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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「最も開放的な存在である『カリスマ』」

2015/11/27 06:00 投稿

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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/11/27
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
絶賛発売中の岡田斗司夫の最新著作『カリスマ論』から、ハイライトをお届けします。

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最も開放的な存在である『カリスマ』」


 最後は、いよいよカリスマです。
 閉鎖的開放的の軸でいうと、カリスマはいったいどこに位置すると思いますか?
 私が定義するカリスマは、実は一番下。
 これまで挙げた5つのタイプのどれよりも、開放的です。

 意外でしょうか?
 私のいうカリスマは、他の指導者の存在を認め、絶対に否定しません。
 他の指導者を認めるということは、自分以外のやり方や生き方、価値観を認めるということ。
 スキルや人生観で、生徒や弟子を束そく縛ばくしたりしません。

 先の例でいえば、トレーナーは少なくとも練習のやり方については生徒に押しつけますが、カリスマはそんなことすらしません。
 当然のことながら、他の指導者を認める教祖なんて、一人もいません。
 これから新興宗教を作るという時に、他の宗教を認めてしまったら、新しい宗教を立ち上げる意味がなくなってしまいます。
 自分が一番正しい。
 いえ、「一番」ではありませんね。「唯一」正しいと思えるからこそ、教祖になれるわけです。

 メンターについても、同じことがいえます。
 この生徒、弟子にはこの指導法がいいだろう、そう心から信じていないと一対一の関係など作れません。
 一対一の濃密な人間関係は、ほとんど恋愛みたいなものですから。

 でも、「カリスマ」型は違います。
 これまで私は何十人ものカリスマに会っています。
 彼らの基本姿勢は「来る者は拒まず、去る者は追わず」
 そういう意味で、カリスマとその周りの人は開放系の人間関係を築くことになります。
 カリスマの下には、弟子やお客さんがたくさんやって来ます。来るには来るんですが、その分離れる人も多い。

 どんどん来て、どんどん離れる。
 弟子の新陳代謝がすごく激しいのです。
 1年間に新たに1000人が近づいて来て、800人が去っても、200人増えたから成功だと考えるのがカリスマです。
 人を群れとして見ており、個々人にはこだわりません。
 入れ替わりが激しくても動的安定を保てていれば問題ないのですが、うまく行くとは限りません。
 カリスマとしてのポジションを継続するには、常に人前に露出して、何らかの発信を続けていかなければなりませんから、けっこう大変です。

 教祖やメンターは弟子などといったん人間関係を築いたら、10 年、15 年と、同じように安定的な関係を続けることになります。
 信者や弟子がどんどんいなくなってしまうようでは、すでに教祖でもメンターでもないともいえるでしょう。
 第1章で紹介したように、カリスマ型のビジネスでは、いかにして知名度を上げ、影響力の及ぶ人間の数を増やしていくかがキモになります。
 薄く広くのビジネスなんですね。

 例えば、ホリエモンは誰に対しても公平に、自分と会えるチャンスを作ります。
 月に800円払うメルマガ読者、月に1万円払うサロン会員、一回ごとに 万円払って一緒にお寿司を食べて1時間くらい話す人……。
 自分にお金を払ってくれる人は平等に扱う、薄く広いコミュニケーションを目指しています。

 ホリエモンの周りにはとてもたくさんの人が集まってきますから、ホリエモンはそんな人たちの顔と名前なんてほとんど覚えていません。
 それは、別にホリエモンが薄情だからということではありません。
 カリスマとは、そういうビジネスモデルなのです。

 もしホリエモンが教祖型だったら、どうでしょう?
 きっと、彼が主催する団体に入った人は外に出ないようにし、参加者にはホリエモンの考え方を100%受け継ぐことを強制するはずです。

 私自身もカリスマ型の人間なので、とてもよくわかります。
 「濃く、狭い」関係を求めて近づいてくる人間が、私はすごく苦手なんです。
 これは、大部分のカリスマ型に当てはまる特徴だと思いますね。

 教祖やメンターは、ああした方がいい、こうした方がいいと、たくさんの事柄を弟子に伝えようとします。
 でも、私はそんなことは全然思わないんですよ。
 私の近くで私の行動を見ていて、その人のやる気が出るんならそれでいいんじゃないの?
 そんな風に考えます。

 私もあれこれ人に助言はしますけど、言われた人がその通りに行動しなくても何とも思いません。
 取り入れたいところを取り入れれば、たぶんいいことがあるよ、という程度の気持ち。
 それくらいの人間関係が、カリスマ型にとってベストの距離感なのです。


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