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EACI News Weekly 第10号(3月13日号)
東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
http://eaci.or.jp/
================================
「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。
Facebook : http://www.facebook.com/east.asian.community.institute
================================
【目次】
【1】《今週のニュース 3/7-3/13》
政治(2)、経済(1)、国際(1)、社会(2)
【2】《UIチャンネル放送予告 No.094》
3月16日(月)20時~
鳩山友紀夫×孫崎享×高野孟対談「クリミアの現状と日本外交の在り方」
http://live.nicovideo.jp/gate/lv213321643
【3】《EACIレポート》
4月3日(金)に新外交イニシアティブ(ND)がシンポジウム
「安保関連法制を考える―集団的自衛権とこれからの外交・安全保障―」開催
【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「琉米・琉仏・琉蘭修好条約」
【5】《EACI会員からの投稿》
小島正憲
(株式会社小島衣料オーナー、アジア・アパレルものづくりネットワーク代表理事)
「アジア読書録vol.2『ベトナムの謎』(片岡利昭著、日越貿易会、2015.1)」
【6】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
第1部 米国の深層 vol.10「海兵隊削減」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】《今週のニュース 3/7-3/13》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【政治】
■環境監視等委員会議事録 国が書き換え
(琉球朝日放送 2015.3.10)
http://www.qab.co.jp/news/2015031063884.html
■辺野古移設:中断の海底ボーリング調査を再開
(毎日新聞 2015.3.12)
http://mainichi.jp/select/news/20150312k0000e010171000c.html
【経済】
■TPP首席交渉官会合 ハワイで始まる
(NHK 2015.3.12 )
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150310/k10010010081000.html
【国際】
■ 中国「新型国際関係」を提唱 外相、米一極「改善」に意欲
(日経新聞 2015.3.9)
http://www.nikkei.com/article/DGXKASGM08H1X_Y5A300C1FF8000/
【社会】
■アジアから持続可能な低炭素社会作りの輪を広げる
(環境ビジネスオンライン 2015.3.9)
http://www.kankyo-business.jp/column/009960.php
■「東日本大震災4周年追悼式」天皇陛下のお言葉全文
(ハフィントン・ポスト 2015.3.11)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/03/11/emperor-voice2015_n_6844830.html
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】《UIチャンネル放送予告 No.094》
第94回UIチャンネル生放送
鳩山友紀夫×孫崎享×高野孟対談「クリミアの現状と日本外交の在り方」
http://live.nicovideo.jp/gate/lv213321643
