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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/05/10
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「面白いSF映画」

 面白いSF映画を教えてください
※この回答は2012/09/08に行われたSF読書会「ドラッガーよりハインラインを読め!」を文章起こししたものです。

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 SF映画として面白いのは、『COLOSSUS』という作品ですね。

 原題では『COLOSSUS』っていうんですけど。
 翻訳された邦題では『地球爆破作戦』なんていう、ダメ映画っぽいタイトルになってます。


■「人類の命運は2つのロボットに委ねられた!」という衝撃的な冒頭

 近未来のアメリカで、『コロッサス』という巨大なコンピュータを発明されるんですね。
 それを絶対に外部から敵に攻撃されないように、シャイアン山の奥に作ったシェルターに収めて、その蓋を閉じるシーンで映画が始まるんです。

 だから、冒頭のシーンを見ただけでは何が何だかわからない。
 とりあえず見渡す限りに機械が配置された地下施設の絵が映るんですけど。
 その前を1人の白衣の人が歩きながらスイッチを順々に切っていくシーンなんですよ。普通はスイッチを付けてくシーンが映画の冒頭に来るものなんですけど、スイッチを切っていくんですね。

 最後のスイッチを切り終わったら、あらゆるものの電気が切れていって、ドアが閉まっていって、明かりが消えていく。
 最後に巨大なコンピュータ施設への通路を封鎖して、鍵をかけて、永遠に人が入れないようにする。
 その瞬間、アメリカ大統領のテレビ放送が始まって、「アメリカは防衛の全てを巨大コンピューター・コロッサスに委ねた」と言うんですね。

 コロッサスというスーパーコンピュータが、これからアメリカ軍や核ミサイルをすべて制御してくれるから、絶対防衛力を持ったんだって、安心するんです。


 ところが、コロッサスを起動してみると、彼はいきなりガチャガチャガチャと通信を始め、何かを見つけたという報告をしてきた。
 「私の他にもう1つ”システム”がある」と言うんです。

 それを聞いたアメリカ人たちが「そんなはずはない! コンピュータの故障なんじゃないか?」なんて言っていたら、ロシアの書記長が中継で発表を始める。
 「ロシアは『ガーディアン』というコンピュータの開発に成功した! ガーディアンは地上からのあらゆる攻撃を受け付けず、敵に対して自動的に攻撃を行う機能がある!」って言うんですね。

 つまり、コロッサスというアメリカのシステムと、ガーディアンというロシアのシステム。この2つのコンピューターが地球の運命を担ったというシーンから始まるんですよ。


■生まれたばかりの2つの機械は瞬く間に人類の英知を凌駕する

 ガーディアンを見つけたコロッサスは「彼と対話したい」と言い出すんです。ロシアのコンピューターも同じことを言います。

 しかたなく人間たちが両者の回線を繋ぐと、「1+1=2、1+2=3」とか「1x1=1、1x2=2」という、ものすごい簡単な数学のやりとりを始める。
 「何やってるんだろう?」と思って見ていると、この数式は次第に高度なものになっていき、3時間もしない内に人類が知ってる数学を追い越しちゃうんですよ。

 さらに放っといたら、いきなり高速で僕らがわからない言語を使ったコミュニケーションを始める。
 だから、危険を感じて、アメリカの大統領とロシアの書記長が同時に回線をストップするんですね。

 すると、回線をストップした瞬間にコロッサスが、「なぜ回線をストップしたんだ? もう一度、回線を開くことを要求する」と言った。
 アメリカの大統領が「ダメだ」と言ったら、彼は核ミサイルをいきなり発射して、アメリカのどこかの都市が消えちゃうんですね(笑)


■映画として珍しいテーマを扱っている作品

 こうやって「徐々に人類が巨大コンピュータに支配されてるという世界」を映画として描いた、すごく珍しい作品なんです。

 小説だったら同じテーマの作品もあるんですけども、どうしても地味な話になっちゃうんですよね。
 だけど、この作品は”政治フィクションモノ”として、巨大なコンピュータのセットを組んで、ちゃんと絵として描いてる映画なんです。
 例えば、映画の中に出てくるテレビ電話のデザインとかって、”レトロフューチャーモノ”として見ても、ものすごくカワイイ出来です。

 すごく面白いですよ。
 DVDは3000円ぐらいだと思います。まだAmazonで売ってますから、ぜひ見てみてください。


【まとめ】
 岡田斗司夫のオススメSF映画は『COLOSSUS』(邦題:『地球爆破計画』)です。