================================

   EACI News Weekly 第14号 ( 4月10日号 )
  東アジア共同体研究所 ( East Asian Community Institute )
      http://eaci.or.jp/

================================
「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。
Facebook : http://www.facebook.com/east.asian.community.institute
================================
【目次】

【1】《今週のニュース 4/4-4/10 》
 政治(2)、経済(2)、国際(1)、社会(2)

【2】《UIチャンネル放送予告 No.098》
4月13日(月)20時 鳩山友紀夫×孫崎享対談
http://ch.nicovideo.jp/eaci/blomaga/ar766708

【3】《EACIレポート》
佐藤優氏や柳沢協二氏ら政権与党に苦言─「安保関連法制を考える─集団的自衛権とこれからの外交・安全保障」に約180人が参加

【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「宇宙人礼賛」

【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
 第2部 官僚の壁 vol.14 「脱官僚・脱米依存に反撃」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】《今週のニュース 4/4-4/10 》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【政治】
■「沖縄 犠牲の歴史」強調  翁長知事、会談での発言
(東京新聞 2015.4.7)
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/newsl/post_87225

■翁長知事と菅官房長官の会談 冒頭発言の全文
(沖縄タイムス 2015.4.6)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=110519

【経済】
■TPP:安倍首相訪米時の妥結 米側「結果は予想しない」
(毎日新聞 2015.4.9 )
http://mainichi.jp/select/news/20150409k0000e030165000c.html

■AIIB創設の幸運を信じられない中国政府
(JBPress / 英フィナンシャル・タイムズ紙 2015.4.7)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43460

【国際】
■ミャンマー大統領、スー・チー党首らと会談
(日経新聞 2015.4.9)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H6M_Y5A400C1FF2000/

【社会】
■川内再稼働差し止めの仮処分、地裁決定は22日
(朝日新聞 2015.4.7)
http://www.asahi.com/articles/ASH473G0CH47TLTB00B.html

■辺野古沖、平島の砂流出か アセス監視団が指摘
(琉球新報2015.4.9)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241609-storytopic-1.html

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】《UIチャンネル放送予告 No.098》
4月13日(月)20時 鳩山友紀夫×孫崎享対談
http://ch.nicovideo.jp/eaci/blomaga/ar766708
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 第98回目となります、4月13日(月)20時からのUIチャンネル放送は鳩山友紀夫×孫崎享対談を生放送でお送り致します。

■鳩山友紀夫×孫崎享対談
http://live.nicovideo.jp/gate/lv216827004

※会員(月額324円)の方は全編視聴できます。非会員の方は有料(150pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別映像を視聴する場合は、ログイン後、ニコニコポイント150ptにてチケット購入してください)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】《EACIレポート》
佐藤優氏や柳沢協二氏ら政権与党に苦言─「安保関連法制を考える─集団的自衛権とこれからの外交・安全保障」に約180人が参加
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 集団的自衛権や安全保障縫製整備をテーマにしたシンポジウム「安保関連法制を考える─集団的自衛権とこれからの外交・安全保障」(主催:新外交イニシアチブ(ND))が4月3日、衆院第一議員会館で開催され、国会議員や一般から約180名が参加しました。
 シンポの冒頭では、元内閣官房副長官の柳沢協二氏が登壇。柳沢氏は安全保障法制の原則事項について、国会の関与や自衛隊員の安全確保は「絶対できない」と現実的に困難であると指摘しました。
 柳沢氏はイラクに派遣された陸海空軍約1万人の自衛隊員についても言及しました。直接の犠牲者は出なかったものの、任務を終えて帰国した隊員のうち去年までに28人が自殺した報道に触れ、「これまで分析してないことがおかしい。安保法制のもとで犠牲者がでる可能性もある」と警鐘を鳴らし、さらに「法律を作った議員にもかえってくる」と、法規を定める国会議員の動きを牽制しました。
 「武器を使えば安全という発想が政府の間違いで、地元と敵対関係になる。70年戦争をしていないメリットを日本は生かすべきだ」と指摘しました。
 続いて登壇した作家で元外交官の佐藤優氏は「ありえない想定を基に議論を進めている」と政権与党を批判しました。さらに尖閣諸島の問題についても言及。シンポジウムの模様を翌日に伝えた琉球新報では、「尖閣は琉球のものだ。中国も尖閣は台湾省のものと認めている。台湾と沖縄の地方政府レベルで実務協定をやれば共同利用ができるかもしれない。沖縄が外交権を回復すれば問題は解決する」との佐藤氏の提案を取り上げ報道しました。(EACIメルマガ編集部)
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「宇宙人礼賛」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