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3月16日(月)20時からの第94回UIチャンネル放送は、
鳩山友紀夫×孫崎享×高野孟鼎談「クリミアの現状と日本外交の在り方」
を生放送でお送り致します。
鳩山氏がクリミアを訪れ、大騒動になっているが、その真相を同行した
高野氏と共に語り、さらに孫崎氏を交えて日本外交の在り方を考える。
※会員(月額324円)の方は全編視聴できます。非会員の方は有料
(150pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決
済が可能です。個別映像を視聴する場合は、ログイン後、ニコニコポイ
ント150ptにてチケット購入してください)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】《EACIレポート》
4月3日(金)に新外交イニシアティブ(ND)がシンポジウム
「安保関連法制を考える―集団的自衛権とこれからの外交・安全保障―」開催
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
UIチャンネルにも出演いただいている猿田佐世さん率いる新外交イニシ
アティブが4月3日、安保関連法案に関するイベントを開催します。
(以下、HPを参考に掲載)
▽ ▼ ▽
新外交イニシアティブ(ND)シンポジウム
安保関連法制を考える―集団的自衛権とこれからの外交・安全保障―
<開催要旨>
2014年7月1日の閣議決定を受け、本年2月13日から、安全保障関連法制
についての政府・与党協議が始まりました。協議では、「後方支援」恒
久法や「グレーゾーン」事態対応など、今後の外交・安全保障に大きな
影響を及ぼす事項が議論されています。この度、外交・安全保障の専門
家をお呼びして、安保関連法案の問題点や日米ガイドラインの改定を踏
まえ、これからの日本の外交・安全保障はどうあるべきか、自衛隊の運
用など実体論にも照らしながら議論します。
<トークイベント概要>
日時:2015年4月3日 (金) 18:00~(開場17:30)
会場:衆議院第一議員会館 大会議室
参加費:1,000円
シンポジウム登壇者:
佐藤 優氏(作家/元外務省主任分析官)
柳澤 協二(ND理事/元内閣官房副長官補)
司会・コーディネーター
猿田 佐世(ND事務局長/弁護士)
■申込先等、詳細は以下のリンクより
http://www.nd-initiative.org/event/1435/
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「琉米・琉仏・琉蘭修好条約」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2月27日(金)から3月29日(金)まで浦添市美術館で「琉球・幕末
明治維新 沖縄特別展」が開かれている。目玉は琉米・琉仏・琉蘭修好条
約の展示だ。外務省外交史料館蔵とある。大事な条約が沖縄へ里帰りした。
これらをなぜ日本の外務省が持っているかというと沖縄は日本だから。
ところがにわかに最近、沖縄は日本ではないぞ、という論議が盛んになっ
てきた。昔は独立国だったじゃないか、それを強迫して無理やり日本に組
み込んでしまった。「元の姿にしておくれ」という訳だ。
元をただせばこれらの条約もアメリカ、フランス、オランダとの間で無理
やり結ばされた。しかし今になって見ると、これらの条約は琉球が独立国
だった何よりの証拠。(だからこそ日本の外務省は真っ先に取り上げたのだが)
沖縄の抱える問題は、日本で処理できない難問ばかり。米軍基地はよろしく、
日本国内ではお引き受けできかねます、その分お金をあげてるからいいじゃ
ないの、と「知らんふーな」を決め込んでいる。大新聞もほとんど右へなら
え、で沖縄の痛みはほとんど伝わらない。
沖縄側も基地の地主は反対運動が盛り上がれば、地代もあがる、とほくそえ
んでいる。「軍用地求む」のビラが電柱に貼ってあるところを見ると、よほ
ど良い投資に違いない。こうして軍用地の地主はうるおい、基地周辺の住民
