数々の名作、ヒット作で世界中を熱狂させてきたスティーブン・スピルバーグが、久々にファンタジーを監督することで話題沸騰の映画『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』のワールドプレミアが、カンヌ映画祭にて5月14日(現地時間)に行われた。
本作はSFファンタジーの金字塔『E.T.』で少年と異星人とのハートフルな交流を描いたスピルバーグが、『チャーリーとチョコレート工場』の原作者と共に新たに贈る、少女と"やさしい巨人(BFG)"の心温まる友情と奇想天外なファンタジー・アドベンチャー。この度、特報映像も解禁となった。
https://youtu.be/NjckPx49zoA
スピルバーグがカンヌの地を初めて踏んだのは1974年、自身初の長編作品『続・激突/カージャック』(1974)にて脚本賞を受賞した。そんな彼が満を持して今タイトルの如く"ビッグ"な作品を引っ提げてカンヌに戻ってきた。
プレミアにはスピルバーグ監督のほか、今年の第88回アカデミー賞にて同じくスピルバーグ作品『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016)にて助演男優賞の受賞が記憶に新しいイギリスの名俳優、マーク・ライランス(BFG役・56)、オーディションで巨匠スピルバーグの目にとまり女優歴わずか2年あまりでスクリーンの主役へと駆け上がった"奇跡の新人"女優のルビー・バーンヒル(ソフィー役・10)をはじめとする出演キャストたちが駆けつけ、カンヌのメイン会場となるPalais des Festivalsの赤い大階段を前に、今作のお披露目を盛大に祝った。
また今回、ワールドプレミアにあわせてマスコミ記者会見も開かれキャストやスタッフ陣が熱い思いを語ると共に、まだ見ぬ期待の今作の全貌が初めて明らかとなった。
スピルバーグ監督は近年シリアスな作品を撮り続けている中でファンタジー作品を選んだことについて「想像の中の世界をストーリーとして語るということをしてみたかったんだ。歴史的な映画を作るとき、歴史の事実を正しく伝えるためにこのような想像力は横におかなければならない。しかし、今回の作品はそういう規制がなく、自由な形で展開できた。若いフィルム・メーカーに戻ったような気持ちになったね」と34年前にメガホンを取った「E.T.」を思い起こすフレッシュな気持ちで挑んだ作品であると述べた。
また、今作のような素晴らしい作品を撮り続けることについて「僕はいつも良いストーリーを追い求めているんだよ。ときには子供達の顔を見てピンとくることもある。僕はまさにこの『BFG』の原作を子供達のために読んであげていたんだ。そのときに子供達の反応でよくわかるんだよ。この物語は子供達の心をしっかりと掴む美しい物語だから、原作の世界をもっと広げられると思ったんだよ」と名作を生み出す秘訣は意外にもありふれた日常の一コマにあると語った。
スピルバーグが認めた"奇跡の新人"ルビー・バーンヒルは人生で初めての報道陣を前にやや緊張した面持ちをみせるも「今回の映画は初めての大作です。子供のTVショー番組にでたことはありましたが、今回は本当に夢のような経験をしました。今、こうしてカンヌ国際映画祭に来ているなんて、すごい経験だと思います。やったー!って感じ」と自ら小さなガッツポーズをし周りの拍手を誘うと共に天真爛漫な笑顔を見せ、照れながらもしっかりとコメント。隣に座るスピルバーグ監督は「よくできました◎」の意を込めルビーの頭を撫で、温かく微笑ましい会見となった。
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