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岡田斗司夫のニコ生では言えない話 第91号 2014/6/30
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【今週のコンテンツ】手抜きなしの密度感が魅力!『アオイホノオ』のラストとは?
【今週の書き起こし】島本和彦対談1 アオイホノオの真相!(パート4)
「ズバッと参上~♪ズバッと解決~♪、その秘密は?告知欄に載ってます!」
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【今週のコンテンツ】手抜きなしの密度感が魅力!『アオイホノオ』のラストとは?
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祝!『アオイホノオ』ドラマ化記念
http://www.tv-tokyo.co.jp/official/aoihonoo/

 皆さんは、もう『アオイホノオ』は読みましたか? 作中のイタイ青春談に自分の心も痛くなる前田宏樹です。 

 いよいよ最終回になりました『島本和彦×岡田斗司夫対談「アオイホノオの真実」』の第4回をお送りします。少し気が早いですが、『アオイホノオ』のラストは一体どうなるんでしょう? 『吠えろ!ペン』とはリンクするのか? 気になることだらけの、主人公・焔燃の熱くて、ちょっとイタイ青春ストーリーもこれを読めば、もう大丈夫。ドラマの予習だってバッチリですよ!

 それでは、ハイライトをどうぞ!
 


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<岡田>
 会場の方で、是非とも、「これを島本先生に聞いてみたい」という方いらっしゃいますか?
――じゃ、そこに1人いらっしゃいます。

<質問者>
 どうも、おつかれさまでした。
 質問なんですけど、『アオイホノオ』が最終回を迎えたあと、炎尾燃の『吼えろ!ペン』に行くまでの間は、どうなるんですか?

<島本>
 あの物語とは、全然違う話だよ。
『アオイホノオ』の連載始まる時に「炎尾燃の若い頃を描いてくれ」って言われたの。
――だけど、ああいう風になっちゃたの(笑)。

「炎尾燃の若い頃なんか別におもしろくもなんともないな」と思ったんだけど、
「80年代のことを教えてくれ」ってスタッフから言われて、
「あ、80年代って、そう言えば皆知らないな」と思って。それを描こうと思ったのね。


<質問者>
 じゃあ、炎尾燃って名前は使ってるけど、やっぱり違うサーガ(物語)というか、空間となんでしょうか?

<島本>
 違う空間だけど――、分かんない。
 やっているうちに、もしかしたら、「繋がるぞ、これ?」ってなるかもしれない。

<岡田>
 星野鉄朗(『銀河鉄道999』)と『宇宙戦艦ヤマト』が出会うみたいなもんですね(笑)。

<島本>
 松本零士の『男おいどん』ってあるじゃない?
 その最終回って、おいどんが、「出かけてきますんどー!」って、言って下宿から出ていって、終わるの。

 あのあと、『男おいどん』が漫画家として大成してるんだよね。
『アオイホノオ』は「これかな」と思っているの。

<岡田>
 そうなんですか?
 でも、松本零士が後に語っていたのでは、2週間ぐらい旅行行ってただけなんでしょ?

<島本>
 聞きたくなぁーい!

<岡田>
 あはは。そしたら、えらいウケたから、それっきりにしてるけど、
「彼はすぐ帰って来てますよ」って。

<島本>
 嫌な話だそれ……。それは違うよ……。

<岡田>
 あはは。俺も違うと思いますよ。

<島本>
 漫画家ってネームを描く時に、”今日描く”のと、”明日描く”のとでは、違うストーリーを考えちゃうの! その時、良いと思ったもの描くから!

 インタビューをされて答える時、「そうだ」と思って、「ネーム描け」って言われたら、そういうの描くかもしれないけど。次の日にインタビューして、ネームを描かせたら、違うのを描くと思う。で、描いちゃったら、自分でそれは受け止めなきゃいけないから(笑)。

<岡田>
 なぜ、司馬遼太郎が書くと『竜馬がゆく』になって、島本和彦が描くと『アオイホノオ』なっちゃうんでしょうね?(笑)。

<島本>
 でも、ちゃんと私のカラーが出る作品になってるじゃない?
 『アオイホノオ』描いたあとで、『吼えろ!ペン』を読むと、読めないんだよ! 暑苦しくて!

<岡田>
『アオイホノオ』をすごく好きなのは、それまでの島本和彦漫画って、時々、大きくコマの絵で勝負するじゃないですか?
――あれって、絵を描かない人間には割としんどいんですよ

<島本>
 そうですか?

<岡田>
 はい。大きいコマって、見開きでで描くのはすごい力がいるそうなんですけども――、読む方は一瞬でしょ?

 大きいコマを見れば見るほど、「手を抜きやがって」って思うんですよ。
 ところが、『アオイホノオ』の大きなコマの全てに、”これを描くリスク”とか、”人の漫画をなぞる”とか、いろんなものがあるからナンボでも見どころがあって――、密度感がすごいんですよ。

<島本>
 それは良かった。密度がやっぱりあるかな……。
――薄くしてんだけどね。ああ、逆なんだ……。

<岡田>
 これ以上、『アオイホノオ』を濃くしちゃだめ(笑)。
 今月号の『銀河鉄道999』の作画解説は、やり過ぎてた(笑)。