は永遠に迷惑状態が続く。悪循環を断ち切るには、基地を返せ、その分金が
入ってこなくてもこちらで工夫する、と覚悟を決めるしかない。しかし一度
もらい始めたあぶく銭は麻薬のように人の神経を侵す。嘉手納基地の周辺で
電柱によりかかって寝ている青年をタクシーから見かけた。運転手が言って
いた。(基地の収入で)「ああやって昼から酒飲んでるんですよ」
話がすっかり脱線しているが、肝心の琉米修好条約の全文をご紹介する。
(条約を交わした後、批准されたのは唯一琉米条約のみ)原本は撮影禁止だ
ったので、この文書は近くの浦添図書館で見つけた「ペリーと大琉球 琉球
放送株式会社 発売元 ボーダーインク」による。-p87~89 照屋善彦執
筆。照屋先生(良く知っているのでこう呼ばせて頂く)によれば、琉球王国
と称しながら、琉球の役人は、独立国という言葉は外してくれ、と以下のよ
うに?頼んでいる。
「独立国てですか、わいさーぎ、そぎゃんこつは言いなはるますな、うちゃ
清の家来のごたるこーまかとこっですもんね、ほんなこつ」
(琉球古語が分からないので古式?熊本弁で代用)
「当初草案には、琉球を独立国として認める前文がついていた。独立国の件
に関しては、琉球側は清国と冊封関係にあることから条約文の中に入れるこ
とに強く反対し、結局この前文は省かれることになった。」
いずれにしてもこの条約は「ペリーの来島以来、琉球王府に対して行った米
側の一方的かつ高圧的な要求の成果を盛り込んだ不条理な条約となっている」
と指摘がある。
琉米修好条約全文
合衆国と琉球王国間の条約、一八五四年七月一一日、大琉球国那覇に於いて
調印。
一 今後、合衆国人民が琉球に来る時は、常に大いなる好意と友誼をもって
遇すべきこと。米人が必要とする物品は、役人であれ住民であれ琉球が供給
できるものであれば、米人に販売すること。また琉球官憲は住民に対して何
らの禁止的な規制を設けないこと。さらに、琉米双方で購買したいと望む品
物は、何であれ適正価格で取引すること。
二 合衆国の船舶が琉球のいかなる港に寄る際には、いつでも薪・水を適正
価格で供給すること。さらに、その船がその他の物品を欲する場合には、那
覇でのみ購入することができること。
三 合衆国の船が、大琉球島または琉球王国政府の管轄下にある島嶼におい
て難破した時は、その他の官憲は人員を派遣して生命財産の救助を手伝わせ、
合衆国船が来て、救助された全てのものを連れ去るまで、難破船から陸上に
引き上げることができたものを保管すること。そして、これら不憫な人々の
救助に要した費用は、同人らが属する国家が支弁すべきこと。
四 合衆国船舶の乗組員が琉球に上陸するときは何時でも、妨害を受けず、
また役人をつかわして尾行させたり、または乗組員を監視させたりせず、自
由に遊行させること。ただし彼らが暴力的に民家に押し入ったり、婦女にた
わむれたり、人民に強制的に物を売らせたり、その他、類似の不法行為を犯
した際には、地方官憲の手で逮捕すること。但し虐待してはならず、彼らが
所属せる船の船長に報告し、彼に処罰させること。
五 泊村に合衆国市民の埋葬地があるが、同地にある彼らの墳墓を破壊しな
いこと。
六 琉球国政府は熟練した水先案内人を任命し、琉球島の沖合に現れる船舶
を見張らせること。もしその船が那覇へ向かって来るのを認めたら、案内人
はその船を安全な投錨地に導くため良い舟艇でもって暗礁の外まで出迎える
こと。この労役にたいして、その船長は水先案内人に五ドルを支払い、また
港から暗礁の外に出る時も同様にすること。
七 船舶が那覇に投錨する時は何時でも、地方官憲は薪一千斤につき銅銭三
千六百文でその船に供給すること。また水一千升につき銅銭六百文でこれを
供給すること。
合衆国全権欽差大臣兼水師提督 衣偏に皮 理(ペリーの漢訳名)
琉球国中山府総理大臣 尚宏勲、 布政太夫 馬良才
紀年一千八百五十四年七月十一日、 成豊四年六月十七日在那覇公館立
四と五についてはその頃のペリー艦隊に対する琉球側の態度が良く分かる。
ペリー側は島の周りを廻って海深などを測量した。また探検隊を出して今の
中城まで出かけ、大きな岩の割れ目に旗を立てた(ペリーの旗立岩)。さら
