能年玲奈が「のん」という芸名で発表し話題となったが、日本の芸能史を紐解いてみると、意外なほどに芸名を変えている「改名芸能人」が数多く存在していることに気付かされる。
たとえば、能年と同様に、芸能事務所との関係で改名が行われたケースでは、1991年に話題となった俳優・加勢大周の例が印象深い。
彼の場合、設立した個人事務所への移籍を試みたところ、それまでの所属事務所から、芸名である「加勢大周」の使用中止を求められてしまう。しかもその後、加勢側に芸名の使用を認める判決が出ると、前事務所側は「加勢」に代わる「新・加勢大周」なる若手俳優をデビューさせるという泥沼に。この騒動においては、加勢は、自らの芸名の使用を守ることができたものの、「新加勢大周」の方はと言うと、騒動が落ち着いた頃に「坂本一生」という名に改名することとなった。ちなみにトラブルを経て「加勢大周」の名を守り通すことができた加勢とは違い、「新・加瀬」こと坂本は、その後、テレビ番組の企画で「大旗一生」と改名。さらにその後、再び「坂本一生」に戻すという、改名続きの人生を送っている。
また、同じく巷を賑わせることとなった改名騒動として知られているのは、最近何かにつけて巷を賑わせている俳優・高知東生。
彼の場合も1993年にデビューした際は、同じ「ノボル」という呼び方ではあるものの、「高知東急」という芸名を使用。しかしこの芸名へ、東京急行電鉄(東急グループ)から、「高知に東急電鉄が進出したという誤解を招く恐れがある」という指摘があり裁判へと発展。結果、「"東"京へ"急"いでにのぼれ」という意味を込めた「東急」から、「"東"京で"生"きる」という「東生」へ改名した。
このように、とかく、芸能界においては、芸名の変更が行われることがしばしばだが、全体を俯瞰してみると、大きくわけて
(1)所属事務所や商標問題などのトラブルによるもの
(2)番組企画を含め、運気UPを狙ってのもの
(3)なんとなく...
といった理由によって改名が行われるケースがほとんどであるようだ。
ちなみに、意外と地味に変更を繰り返しているものでは、
磯野貴理子の、「きりこ」 「磯野貴理子」 「磯野貴理」 「磯野貴理子」のようなケースや、
我修院達也のように、演歌歌手「桜一平」としてデビューした後、「若戸章」「若人あきら」と改名した後にものまね芸人としてブレイク、1991年に起きた失踪事件後に嫌気がさして「我修院達也」と改名し、個性派俳優として再ブレイクを果たすという、活動遍歴に伴う形で改名を行っているケース。
先日の参院選に出馬した女優の益戸育江こと高樹沙耶のように、最初の映画出演作『沙耶のいる透視図』での役名にあやかった芸名でスタートし、本名の益戸育江にした後で、選挙に際して高樹沙耶に戻して出馬するなど、能年のように本名を芸名として使用する時期を含めて改名しているケースなども存在しているが、
テレビ番組の企画で、それまで使用していた「悠木千帆」という芸名を公開オークションにかけ、2万200円で売ってしまった女優・樹木希林のような珍しいケースも。
とはいえ、芸名というものは、本名でない限り、いつでも自分の気持ち一つで「しっくりくるもの」に変えることができるもの。あまり頻繁に変えすぎるのは考え物だが、お笑い芸人のコンビ名などは、改名後に突如として大ブレイクするケースも少なくないだけに、ゲンを担ぐなり、インスピレーションに従うなり、自分なりの考えて変えてみても良いのかもしれない。
文・鯨野貴紗
■能年玲奈 プロフィール(レプロエンタテインメントホームページ)
http://www.lespros.co.jp/talent/artists/rena_nounen/
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