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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/11/6
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、岡田斗司夫の最新作『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』終章からの質問です。
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Q2「でも、就活しないと就職できないのでは? 」
ここで言う「就職」はおそらく、「一つの会社に週五日雇ってもらう。(とくに問題を起こさないかぎり)終身雇用で」ということですよね。「そのような安 定した立場を手に入れないかぎり、一人前の社会人じゃない」という社会的風潮が、いまの若い人たちを苦しめている と思うのです。
「いわゆる就活」でめざす就職なんて必要ないと、正直、僕は思います。
それより「仕事」を見つけたほうがいい。たとえ働かなくても食べていけたとしても、仕事は必要です。人間というのは、役割がないと暮らしていけない存在 だからです。役割もな く、ペットみたいに暮らすのは、すごくストレスになるものです。「いや、ほんとうに働きたくない、ペットみたいに暮らしたい」という人は簡単です。Q6で くわしく説明しますが、ペットとして養ってくれる人を見つけて、その人のために生きれ ばいいのです。
でも、「ちゃんと就職したいんだけど、どうやったらいいの?」「就職に失敗したら、どうなっちゃうの?」と不安になっている人は、そう割りきっては考えられない。考えられない からこそ不安になっているのですよね。
不安になると、だれもが就活に熱心になります。就活しかがんばる道がないように見えているからです。
でも実際は、がんばったらがんばったぶんだけ就職先が見つかるわけではありません。
Q1で説明したように、企業側にしてみれば、登録してくる膨大な就職希望者のなかから、面接に呼ぶ人を選ぶのです。結局は学歴や資格、あるいは学部で簡単なふるいにかける しかありません。
面接に行けなければ、自分の人柄ややる気を見てほしいと思っても不可能です。
就職先を探す側だって、求人サイトに掲載されているたくさんの企業のなかからどこを選ぶかといえば、業種や規模、名前を聞いたことがあるか、といった印象ばかりですよね。求人する側が同じように人を選ばざるをえないのは当たり前。お互いさまなのです。
だから、就活に有利な切り札をもっていないかぎり、「そこそこまじめな人」程度では、どんなに熱心に就活をしても、思うような就職先はまず見つかりません。
そもそも、みんなが就職したいような企業の求人数は、中小企業にくらべて、ごくごく少数です。どんなにその人が、「目立たないけど、ちゃんとまじめに働 くことができる。働き さえすれば、そこそこ評価される」可能性が高かったとしても、現在の就活システムでは、その可能性は表に出にくい。
就職後も同じです。
あなたが会社で、そこそこまじめに働いて、会社からそれなりに評価されていたとして も、そのことは、隣近所や親戚に対しては、なんのプラス評価にもなりません。勤務先がだれもが知る大企業ならともかく、そうでもなければ、家から何十キロ も離れた会社でどれほど活躍していても、あなたの評価は「ふつうのサラリーマン=ニートではない」という程度。
しかも大企業であれば、たいてい学歴や実績しか評価してもらえません。コンテンツは評価されても、コミュニティもキャラクターもほとんど役に立たないのです。
でも、家の近所で働いていると、「そこそこまじめ」は人間的な信用として大きな威力を発揮します。
たとえば、自宅の近所の八百屋でまじめに働いているかぎり、それを見ているまわりの人は、「あの八百屋の兄ちゃん」だと認識しています。近所で買い物を したり、レストランに入っても、見ず知らずの客ではなく、「あの八百屋の兄ちゃん」という信用が使えるのです。まじめに八百屋を続ければ続けるほど、その 人間的な信用・評価、いわゆる「クレジット」がたまっていくことになります。
ぜんぜん見知らぬところで働いて、クレジットをいくらためたとしても、ふだんの生活ではまったく使いようがない。それは、日本では換金できない通貨、たとえば人民元とかトルコリラみたいな外貨をいっぱいためているのと同じことなのです。
そう考えると、就職先はほとんどの人にとって、地元や親戚関係、いわゆる地縁・血縁のなかから見つけたほうが、ほんとうは有利といえます。
たとえ自分が口ベタで、人前でうまく自分をアピールしたり説明したりできなくても、地元で「この人は役に立つ」とか「そこそこまじめ」とか「目立たない けど、しっかりやっている」と認めてもらえるようになれば大丈夫。「この人は口ベタだけど、やることはちゃんとやってくれる」「自分をアピールしないけれ ど、役に立っている」と、まわりから自然とわかってもらえるからです。
そんなふうに自分の人間像が、自分が所属するコミュニティで共有されること。これが「キャラクターが認知されている」状態です。
そうなったら、何をするにも動きやすくなります。お願いも聞いてもらいやすいし、フォローもサポートもしてもらえます。すごく有利になるわけですね。
だからこそ、地縁とか血縁といった「自分が所属している小さなコミュニティ」のなかで仕事を探すことは、すごく大切だと思います。「就職しなくてもいい のか?」という質問の答えは、一般企業に「いわゆる就職」しようとするのは、とくに有利ではないかぎり、やめたほうがいいですよ、ということになります。
