーラーハウスのように、「旅行」ではなく、一定期間の「居住」までできてしまうタイプのものも珍しくない。普通車における車中泊に比べて、すこぶる快適であるため、急に発生した災害時などの場合もきわめて有用と言えそうだ。
また、導入コストについては、大きくわけて(1)車両購入費用と(2)カスタマイズ費用の2つがその大半を占める。(1)購入費用について言えば、軽自動車をベースに、比較的コンパクトにまとめあげたタイプのほか、中古の商用バンを転用したものなど、お財布事情に応じて調整が可能である。(2)カスタマイズ費用についても、何百万もかけて、豪華クルーザーのようなラウンジ感溢れるものにすることも可能だが、簡易のベッドスペースを設ける程度であれば、数十万円でも実現可能。さらにDIYを趣味とするお父さんたちならば、自らの手でカスタマイズを行うことで、さらにコストを削減することができる。ちなみに、高倉健主演の映画『あなたへ』(12)では、主人公が妻の遺骨を胸に、彼女の郷里を目指して旅に出る様子が描かれているが、その中で高倉演じる英二は、愛車であるワンボックスカーをDIYで改造し、キャンピングカー仕様に改造していくシーンも登場している。
このように、広く一般に抱かれているそのイメージとは裏腹に、快適な旅と居住空間を実現できるキャンピングカー。たしかに、オートキャンプ後進国である日本では、欧米などに比べ、対応している施設はまだまだ少ないと言えるが、愛好者が増え続けることで、今後はこうした課題も改善されていくと考えられるだけに、気になるという人は、キャンピングカーのカスタマイズを手掛ける業者のサイトや、実物に触れることができるイベントなどで、その中身をチェックしてみると良いかもしれない。
文・中後沙耶
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