に中城城に赴き築城の見事さを褒め称えた。同行の挿絵画家ペイネの絵が今
に残っている。西表島にも出かけて炭鉱があることをちゃんと突き止めてい
る。つまりやりたい放題。江戸幕府が開国に応じない場合は、琉球を占領し
て、基地にしようと考えていた。160年も前から沖縄はアメリカに目をつけ
られていたのだ。
この条約の2か月前にペリー艦隊の一員が「婦女暴行事件」を引き起こした。
今に続く海兵隊の暴行シリーズ第一号と呼ぶべきボード事件だ。泡盛を盗ん
で飲み、女性を犯し、村人から石を投げられ、海中に逃げて溺れ死んだ、と
される。どうも水死ではなく石で頭を割られたらしい。琉球人が一矢報いた
形・・こんなことを書くと米側から抗議が来そうだが、なに婦女暴行した米
兵は頭くらい割られても当然の報い・・海兵隊ゴーホーム・・(ますますエ
スカレートするので止めよう)。ともあれペリー艦隊の来沖は砲艦外交、つ
まり乱暴狼藉と強迫と無断測量と、それはそれはひどい、「鉄の暴風」の前
触れというべき黒雲だった。
さて神奈川条約(日米和親条約)の英文では条約はtreaty、しかし琉米修
好条約ではcompact。この違いは何か。照屋先生の解説によれば「米国にと
って対等以下の国や集団との取り決めに使われており、しばしばインディア
ンの部族と政府との取り決めに使用例がある。ただし、本条約に全権大使で
あるペリーが調印しており、また一八五五年三月九日には米政府が批准して
いるので、米側にとって神奈川条約と同様に条約としての効力を有する」
これで、1-米側が琉球をインディアンの部族と同様に見なしていたらしい。
2-条約は正式に批准されている、ということが分かる。インディアンとの
条約と同様であれば、これはまた国連での「琉球民族の先住民族としての権
利主張」にますます力が入るだろう。繰り返すが、やむを得ず結ばされた条
約ではあるが、かえって独立国であったことを実証している。そして今、琉
球処分そのものが問われることになるだろう。
*この条約については(160年目を迎えた)2014年7月11日の琉球新報が詳
しく伝えている。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【5】《EACI会員からの投稿》
小島正憲
(株式会社小島衣料オーナー、アジア・アパレルものづくりネットワーク代表理事)
「アジア読書録vol.1『ベトナムの謎』(片岡利昭著、日越貿易会、2015.1)」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
書店の棚にこの本をみつけたとき、私は、「なぜこのタイミングで、“ベトナ
ムの謎”という題名の本が発行されたのだろうか」と不思議に思ったが、とに
かく購入して読んでみた。読み終わって私は、この本には、「なぜベトナム人
は中国人が嫌いなのか」という題名がふさわしいと思った。
片岡氏は、「なぜベトナムは中国を嫌うのか。それは歴史をふり返って見れ
ば一目瞭然である。すなわち、ベトナムと中国との関係は、紀元前の秦による
征服からはじまり、その後も、ベトナムは中国で強大な王朝が建国されるたび
に、その存在におびえ、また侵略の脅威にさらされつづけた。そのため、それ
に抵抗して戦うか、友好を装って朝貢するのか、の歴史を繰り返してきたので
ある」、「すなわちベトナムの歴史とは、中国との抗争の歴史そのものなので
ある」と、本書のおよそ半分を割いて中越抗争の歴史を書いている。
おそらく片岡氏は本書で、昨年の南シナ海における中越紛争の結果の、反中
暴動の根底を解明したかったのであろう。その点で、本書はその目的を達して
いると思う。
ただし、片岡氏はよほど発行を急いだのか、この本には校正不足が目立つ。
主語があいまいであったり、助詞の使用法が独特であったり、いささか文意が
通じないところがあったり、また脱字や余計な字を数えると10個所を越してい
る。さらに同一事象を二通りの字句で書く(「ボーグエンザップとヴォーグエ
ンザップ」、「民号作戦と明号作戦」)など、読者の頭を混乱させるような記
述もある。あるいは、「散を乱して逃げまどう」という記述があるが、「算を