そんなことをするくらいなら、仕事や役割を身近な場所で見つけたほうが、ずっといい。たとえば自分の足で歩いて動きまわれる範囲内で探してみましょう。
就職ではなく「お手伝い」という気持ちで、自分のキャラクターを少しずつ評価してもらえるようにがんばるのが、結果的にはいちばん早道だと思います。
Q2「でも、就活しないと就職できないのでは? 」
ここで言う「就職」はおそらく、「一つの会社に週五日雇ってもらう。(とくに問題を起こさないかぎり)終身雇用で」ということですよね。「そのような安 定した立場を手に入れないかぎり、一人前の社会人じゃない」という社会的風潮が、いまの若い人たちを苦しめている と思うのです。
「いわゆる就活」でめざす就職なんて必要ないと、正直、僕は思います。
それより「仕事」を見つけたほうがいい。たとえ働かなくても食べていけたとしても、仕事は必要です。人間というのは、役割がないと暮らしていけない存在 だからです。役割もな く、ペットみたいに暮らすのは、すごくストレスになるものです。「いや、ほんとうに働きたくない、ペットみたいに暮らしたい」という人は簡単です。Q6で くわしく説明しますが、ペットとして養ってくれる人を見つけて、その人のために生きれ ばいいのです。
でも、「ちゃんと就職したいんだけど、どうやったらいいの?」「就職に失敗したら、どうなっちゃうの?」と不安になっている人は、そう割りきっては考えられない。考えられない からこそ不安になっているのですよね。
不安になると、だれもが就活に熱心になります。就活しかがんばる道がないように見えているからです。
でも実際は、がんばったらがんばったぶんだけ就職先が見つかるわけではありません。
Q1で説明したように、企業側にしてみれば、登録してくる膨大な就職希望者のなかから、面接に呼ぶ人を選ぶのです。結局は学歴や資格、あるいは学部で簡単なふるいにかける しかありません。
面接に行けなければ、自分の人柄ややる気を見てほしいと思っても不可能です。
就職先を探す側だって、求人サイトに掲載されているたくさんの企業のなかからどこを選ぶかといえば、業種や規模、名前を聞いたことがあるか、といった印象ばかりですよね。求人する側が同じように人を選ばざるをえないのは当たり前。お互いさまなのです。
だから、就活に有利な切り札をもっていないかぎり、「そこそこまじめな人」程度では、どんなに熱心に就活をしても、思うような就職先はまず見つかりません。
そもそも、みんなが就職したいような企業の求人数は、中小企業にくらべて、ごくごく少数です。どんなにその人が、「目立たないけど、ちゃんとまじめに働 くことができる。働き さえすれば、そこそこ評価される」可能性が高かったとしても、現在の就活システムでは、その可能性は表に出にくい。
就職後も同じです。
あなたが会社で、そこそこまじめに働いて、会社からそれなりに評価されていたとして も、そのことは、隣近所や親戚に対しては、なんのプラス評価にもなりません。勤務先がだれもが知る大企業ならともかく、そうでもなければ、家から何十キロ も離れた会社でどれほど活躍していても、あなたの評価は「ふつうのサラリーマン=ニートではない」という程度。
しかも大企業であれば、たいてい学歴や実績しか評価してもらえません。コンテンツは評価されても、コミュニティもキャラクターもほとんど役に立たないのです。
でも、家の近所で働いていると、「そこそこまじめ」は人間的な信用として大きな威力を発揮します。
たとえば、自宅の近所の八百屋でまじめに働いているかぎり、それを見ているまわりの人は、「あの八百屋の兄ちゃん」だと認識しています。近所で買い物を したり、レストランに入っても、見ず知らずの客ではなく、「あの八百屋の兄ちゃん」という信用が使えるのです。まじめに八百屋を続ければ続けるほど、その 人間的な信用・評価、いわゆる「クレジット」がたまっていくことになります。
ぜんぜん見知らぬところで働いて、クレジットをいくらためたとしても、ふだんの生活ではまったく使いようがない。それは、日本では換金できない通貨、たとえば人民元とかトルコリラみたいな外貨をいっぱいためているのと同じことなのです。
そう考えると、就職先はほとんどの人にとって、地元や親戚関係、いわゆる地縁・血縁のなかから見つけたほうが、ほんとうは有利といえます。
たとえ自分が口ベタで、人前でうまく自分をアピールしたり説明したりできなくても、地元で「この人は役に立つ」とか「そこそこまじめ」とか「目立たない けど、しっかりやっている」と認めてもらえるようになれば大丈夫。「この人は口ベタだけど、やることはちゃんとやってくれる」「自分をアピールしないけれ ど、役に立っている」と、まわりから自然とわかってもらえるからです。
そんなふうに自分の人間像が、自分が所属するコミュニティで共有されること。これが「キャラクターが認知されている」状態です。
そうなったら、何をするにも動きやすくなります。お願いも聞いてもらいやすいし、フォローもサポートもしてもらえます。すごく有利になるわけですね。
だからこそ、地縁とか血縁といった「自分が所属している小さなコミュニティ」のなかで仕事を探すことは、すごく大切だと思います。「就職しなくてもいい のか?」という質問の答えは、一般企業に「いわゆる就職」しようとするのは、とくに有利ではないかぎり、やめたほうがいいですよ、ということになります。
そんなことをするくらいなら、仕事や役割を身近な場所で見つけたほうが、ずっといい。たとえば自分の足で歩いて動きまわれる範囲内で探してみましょう。
就職ではなく「お手伝い」という気持ちで、自分のキャラクターを少しずつ評価してもらえるようにがんばるのが、結果的にはいちばん早道だと思います。
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