今回はラグビーのセットプレー(セットピースという事もある)について説明します。
ラグビーにおけるセットプレーはスクラムとラインアウトの2つです。
どちらもゲームが止まったあとの再開方法で、フォワード(FW)の重要な仕事です。
スクラム:ハンドリングエラーからのゲーム再開
ラインアウト:ボールがタッチラインから出た後のゲーム再開
という事はこれまでに説明しましたね。
ではそれぞれについて少し細かいところを説明していきます。
<スクラム>
ラグビーを知らなくても「スクラム」という単語を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
先日の南ア戦で「スクラム組もうぜ!」という名言が生まれたようですねw
タックルやトライと並んで、ラグビーを象徴するプレーとも言われます。
両チームのFW全員が一塊になって押し合う8 vs 8の力比べです。
「ラグビーのポジション」で書きましたが、特にタイトファイブ(PR、HO、LO)の力が重要です。
特に両PRの選手たちは物凄く細かいせめぎ合いをしているらしく、その辺りはPR経験者にしか分からない世界です。(私はLOなので分かりません)
一見ブレイクダウンと似ていますが、構成人数が違うことが重要です。
ラグビーは両チーム15人ずつで争うスポーツですが、スクラムでは8人ずつが集まっています。
一方ブレイクダウン(特にラック)では通常2,3人、多くても5人程度で形成されます。
これがどう重要かというと、ディフェンスの人数が違うという点です。
例えばブレイクダウンに2人しか入っていない場合、残りの13人がディフェンスに立つということです。

(実際はフィールドの幅は70mで、プレイヤーの幅は1m程度なのでもっとスペースは広いですが)
一方スクラムでは8人が固まっているため、ディフェンスは残り7人です。

つまりスクラム時はアンストラクチャー時よりも攻撃できるスペースが広いということです。
しかも一旦ゲームが止まるため、サインプレーを話し合ったりする時間があるわけです。
ただし、スクラムが弱いと思う様にボールが出せず、場合によってはボールを奪われてしまいます。
日本の急成長の原動力になったのが、スクラムの強化です。
<ラインアウト>
サッカーのスローインのようなものです。
サッカーはどこに投げてもいいですが、ラグビーは両軍が1列ずつに並び、ボールを列の間に投げて取り合います。
マイボール側は相手にボールを取られないように、サインを決めて「誰が」「どこに」「どう動いて」キャッチするかを決めるわけです。
「ラグビーのフィールドについて」の回(ar872806)で説明しましたが、ラグビーでは自陣22m内からのタッチキックや、ペナルティーでのタッチキックで陣地を進めることが多いため、スクラムよりも回数が多いです。
スクラム同様にFWだけで行うセットプレーですが、スクラムと違って構成人数はマイボール側が決めることが出来ます。
モールを押し込みたいときやディフェンスラインの人数を減らしたいときは全員参加(オールメン)したり、アタックラインの人数を増やしたいときは参加人数を減らすなど、色々な攻撃バリエーションを作ることができます。
先日の南ア戦、後半29分の五郎丸選手のトライもラインアウトからのサインプレーでした。
(動画の3:41~)
また、FWプレーで最もトライに繋がりやすいのがラインアウトモールです。
南ア戦でも日本が1本、南アが2本この形で取りましたよね。
一度モールが動き出すとなかなか止まらず、じわじわとゲインを許してしまいます。

かと言ってモールを止めようとディフェンス側が人数を増やすと・・・

このようにディフェンスラインの人数が少なくなってしまうためバックス攻撃でトライを取れる可能性が上がります。
敵陣ゴール前のマイボールラインアウトは絶好の得点チャンスなのです。
とはいえ、スクラムと同じでラインアウトもボールをキープできなければ話になりません。
逆に身長が高く空中戦に強いLOがいるなら、相手のボールを奪ってターンオーバーし、ピンチをチャンスに変えることもできます。
ではまとめです。
<セットプレー>
・スクラムでは相手のディフェンスラインの人数が少ないためスペースが広がり、攻撃のチャンスである。
・ラインアウトでは人数に変化をつけることで様々な攻撃オプションを作ることが出来る。
・特にゴール前ラインアウトからのモールは得点が入りやすい。
・スクラム・ラインアウトともにボールを安定して供給することが何より重要である。
お分かりいただけたでしょうか?
スコットランド戦まであと9時間ぐらいですね!楽しみに待ちましょう
ラグビーにおけるセットプレーはスクラムとラインアウトの2つです。
どちらもゲームが止まったあとの再開方法で、フォワード(FW)の重要な仕事です。
スクラム:ハンドリングエラーからのゲーム再開
ラインアウト:ボールがタッチラインから出た後のゲーム再開
という事はこれまでに説明しましたね。
ではそれぞれについて少し細かいところを説明していきます。
<スクラム>
ラグビーを知らなくても「スクラム」という単語を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
先日の南ア戦で「スクラム組もうぜ!」という名言が生まれたようですねw
タックルやトライと並んで、ラグビーを象徴するプレーとも言われます。
両チームのFW全員が一塊になって押し合う8 vs 8の力比べです。
「ラグビーのポジション」で書きましたが、特にタイトファイブ(PR、HO、LO)の力が重要です。
特に両PRの選手たちは物凄く細かいせめぎ合いをしているらしく、その辺りはPR経験者にしか分からない世界です。(私はLOなので分かりません)
一見ブレイクダウンと似ていますが、構成人数が違うことが重要です。
ラグビーは両チーム15人ずつで争うスポーツですが、スクラムでは8人ずつが集まっています。
一方ブレイクダウン(特にラック)では通常2,3人、多くても5人程度で形成されます。
これがどう重要かというと、ディフェンスの人数が違うという点です。
例えばブレイクダウンに2人しか入っていない場合、残りの13人がディフェンスに立つということです。