宇宙人礼賛
鳩山元首相がクリミヤを訪問した。テレビのワイドショーや新聞でも批判が目立った。帰国直後に放送したUIチャンネル(インターネット放送)では、「よく日本に戻ってきたな」、「パスポートをとりあげろ」、「売名行為」などの口汚い言葉が洪水のように浴びせられた。外務省は出発当日の午前3時まで秘書に電話をかけ、行くな、と懇願した。いったいこの騒ぎは何だ?私人がロシアを訪問して何か不都合でもあるのか。鳩山氏は祖父の一郎氏以来のロシア通だ。日本政府としては、鳩山氏の訪問をチャンスと捉え、次のように依頼すべきではなかったか。「日本政府はいまこういう立場だから先方の真意を聞くことが出来ない。帰国したら密かに現地政府首脳の考えをご教示頂きたい」。それを最初から国賊扱いで、旅行を妨害するのは幼児的行為でむしろ「国益」に反する。
古い話で恐縮だが、チェコから亡命したムリナーシ氏をウィーンに訪ねたことがある。この取材はソ連から見れば利敵行為。イランのバニサドル大統領とモジャヒディンハルクのリーダー・ラジャビ氏を亡命直後にパリ郊外のポントワーズまで訪ねた。大統領は学生たちと中庭でピンポンをしていた。オーストリアやフランスは何のために亡命者を受け入れているのか。彼らは故国の政権が変われば直ちにトップに返り咲くかもしれない。中国・台湾双方から慕われている、国父・孫文は日本滞在も長かった。現政権と反対派の双方ともにパイプを通じておくことが国際政治のプレーヤーとしてふさわしい。
さて日本の外務省がもっとも鳩山氏に行ってほしくない場所がある。そこはアメリカの植民地で既に何度も鳩山氏は訪れている。イリュス城や聖地イカツアフェスで名高いその地ではエニマニ市長やアガノ知事の反対にもかかわらず巨大な軍事基地建設が進行しようとしている。アワニコ県民は現地オコネーで反対運動を繰り広げているが、そこでは海猿が人を襲う。のど輪攻め、馬乗り、水攻めに巧みだ。異星人が、人間の両足を持って逆さに引きずり米軍基地内に消えたこともある。オコネーの海には牧志公設市場の屋外で売っている巨大島豆腐(500グラム)の何万倍もあるトン・ブロックが投入されている。こうしたSFみたいな状況は良い宇宙人と人間が協力して逆転させる必要があるのではなかろうか。鳩山さん、クリミヤでもヨセミヤでもどんどん行ってください。*イリュスはshuri の逆読み、以下同じ)

以上は琉球新報(3月29日)の論壇に投稿した私の原稿だ。しかしタイトルは「宇宙人礼賛」ではなく、「一方のパイプを遮断するな 鳩山元首相批判の幼児性」に代わっていた。なるほど分かりやすいが「宇宙人礼賛」の方がシュールで良いと思うんだけどなあ・・。
ちなみにイカツアフェスはsefautaki(斎場御嶽)の逆さ読み、以下エニマニ、inamine(稲嶺)市長、アガノ、onaga(翁長)知事、アワニコ、okinawa(沖縄)県民、オコネー、henoko(辺野古)。
沖縄の名詞は母音が多く、逆さ読みに向いている。識名園(shikinaen)はネアニキス?、今帰仁グスク(nakijingusuku)はウクスニジカン?となるのだろうか。

アジールとしての亡命国
*「アジール」とは聖域や避難場所。日本では縁切り寺など権力が及ばない場所を指す。

私の「論壇」を補足しよう。「チェコの春」はソ連の「衛星国」であったチェコで起きた民主化運動。ソ連は、1956年はハンガリー、68年はチェコに戦車を派遣して民主化運動を弾圧した。80年にはポーランドが狙われた。12年ごとにソ連は周辺諸国を侵略する、と言われた。ポーランドは戦車で襲われる前に自ら戒厳令を布いた。しかし「連帯(ソリダリノスチ」運動がグダニスクから風穴を空け、やがてソ連崩壊の序章となった。
冷戦時代、チェコの隣国オーストリアはソ連の核爆弾が落ちてくるのではないかと恐れた。首都ウィーンの市役所の地下には核シェルターが造られた。いまでは駐車場になっている。