乱して」が正しいと思う。また「隠密裏に」という字句がなんども使われてい
るが、「秘密裏に」、「極秘裏」にという字句も出てくる。読者にとっては、
そのニュアンスの違いを理解することが難しい。私はこの本を読むのに、なん
ども辞書を引き、自分の頭を疑いながら読んだ。著者の片岡氏には、再度、こ
の本を校正していただいて、読みやすい本にしていただきたいと願う。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【6】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
第1部 米国の深層 vol.10「海兵隊削減」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
10月21日。米ワシントンでの講演で、海兵隊の配置計画を担当する少
将マッケンジーが危機感を吐露した。国防長官ヘーゲルが海兵隊を現在
の約19万5千人から最小15万人まで減らす可能性に言及したことについ
てだ。「15万人なら危険なほど小さな力になる」
ヘーゲル発言に先立つ6月、海兵隊は自ら18万人4千人にまで削減する
と説明していた。だがこの日マッケンジーは「15万人」には反対する一
方、国防総省の事務方が検討している17万4千人案を受け入れる考えを示
した。
国防費削減に伴う米軍の兵員削減計画に基づく海兵隊への圧力がさら
に強まり、踏み込まざるを得なかった形だ。
米政府関係者は海兵隊は15万9千人にまで減らす選択肢もあるとしてい
る。最終方針は決まっていないが、大幅な削減案が実施されれば、在沖
海兵隊の再編にも大きく影響する可能性がある。
普天間飛行場の県外・国外移設を求める多くの県民にとって、海外基
地の検証を含む海兵隊の削減・再編の流れは大きな好機だ。だが日本国
内では政府が沖縄に「辺野古が嫌なら固定化」と二者択一で移設容認を
迫り、米国内でくすぶる移設計画の「プランB」(代替案)の可能性を
かき消している。
10月、日米のシンクタンクなどが共催する東京都内での講演で登壇し
た前国務次官補のキャンベルはフロアからの質問に流ちょうに答えてい
た。ただ「在沖海兵隊が日本本土に移転した場合、米軍の抑止力が著し
く低下するのか」との質問には様子が違った。直接的な回答を避け「沖
縄について何かコメントするといつもトラブルの原因になる。(海兵隊
の)ゲームプラン(戦略)が既にできていると述べるのとどめたい」と
かわした。
その約3週間後、元国務次官補のジョセフ・ナイは埼玉県での講演後、
県外・国外移設が抑止力低下につながるかどうかについて「両政府がほ
他にどのような手だてを取るかに懸かる」と同じく明言を避け、日本政
府が強調する「抑止力」の不透明さをあらためて浮き彫りにした。
米有力軍事シンクタンクのランド研究所が4月、在沖米海兵隊について
注目すべき報告書を公表した。現在の定数1万9千人に関して、主に小規
模紛争や災害の初期対応に当たる2200人の第31海兵遠征部隊(31ME
U)を除く大部分を米本国に移転しても、「展開能力にわずかな影響し
か及ぼさない」と報告したのだ。
報告書は国防総省からの委託によるもの。辺野古移設が頓挫した場
合、国防総省側から「プランB」が提起される可能性を示唆している。
在沖海兵隊の「抑止力」や沖縄の「地理的優位性」の薄弱さを認めたラ
ンド研究所の評価は、米国の多くの専門家らの認識とも共通するから
だ。
日米両政府関係者が出席する安全保障セミナーにオブザーバーとして
呼ばれる米ジャーナリストのピーター・エニスは、今月公開した記事に
「日米の政府当局者や専門家を含め幅広くインタビューしたが、誰一人
として辺野古の新基地が完成すると思っていなかった」と記し、「両政
府が辺野古移設に代わる計画の検討に追い込まれるのは、もはや時間の
問題でしかない」と指摘した。
移設問題の行方次第で、辺野古以外の代替案がテーブルに上る-。米
関係者はそうけん見通しながら、近づく沖縄の選択を注視している。
(敬称略)
(第1部おわり。「日米廻り舞台」取材班=島袋良太、内間健友担当)
琉球新報提供
