結婚して、子どもができて…
みなさんはどんな親になろうと考えていますか? 親になるまでに、一体どんな覚悟を決めなければならないのでしょうか。40歳になって父親になった男性は、子どもが生まれると聞いたとき初めは戸惑ったのだといいます。なぜなら彼は子どもが欲しくなかったのです。
今回お届けするのは、そんな男性のお話です。
以下、男性のブログより引用です
この写真に映っているのは妊娠中の妻カーラです。
娘のルルが生まれたとき、私は分娩室で立会をしました。
立会をして生まれてくる様子を見ていても、私の心にはいまいち来るものがありませんでした。
将来の父親たち…あなたが「どのようなお父さんになりたいの?」と求められるときがきたら、この文章を読んでください。
私は「どのようなお父さんになりたいの?」「赤ちゃん好き?」と聞かれたとき「いいや全く好きじゃないよ」と答えました。聞いた人はくるみのように顔をしかめていました。
妻のカーラはルルが生まれた瞬間から、私の妻ではなくルルの母になってしまいました。
私はカーラがそばにいなくて本当に寂しかったです。
私の存在は小さいものになってゆき、私のいた場所には宇宙人が居座っていました。
この写真はまるで「私をリーダーのもとへ連れて行ってくれ」と言っているようです。
(※かっこ内はアメリカの漫画の中で宇宙人が人間に向かって発した言葉です)
3年間は満足に睡眠をとることは許されません。
私にはルルがすること全てが理解できませんでした。まるで野生動物のドキュメンタリーを見ているようでした。
私はルルが初めてくしゃみをしたとき、とても幸せに感じました。なぜなら彼女の人間らしいところをやっと見られたからです。
(人間っぽくないので犬が友達だと思うかなと考えたが)でも僕達の犬はルルには全く興味がありませんでした。
「ミルクがほしいのかな?」「おむつは汚れてないかな?」「暑いかな?」「寒いかな?」
…まるで爆発物を扱うような気持ちでした。
私は皿を作りました。私は最高に面白いものが作れたと思いましたが、妻のカーラは全く喜んでいませんでした。
ルルは夜泣きが特にひどかったです。ベッドに入っても午前2時ごろには起こされました。
ベビーカーやおしりふきは絶対に忘れてはいけないと学びました。それと除菌した哺乳瓶もです。
私は赤ちゃんは明るい色が好きなんだなと学びました。少なくとも、おもちゃの会社も同じことを考えていると思います。
彼女が20歳になるとき、私は60歳です。
彼女に私は老人に見えてしまうのでしょうか。私は彼女の話し方や服装に戸惑ってしまうのでしょうか。彼女は目をくりくりさせながら「お父さん」と呼んでくるのでしょうか。キッチンでお茶を飲みながら、彼女のボーイフレンドの話をするのでしょうか…。
私の両親はどちらももう死んでいます。父はルルが生まれる4ヶ月前に死にました。私は母に聞きたいことがたくさんできました。
両親が死んでしまっていることは悲しいことですが、聞かずとも、私は年をとるにつれて色々な「決まり文句」が本当であることを理解し始めています。
私は以前決してやらないと言ったこと(赤ちゃんの写真を撮るなど)も、私はするようになりました。本当に恥ずかしいのですがね。他の親に会った時なんかは、私はiPhoneを取り出してしまいます。
「あなたが写真好きでないのはわかりますが、ルルが好きなんです」と言ってね。
今まで撮った写真をふりかえると、私の遅すぎる(でも不可避だった)変わり様がよくわかります。
冷静な観察者から、熱心な参加者に。写真家から、父親に。
ユーモアは私と世界をつなげます。これが私の言葉なんです。
ルルが私に冗談を言うようになった時は、とても驚きました。私が彼女をからかうと、彼女は私をからかい返しました。
私は泣いてしまいました。
写真には前にはなかった愛情が確かにあります。
私はカーラに謝りたいです。そしてルルにも謝りたいです。
いつの日か、ルルにはこれらの写真を見せてあげて、この文章も読ませてあげようと思っています。
私はルルの誕生により戸惑いました。しかし今は誕生してくれたことをとても嬉しく思っていることを知ってほしいです。
今、私はルルをとても愛しています。
執筆:ルルの父
このブログは本になりました。
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今回はブログからの引用でしたので全文ではありません。本やブログの方にはもっと事細かに書かれています。是非そちらもご覧ください。
【参照元:The reluctant father】