ムリナーシ氏は世が世ならチェコ首相になっていたかもしれない。私が訪問した時期はソ連のポーランド侵攻が噂されていた。12年前に同じ目に会った人物に是非意見を聞きたかったのだ。冬のウィーンは雪に閉ざされていた。ムリナーシ氏は、訪ねあてたマンションに夫婦でつつましく暮らしていた。昆虫マニアの彼のために日本から持参した昆虫図鑑をプレゼントした。喜んでページをめくっていた。私にとっては初めての亡命者の取材だった。
亡命直後、隣国チェコの同志との通信手段は、細かい文字で書いた紙を、中空にした靴の底に入れ、運んだ、と話してくれた。
イラン革命の前、パリ郊外のヴェルサイユには後にイランの最高指導者となるホメイニ師が亡命していた。そこから演説を繰り返し、BBCのペルシャ語放送はたびたび彼の見解を流した。イラン国内で短波ラジオを持っている人は誰でも聞ける。演説を録音したカセットテープはイラク経由でイランに大量に運ばれ、モスクの集会で流された。イラン革命のもっとも有効な宣伝媒体はカセットテープだった。
天安門事件のリーダー・ウーアルカイシもフランスに亡命した。パリ市内のFM放送局で番組のキャスタ―を務めていた。訪ねたが残念ながら不在だった。香港製のカセットテープがスタジオに沢山積んであった。番組はパリ在住の華僑たちが耳を傾けていただろう。
フランスは、第二次世界大戦中に、後のドゴール大統領がロンドンに亡命していた。そこで「自由フランス」を宣言し、BBCを通してドイツ占領下のフランス国民に呼びかけた。

こうした事例を考えると、海に囲まれた日本は国内のどこにもアジール(避難場所)がないことに気付く。日本政府の権力が及ばない場所は大使館を除けば米軍基地のみ!沖縄だけが聖域か?そうだ、米兵にとって、かつてはそうだった。基地内に逃げ込めるのは、人をはねた米兵、強姦・殺人を犯した米兵、飲み逃げの米兵、だけだ。今はさすがに日本の警察にも引き渡すこともあるが。

日本人はどこにも逃げられない。周辺の朝鮮半島や中国、台湾から「自由日本」放送を流せば、さぞ面白かろうと思うが、隣国政府は日本政府に気兼ねして決して許可してくれない。対日戦争でも起きれば別だが。では公海上からの海賊放送は?オランダでもイギリスでも船の上から好きな音楽と反体制的な言葉を流していた放送局があった。これもどこか拠点があってすぐに逃げ込める場所(=アジール)がないと不可能だ。

日本を世界のアジールへ
私の論壇の少し前(3月13日)、うそっぱち、という小コラムが目に留まった。
鳩山由紀夫元首相、
クリミヤ訪問 
火星に行ってほしい
―外務省 
宇宙人殿
(広島市・ポテンヒット)
外務省が、元総理に文句をつけたがっている、その雰囲気が良くでている。日本人はあちこち動き回らないで日本国内の、政府の目の届くところでおとなしくしていて頂戴ね、という引きこもり思考も感じる。
日本政府の方針は、難民が来てもお断り。移民はなるべく受け入れない。爆買いの観光客だけ歓迎?、という情けない状況だ。

40年ほど前だが、韓国からの密入国者取材をしたことがある。当時の大阪の朝鮮人密集地・猪飼野(いかいの)の教会の牧師に聞くと、「密航は自由自在」。郵便はJAPAN IKAINOでOK。この地域は済州島からの人が大半だった。彼らにとっては一種のアジールとしての役割を果たしていたのだろう。
入国管理局の役人に話を聞いた。外国人が日本にいることを迷惑がっているようだった。「本当は全員祖国に引き上げてほしいんですか」と質問した。
「はい」と正直に!答えてくれた。いまでも日本政府の本心はそうではないか。

*ハワイ生まれ二世の武器商人ミックス阿倍野が、大阪の鶴橋の焼肉屋で密談しているところを盗聴した記録?を公開する。ミックス阿倍野は山口県がルーツらしいが、ホノルルで広島、熊本、沖縄からの移民の人たちと交わりいずれの言葉も習得せず、英語・幼児語交じりの言葉でしゃべる。
「ニッポンはでちゅね、移民なんて受け入れたらノー。ジャパニーズだけの、うちゅくしいニッポンでええんじゃない?。エニウェイ、ユー、今度タイム作ってよ。ビジネス、ビジネス。オスプレイもっともっと売ってもうからんと、おえりゃーせんのよ。」