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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【3】《EACIレポート》
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(日経新聞 2015.3.9)
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■アジアから持続可能な低炭素社会作りの輪を広げる
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■「東日本大震災4周年追悼式」天皇陛下のお言葉全文
(ハフィントン・ポスト 2015.3.11)
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「安保関連法制を考える―集団的自衛権とこれからの外交・安全保障―」開催
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(以下、HPを参考に掲載)
▽ ▼ ▽
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安保関連法制を考える―集団的自衛権とこれからの外交・安全保障―
<開催要旨>
2014年7月1日の閣議決定を受け、本年2月13日から、安全保障関連法制
についての政府・与党協議が始まりました。協議では、「後方支援」恒
久法や「グレーゾーン」事態対応など、今後の外交・安全保障に大きな
影響を及ぼす事項が議論されています。この度、外交・安全保障の専門
家をお呼びして、安保関連法案の問題点や日米ガイドラインの改定を踏
まえ、これからの日本の外交・安全保障はどうあるべきか、自衛隊の運
用など実体論にも照らしながら議論します。
<トークイベント概要>
日時:2015年4月3日 (金) 18:00~(開場17:30)
会場:衆議院第一議員会館 大会議室
参加費:1,000円
シンポジウム登壇者:
佐藤 優氏(作家/元外務省主任分析官)
柳澤 協二(ND理事/元内閣官房副長官補)
司会・コーディネーター
猿田 佐世(ND事務局長/弁護士)
■申込先等、詳細は以下のリンクより
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【4】《研究員コラム》
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「琉米・琉仏・琉蘭修好条約」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2月27日(金)から3月29日(金)まで浦添市美術館で「琉球・幕末
明治維新 沖縄特別展」が開かれている。目玉は琉米・琉仏・琉蘭修好条
約の展示だ。外務省外交史料館蔵とある。大事な条約が沖縄へ里帰りした。
これらをなぜ日本の外務省が持っているかというと沖縄は日本だから。
ところがにわかに最近、沖縄は日本ではないぞ、という論議が盛んになっ
てきた。昔は独立国だったじゃないか、それを強迫して無理やり日本に組
み込んでしまった。「元の姿にしておくれ」という訳だ。
元をただせばこれらの条約もアメリカ、フランス、オランダとの間で無理
やり結ばされた。しかし今になって見ると、これらの条約は琉球が独立国
だった何よりの証拠。(だからこそ日本の外務省は真っ先に取り上げたのだが)
沖縄の抱える問題は、日本で処理できない難問ばかり。米軍基地はよろしく、
日本国内ではお引き受けできかねます、その分お金をあげてるからいいじゃ
ないの、と「知らんふーな」を決め込んでいる。大新聞もほとんど右へなら
え、で沖縄の痛みはほとんど伝わらない。
沖縄側も基地の地主は反対運動が盛り上がれば、地代もあがる、とほくそえ
んでいる。「軍用地求む」のビラが電柱に貼ってあるところを見ると、よほ
ど良い投資に違いない。こうして軍用地の地主はうるおい、基地周辺の住民
は永遠に迷惑状態が続く。悪循環を断ち切るには、基地を返せ、その分金が
