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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/08/26
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
情報サイト『探偵ファイル』に掲載したコラムをお届けします。


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「中国を中国と呼びたくないヒトのために」

(元記事はコチラから)


 戦前の日本では、中国のことを「支那」と呼んでいた。
 中国人は支那人だし、ラーメンのことは支那そばと言ったりした。
 ニュースや新聞などでは使われないけど、年配の日本人なら知っているはずだ。

 ではいま、中国を支那と呼んでもいいのか。
 
 これは微妙な問題で、僕が知っている限り30年位前から論争がある。
 当の中国をはじめ、いろんなところからクレームが来るので、日本のマスコミでは「支那」という用語は使わないようにしている。
 スマホやパソコンの漢字変換でも「支那」は出てこない。
 少なくとも僕のiPhoneで「しな」を変換しても、出てこなかった。

 「中国を中国と呼ぶことはおかしい。明らかに間違っている、だから支那と呼ぶべきだ」
と主張する人たちもいる。

 中国というのは、「我が国が世界の中心」という意味だから、よその国が使うのは不自然だ、というのが彼らの主張だ。
 他の国ではどう呼んでいるか。
 「チャイナ」だ。
 国連でも「チャイナ」。
 チャイナというのは、最古の統一王朝「秦」から来ている。

 この「秦」日本では「支那」となった。
 ところが、第二次大戦まえあたりから、中国を支那と呼んで見下したという歴史的事実がある。
 だから中国の人は、日本人に「支那」と呼ばれることにはすごく反発する。
 でも、日本以外の国からチャイナと呼ばれることには反発しない。

 僕としては、この経緯を知ってしまった以上、中国を中国と呼ぶのはあまり愉快ではない。
 ところが一方で、中国のことを無理やりに「支那」と言い続けているのは、石原慎太郎をはじめ、みんなイヤなやつばっかりだ。
 正しいかもしれないけど、あんなイヤな奴のグループに入るのもイヤだ。
 かと言って、普通の人のグループに入って、中国のことを中国と呼ぶのも、なんか機嫌をとってるみたいでイヤだ。

 なので僕は決めた。それなら、あの国のことはカタカナのまんま、チャイナと呼ぼう。

 だって、僕らはイングランドのことをイギリスと呼んでるし、ネーデルランドのことをオランダ、スオミのことをフィンランドと呼んでる。
 その国自身が名乗る名前と、他国からの呼び名が違っていることは、珍しくない。
 中国のことはチャイナと呼べばいい。
 それが正しいわけだし、摩擦も起きない。

 というわけで、以後僕は、中国のことはチャイナを呼ぶことに「決めた」
 僕が言う「決めた」というのは、以後、特に困った事態が起きない限り、続行するという意味だ。
 数年前、選挙でどの党の投票するのかさんざん悩んだ結果、共産党に投票しようと「決めた」のと同じニュアンスだ。

 あるときの選挙で、僕はさんざん悩んだ。
 自民党に投票するのはイヤだ。
 だからと言って、何日も何日も誰に・どこに投票するのかを考えるのも効率が悪い。
 僕が投票する動機は「現体制への批判」であって、そのために最適な行動をしたいだけなのだ。

 で、思いついた。
 わかった!僕は共産党に投票しよう。 
 それなら(失礼だけど)大勢に影響はない。
 棄権するよりはずっといい。
 共産党に投票することで、何か悪い事態が起きると予測されない限り、僕は共産党に投票し続けよう。
 もちろん、これは臨時措置なので、共産党がとんでもない政策を言い出すか、自民党がすばらしい政党になったら、僕も考え直す。
 しかしそれ以降、不幸にも「考え直し」の必要はなかった。
 僕は一貫して共産党に投票している。

 それと同じように、中国のことをチャイナと僕が呼ぶことによって、何かまずいことが起きるまで、ずっとチャイナと呼び続けることにする
 「蒙古」ではなくモンゴル。
 「越南」ではなくベトナム。
 だったら「中国」ではなく、チャイナでいいんじゃないかなぁ。


以上、情報サイト『探偵ファイル』よりお届けしました。
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