陰りは見えるがアジアの経済大国を誇り、これまで戦争をしかけることもせず、最高の治安が保たれている国。周辺諸国で迫害されている人たちにとっては憧れの国だ。将来のことを考えれば「非戦」を貫き、難民・移民をふくめ人口の一割程度を受け入れる覚悟を決めた方が良いのではないか。東アジアで最大のアジール(=安心・安全に暮らせる場所)として変身を図る。これが日本の生きる道ではなかろうか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
 第2部 官僚の壁 vol.14 「脱官僚・脱米依存に反撃」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 2009年の民主党政権発足直後から防衛省防衛政策局長の高見沢将林らが、普天間移設など の在日米軍再編見直しを掲げた新政権を批判する発言を米政府に水面下で伝えていたことが明らかになっている。高見沢は本紙の再三の取材申し込みに応じてい ないが、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電には自らの政権を批判する日本の官僚がほかにも登場する。
  鳩山政権発足から2日後の09年9月18日。来日中の米国務次官補キャンベルは、外務省アジア大洋州局長の斎木昭隆(元外務事務次官)と会談する。外相岡 田克也について「非常的に知的」「省の諸問題を理解している」と称賛する斎木。だが民主党政権が「脱官僚依存」を掲げていることには警告も忘れなかった。
「プロ集団である官僚の誇りをもし新政権が破壊しようとすれば、それは失敗に終わるだろう」
 斎木の批判は続く。民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で「対等な日米関係」を明記したことについて「2国間は既に対等だ。鳩山由紀夫首相や岡田外相は一体何を考えているのか分からない」と批判の手を緩めなかった。
 ほかにも斎木は、与党として経験の浅い民主党が力と自信に満ちあふれたイメージをつくり出すため、日本の強力な官僚機構を支配下に置き、米国に挑む大胆な外交姿勢を見せようとしている、と分析した上で、新政権を侮辱する決定的な発言をする。
 「そのような考えは愚か(stupid)であり、彼らもいずれ学ぶだろう」。この場面はキャンベルが09年9月21日付で作成した米外交公電に記されている。
 ウィキリークスが公開した他の米外交公電には、外務官僚が鳩山の人間性を批判する場面もある。
 09年10月10日、中国・北京で開かれた日中韓首脳会談の後、3カ国は長期目標として、東アジア共同体の検討を盛り込んだ共同声明を発表する。鳩山は「脱米依存」を訴えた。
 鳩山の発言に関し、キャンベルは翌11日と12日、外務省北米局長の梅本和義、元首相補佐官の岡本行夫と会談し、「このような発言は日米関係が回復困難になるほど危機をもたらす」と強い懸念を示した。
  これに対し、梅本と岡本は鳩山が「人格的欠点」を持っていると、と伝える。岡本は、鳩山が最後に会った人の言葉に影響を受ける解説。梅本は「鳩山は人々が 聞きたがるようなことを言ってしまう癖がある」と批判的に説明した。その上でキャンベルに対し、米政府が高いレベルから鳩山に懸念を示すよう勧めたのだ。
 日本の官僚の間に鳩山や民主党をさげすむ見方が確実に存在し、米側にストレートに伝えられていた。極めて異常な状態だった。
  駐日米大使ルースは09年8月の衆院選前、外務事務次官の薮中三十二と会った。日本の外交政策と日米同盟は「継続性」が重要だと述べたルースに対し、薮中 は「新政権は政治的利益のために日本の安全保障を危険にさらすべきではない」と同意した。米軍再編見直しなどを掲げる民主党を否定するものだった。
 その言動からは、「従米」体質から抜け出せない外務官僚らの硬直した思考が読み取れる。(文中肩書は当時、敬称略)(「日米廻り舞台」取材班)琉球新報提供

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■メール内容に関するご意見・ご要望はこちら
 アドレス:info@eaci.or.jp
■購読解除はこちら
 アドレス:info@eaci.or.jp
発行  :東アジア共同体研究所
     〒100-0014 千代田区永田町2-9-6 十全ビル706
WEB  :http://www.eaci.or.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/east.asian.community.institute
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
本誌に掲載されている文章の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2015-2015 東アジア共同体研究所 All rights reserved.