入ってこなくてもこちらで工夫する、と覚悟を決めるしかない。しかし一度
もらい始めたあぶく銭は麻薬のように人の神経を侵す。嘉手納基地の周辺で
電柱によりかかって寝ている青年をタクシーから見かけた。運転手が言って
いた。(基地の収入で)「ああやって昼から酒飲んでるんですよ」
話がすっかり脱線しているが、肝心の琉米修好条約の全文をご紹介する。
(条約を交わした後、批准されたのは唯一琉米条約のみ)原本は撮影禁止だ
ったので、この文書は近くの浦添図書館で見つけた「ペリーと大琉球 琉球
放送株式会社 発売元 ボーダーインク」による。-p87~89 照屋善彦執
筆。照屋先生(良く知っているのでこう呼ばせて頂く)によれば、琉球王国
と称しながら、琉球の役人は、独立国という言葉は外してくれ、と以下のよ
うに?頼んでいる。
「独立国てですか、わいさーぎ、そぎゃんこつは言いなはるますな、うちゃ
清の家来のごたるこーまかとこっですもんね、ほんなこつ」
(琉球古語が分からないので古式?熊本弁で代用)
「当初草案には、琉球を独立国として認める前文がついていた。独立国の件
に関しては、琉球側は清国と冊封関係にあることから条約文の中に入れるこ
とに強く反対し、結局この前文は省かれることになった。」
いずれにしてもこの条約は「ペリーの来島以来、琉球王府に対して行った米
側の一方的かつ高圧的な要求の成果を盛り込んだ不条理な条約となっている」
と指摘がある。
琉米修好条約全文
合衆国と琉球王国間の条約、一八五四年七月一一日、大琉球国那覇に於いて
調印。
一 今後、合衆国人民が琉球に来る時は、常に大いなる好意と友誼をもって
遇すべきこと。米人が必要とする物品は、役人であれ住民であれ琉球が供給
できるものであれば、米人に販売すること。また琉球官憲は住民に対して何
らの禁止的な規制を設けないこと。さらに、琉米双方で購買したいと望む品
物は、何であれ適正価格で取引すること。
二 合衆国の船舶が琉球のいかなる港に寄る際には、いつでも薪・水を適正
価格で供給すること。さらに、その船がその他の物品を欲する場合には、那
覇でのみ購入することができること。
三 合衆国の船が、大琉球島または琉球王国政府の管轄下にある島嶼におい
て難破した時は、その他の官憲は人員を派遣して生命財産の救助を手伝わせ、
合衆国船が来て、救助された全てのものを連れ去るまで、難破船から陸上に
引き上げることができたものを保管すること。そして、これら不憫な人々の
救助に要した費用は、同人らが属する国家が支弁すべきこと。
四 合衆国船舶の乗組員が琉球に上陸するときは何時でも、妨害を受けず、
また役人をつかわして尾行させたり、または乗組員を監視させたりせず、自
由に遊行させること。ただし彼らが暴力的に民家に押し入ったり、婦女にた
わむれたり、人民に強制的に物を売らせたり、その他、類似の不法行為を犯
した際には、地方官憲の手で逮捕すること。但し虐待してはならず、彼らが
所属せる船の船長に報告し、彼に処罰させること。
五 泊村に合衆国市民の埋葬地があるが、同地にある彼らの墳墓を破壊しな
いこと。
六 琉球国政府は熟練した水先案内人を任命し、琉球島の沖合に現れる船舶
を見張らせること。もしその船が那覇へ向かって来るのを認めたら、案内人
はその船を安全な投錨地に導くため良い舟艇でもって暗礁の外まで出迎える
こと。この労役にたいして、その船長は水先案内人に五ドルを支払い、また
港から暗礁の外に出る時も同様にすること。
七 船舶が那覇に投錨する時は何時でも、地方官憲は薪一千斤につき銅銭三
千六百文でその船に供給すること。また水一千升につき銅銭六百文でこれを
供給すること。
合衆国全権欽差大臣兼水師提督 衣偏に皮 理(ペリーの漢訳名)
琉球国中山府総理大臣 尚宏勲、 布政太夫 馬良才
紀年一千八百五十四年七月十一日、 成豊四年六月十七日在那覇公館立
四と五についてはその頃のペリー艦隊に対する琉球側の態度が良く分かる。
ペリー側は島の周りを廻って海深などを測量した。また探検隊を出して今の
中城まで出かけ、大きな岩の割れ目に旗を立てた(ペリーの旗立岩)。さら
に中城城に赴き築城の見事さを褒め称えた。同行の挿絵画家ペイネの絵が今
