ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツの豪華キャストが集い、"史上空前の犯罪現場の生中継"を描くリアルタイムサスペンス『マネーモンスター』。クルーニー演じる主人公リー・ゲイツは財テク番組のMCとして人気者だが、生放送中に拳銃男の人質となってしまい、そのまま放送を続けるハメに。先が読めない一級のサスペンスと、その過程で変化していくキャラクターについて、来日を果たした監督のジョディ・フォスターに話を聞いた。
――今回ジョージ・クルーニーは主演と製作も務めていますが、もともと彼は監督でもあるので、撮影中に彼のアイデアが出ることなどありましたか?
最初の段階でいいアイデアをいくつもくれて、なかでも主人公のダンスは最高だったわね(笑)。比較的、俳優目線でのコラボレートが多くて、彼自身も監督をしているからこそ自由に仕事をする場所を作ることの意味を知っていたのよ。だから仕事がしやすかったし、わたしが監督として仕事をするための場所も作ってくれたのよ。
――サスペンスがリアルタイムで進行していく過程で、同時に主人公の成長も含めて、キャラクターの変化が魅力でした。
作品として誰もが楽しめるようなスリラーのエンタメにしたかったけれども、これは観客の参加を求める作品でもあるの。知的なことや多発的なことを同時に体験していくこと、キャラクターについても理解しなくてはいけない。それにジョージとジュリアの間にも、ケミストリーがあるの。それもいきた作品だったと思うわ。
――その成長する主人公をジョージが見事に演じていますね。まるで『マイレージ、マイライフ』(09)のダメ男がモデルみたいですが、あの主人公像はあなたが見てきたショービジネス界の実際の人物などを参考にしていますか?
そうね。ただ、リー・ゲイツには、自分自身も反映されていると思う。それはどのキャラクターにも言えることで、監督というものはキャラクターの肉体に自分を投影していくものなのよ。特に今回のジョージは勇気がある演技を披露してくれていて、冒頭のリーはエゴでいっぱい(笑)。ちゃんと自分の人生を生きていないのよね。
――確かに仕事で成功はしているけれど、幸せそうには全然見えない虚しい人間ですよね。
眠っているように生きているというか、いろいろなことに意識を働かせて生きていないの。酒は飲むは、他人のことをおもんばからず、自分を見失っている。そういう男として始まっているのよ。ある意味、自分が作り上げた神話を信じている男なわけなの。深いレベルで自分のことに対する嫌悪感があって、それが原因でそうなっているということが映画の半ばで見えてくるわ。
――まさしくキャラクターの変化ですよね。自分に向き合っていく彼の姿は、リアリズムと共感ポイントがありました。
ジョージが素晴らしい演技で紡いでくれたと思うけれど、確かに言われたように自分が観てきた人というよりも、セレブリティーの人生をちょっと象徴するキャラクターなの。思い込みが強く、世界は自分を中心に回っていると思ってしまいがちで、エゴに突き動かされた自分という概念を持ちながら、同時に嫌悪感も共存しているような人々。そういう意味では、リーってすごくセレブ的なキャラクターだと思うわ。
映画『マネーモンスター』は6月10日(金)全国ロードショー!
■参照リンク
映画『マネーモンスター』公式サイト
MoneyMonster.jp
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