視聴率が常に20%越えで好調を続ける朝ドラ『とと姉ちゃん』(NHK)。ヒロインの小橋常子(高畑充希)は女学校を卒業し、タイピストとして文具会社に就職。職業婦人の道を歩み始めた。

だが、職場の浄書室では一向に仕事を回してもらえず、同僚の女性社員から嫌がらせを受ける。男性社員から直接仕事を引き受けて書類を清書しようとすると、タイプライターの使用を禁じられて......。


そんなふうに常子に厳しく当たる浄書室の責任者・早乙女朱美を演じているのが、真野恵里菜だ。ようやく常子にタイプの仕事を回したと思ったら、同じ文書を自分で彼女より1時間前に仕上げていて、「その技術水準のあなたに任せられる仕事はありません」と言い放つ。冷たい目が怖い。

真野といえば、モーニング娘。らの所属するハロー!プロジェクト出身でソロで活躍していた元アイドル。3年前に女優に転身し、順調に出演作を重ねている。そのなかでハマリ役となりつつあるのが、今回のようなヒロインの仇役だ。

プライムタイムの連ドラ初レギュラーとなった昨秋放送の『結婚式の前日に』(TBS系)では、脳腫瘍と闘うヒロインの婚約者に想いを寄せる令嬢役。一途さの裏返しで、香里奈が演じたヒロインに「どうせ死ぬんでしょう! だったら今死んでよ!」とひどい言葉を吐いたりもしていた。

昨年12月公開の映画『orange』でも、土屋太鳳が演じたヒロインの恋敵役。転校生に恋心を抱きながらも奥手な彼女を尻目に、「同じ東京出身だから気が合うと思うの」などと積極的にアプローチしていく。学校のマドンナ的存在ながら、陰で土屋に意地悪を仕掛けたり。


真野はもともとアイドルのなかでもヴィジュアルはトップクラスで、誰が見てもかわいく思うタイプ。それだけに役として冷たい態度を取ったり、ヒロインにひどい仕打ちをすると、芯から怖い女に見える。今回の『とと姉ちゃん』でも、「早乙女さん、おっかない」「常子がかわいそう」といった感想コメントが見られた。

ただ、早乙女朱美は女性社員を雑用係としか見ない男性社員にも毅然とした態度を取り、常子にもただの意地悪をしていたわけでなく、女性を見下されたくない想いがあったのが見えてきた。常子とも歩み寄る空気になってきたが、「私とは考えがまるで違います」と厳しさは曲げない。

女優にとって「こういう役なら彼女」とキャスティングに名前が挙がるようになることは大きい。典型的な正統派アイドルだった真野が、イメージと正反対のヒロインのいびり役で名を上げていくのは面白い。

文・斉藤貴志

連続テレビ小説 「とと姉ちゃん」 明日からついに出ます。 早乙女朱美。 彼女はとても凛々しいです。 この時代だからこその生き方。 見てくださる方にどう映るのか。 今夜はちょっとドキドキする。 是非、見てください。 #真野恵里菜 #とと姉ちゃん #朝ドラ #タイピスト

Erina Manoさん(@erinamano_official)が投稿した写真 - 2016 5月 26 5:07午前 PDT


https://youtu.be/Riq7PUlrAJY


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