世界歴代興行収入ランキング・日本歴代興行収入ランキング共に第2位を記録、アカデミー賞11部門を受賞した、映画史に燦然と輝く名作『タイタニック』。
『レヴェナント・蘇えりし者』で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオを、一躍スターダムへとのし上げたのが本作だ。日本公開から19年の年月を経た今年、「シネマコンサート」という新たな鑑賞形態で本作の上映が復活、4月10日に開催された公演に足を運んでみた。
会場は多くのアーティストのコンサートやクラシックコンサートが行われている、音響設備の充実に明るい東京国際フォーラムだ。当時劇場で観たであろうカップルや夫婦、女性のグループなどが多く、また劇場で観た事のない若い世代の姿も多くみられ、とにかく幅広い年代の客層が目立っていた。
中に入ると、ステージ上にはオーケストラがズラリと並び、その上部には大きなスクリーンが設置されていた。まずテンションが上がったのがオープニングだ。映画の上映前に必ず流れる配給会社のオープニングロゴがあるのだが、『タイタニック』はご存じ「20世紀FOX」が配給しており、スクリーンには「20世紀FOX」の文字を立体的に象ったあのロゴがでかでかと映され、軽快なドラムの音とともに流れる。まさにその音をオーケストラ軍団が生で演奏、会場いっぱいに大音量で華やかなファンファーレが流れると、場内は大きな盛り上がりを見せ、オープニングから拍手が巻き起こった。
実際にシネマコンサートと言ってもどの程度の音楽をオーケストラで奏でるのか?本企画を知った当初はその疑問が頭の中を巡ったが、実際は劇中の音楽のほぼ98%を生で演奏するという贅沢な結果に。オーケストラだけでなく合唱団も用意されており、劇版音楽はもちろん、タイタニック号が出航する高音の華やかな音楽から、重低音が胸を打つ沈没する際のけたたましい音楽、主人公たちの心情を表す華奢な音色まで、全てを奏でている。
もちろん観客は映画に集中しており、オーケストラの音色があまりに自然に映像と溶け込んでいることから、実際に音楽が映像を邪魔するような事はないが、それでもテンションの高いシーンでは決して劇場では経験できないような、奥行きのある音が会場いっぱいに広がり、「ああ、今なんか五感を使っている!!」というような臨場感満載の感覚を体感できるのだ。
セリーヌ・ディオンの『My heart will go on』も含め、エンドクレジットまでしっかりと演奏してくれた今回のコンサート。映画の新しい鑑賞方法としては最高級の体験をさせてくれた本企画、今後も観てみたい作品がたくさん出てきそうだ。
■参照リンク
「タイタニック in シネマコンサート」公式サイト
http://www.promax.co.jp/titaniclive/
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