(実際はフィールドの幅は70mで、プレイヤーの幅は1m程度なのでもっとスペースは広いですが)
一方スクラムでは8人が固まっているため、ディフェンスは残り7人です。

つまりスクラム時はアンストラクチャー時よりも攻撃できるスペースが広いということです。
しかも一旦ゲームが止まるため、サインプレーを話し合ったりする時間があるわけです。
ただし、スクラムが弱いと思う様にボールが出せず、場合によってはボールを奪われてしまいます。
日本の急成長の原動力になったのが、スクラムの強化です。
<ラインアウト>
サッカーのスローインのようなものです。
サッカーはどこに投げてもいいですが、ラグビーは両軍が1列ずつに並び、ボールを列の間に投げて取り合います。
マイボール側は相手にボールを取られないように、サインを決めて「誰が」「どこに」「どう動いて」キャッチするかを決めるわけです。
「ラグビーのフィールドについて」の回(ar872806)で説明しましたが、ラグビーでは自陣22m内からのタッチキックや、ペナルティーでのタッチキックで陣地を進めることが多いため、スクラムよりも回数が多いです。
スクラム同様にFWだけで行うセットプレーですが、スクラムと違って構成人数はマイボール側が決めることが出来ます。
モールを押し込みたいときやディフェンスラインの人数を減らしたいときは全員参加(オールメン)したり、アタックラインの人数を増やしたいときは参加人数を減らすなど、色々な攻撃バリエーションを作ることができます。
先日の南ア戦、後半29分の五郎丸選手のトライもラインアウトからのサインプレーでした。
(動画の3:41~)
また、FWプレーで最もトライに繋がりやすいのがラインアウトモールです。
南ア戦でも日本が1本、南アが2本この形で取りましたよね。
一度モールが動き出すとなかなか止まらず、じわじわとゲインを許してしまいます。

かと言ってモールを止めようとディフェンス側が人数を増やすと・・・

このようにディフェンスラインの人数が少なくなってしまうためバックス攻撃でトライを取れる可能性が上がります。
敵陣ゴール前のマイボールラインアウトは絶好の得点チャンスなのです。
とはいえ、スクラムと同じでラインアウトもボールをキープできなければ話になりません。
逆に身長が高く空中戦に強いLOがいるなら、相手のボールを奪ってターンオーバーし、ピンチをチャンスに変えることもできます。
ではまとめです。
<セットプレー>
・スクラムでは相手のディフェンスラインの人数が少ないためスペースが広がり、攻撃のチャンスである。
・ラインアウトでは人数に変化をつけることで様々な攻撃オプションを作ることが出来る。
・特にゴール前ラインアウトからのモールは得点が入りやすい。
・スクラム・ラインアウトともにボールを安定して供給することが何より重要である。
お分かりいただけたでしょうか?
スコットランド戦まであと9時間ぐらいですね!楽しみに待ちましょう
コメント

No.1
(2015/09/23 15:33)

No.2
(2015/09/23 18:50)
>>1
質問ありがとうございます。
役に立ったのなら何よりです。
プレーっていうのはざっくり言うと「ボール、ボールキャリア、ブレイクダウンに絡むこと」ですね。
アメフトと違い、ボールキャリア以外のプレイヤーにはタックルしたり、進路妨害することは許されていません。(ノーボールタックル、オブストラクションの反則)
また、ディフェンス側の選手がボール周辺に寝転がって攻撃側のボール出しを妨げることも「寝たままプレー」に該当します。(ノットロールアウェイ)
南ア戦の最後で18番の選手が退場になったのがこの反則です。
チーム全体で同じ反則を繰り返していたため、「次やったらイエローカード」という警告がレフェリーから出ていたんですね。
こんなところでよろしいでしょうか?
まだ不明な点がありましたら気軽にご質問ください。
質問ありがとうございます。
役に立ったのなら何よりです。
プレーっていうのはざっくり言うと「ボール、ボールキャリア、ブレイクダウンに絡むこと」ですね。
アメフトと違い、ボールキャリア以外のプレイヤーにはタックルしたり、進路妨害することは許されていません。(ノーボールタックル、オブストラクションの反則)
また、ディフェンス側の選手がボール周辺に寝転がって攻撃側のボール出しを妨げることも「寝たままプレー」に該当します。(ノットロールアウェイ)
南ア戦の最後で18番の選手が退場になったのがこの反則です。
チーム全体で同じ反則を繰り返していたため、「次やったらイエローカード」という警告がレフェリーから出ていたんですね。
こんなところでよろしいでしょうか?
まだ不明な点がありましたら気軽にご質問ください。
コメントを書き込むにはログインしてください。
ルールについては、
1.ボールを前に投げない、落とさない。
2.ボールの前でプレーしない。
3.倒れたら速やかにプレーから外れる。
4.危ないことはしない。
って感じだと思うのですが、3がやや分かってなかったように思います。
ポジションについては
あとポジションについてもFWとBKはくらいしか分かってませんでしたが、細かい説明が分かりやすかったです。
試合の流れについても
何となく分かっていても、具体的に何をどう戦っていくかという考え方ははっきり分かってなかったので、陣取りゲームという例えや局面の説明は参考になりました。
おかげさまでいろいろ理解が深まりました、ありがとうございます。
そこで「プレー」の定義ですが、「ボールや相手選手にちょっかい出さない」ってことでいいんでしょうか。
昔からラグビー見てると。何を持って「プレー」とみなしているのかがよく分からず、なんで審判が笛を吹いたのか分からずモヤモヤするしていました。
そこで結局何を持って「プレー」というのか教えていただけると自分的にすっきりしますので、ご教授お願いします。