に残っている。西表島にも出かけて炭鉱があることをちゃんと突き止めてい
る。つまりやりたい放題。江戸幕府が開国に応じない場合は、琉球を占領し
て、基地にしようと考えていた。160年も前から沖縄はアメリカに目をつけ
られていたのだ。
この条約の2か月前にペリー艦隊の一員が「婦女暴行事件」を引き起こした。
今に続く海兵隊の暴行シリーズ第一号と呼ぶべきボード事件だ。泡盛を盗ん
で飲み、女性を犯し、村人から石を投げられ、海中に逃げて溺れ死んだ、と
される。どうも水死ではなく石で頭を割られたらしい。琉球人が一矢報いた
形・・こんなことを書くと米側から抗議が来そうだが、なに婦女暴行した米
兵は頭くらい割られても当然の報い・・海兵隊ゴーホーム・・(ますますエ
スカレートするので止めよう)。ともあれペリー艦隊の来沖は砲艦外交、つ
まり乱暴狼藉と強迫と無断測量と、それはそれはひどい、「鉄の暴風」の前
触れというべき黒雲だった。
さて神奈川条約(日米和親条約)の英文では条約はtreaty、しかし琉米修
好条約ではcompact。この違いは何か。照屋先生の解説によれば「米国にと
って対等以下の国や集団との取り決めに使われており、しばしばインディア
ンの部族と政府との取り決めに使用例がある。ただし、本条約に全権大使で
あるペリーが調印しており、また一八五五年三月九日には米政府が批准して
いるので、米側にとって神奈川条約と同様に条約としての効力を有する」
これで、1-米側が琉球をインディアンの部族と同様に見なしていたらしい。
2-条約は正式に批准されている、ということが分かる。インディアンとの
条約と同様であれば、これはまた国連での「琉球民族の先住民族としての権
利主張」にますます力が入るだろう。繰り返すが、やむを得ず結ばされた条
約ではあるが、かえって独立国であったことを実証している。そして今、琉
球処分そのものが問われることになるだろう。
*この条約については(160年目を迎えた)2014年7月11日の琉球新報が詳
しく伝えている。
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【5】《EACI会員からの投稿》
小島正憲
(株式会社小島衣料オーナー、アジア・アパレルものづくりネットワーク代表理事)
「アジア読書録vol.1『ベトナムの謎』(片岡利昭著、日越貿易会、2015.1)」
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書店の棚にこの本をみつけたとき、私は、「なぜこのタイミングで、“ベトナ
ムの謎”という題名の本が発行されたのだろうか」と不思議に思ったが、とに
かく購入して読んでみた。読み終わって私は、この本には、「なぜベトナム人
は中国人が嫌いなのか」という題名がふさわしいと思った。
片岡氏は、「なぜベトナムは中国を嫌うのか。それは歴史をふり返って見れ
ば一目瞭然である。すなわち、ベトナムと中国との関係は、紀元前の秦による
征服からはじまり、その後も、ベトナムは中国で強大な王朝が建国されるたび
に、その存在におびえ、また侵略の脅威にさらされつづけた。そのため、それ
に抵抗して戦うか、友好を装って朝貢するのか、の歴史を繰り返してきたので
ある」、「すなわちベトナムの歴史とは、中国との抗争の歴史そのものなので
ある」と、本書のおよそ半分を割いて中越抗争の歴史を書いている。
おそらく片岡氏は本書で、昨年の南シナ海における中越紛争の結果の、反中
暴動の根底を解明したかったのであろう。その点で、本書はその目的を達して
いると思う。
ただし、片岡氏はよほど発行を急いだのか、この本には校正不足が目立つ。
主語があいまいであったり、助詞の使用法が独特であったり、いささか文意が
通じないところがあったり、また脱字や余計な字を数えると10個所を越してい
る。さらに同一事象を二通りの字句で書く(「ボーグエンザップとヴォーグエ
ンザップ」、「民号作戦と明号作戦」)など、読者の頭を混乱させるような記
述もある。あるいは、「散を乱して逃げまどう」という記述があるが、「算を
乱して」が正しいと思う。また「隠密裏に」という字句がなんども使われてい
るが、「秘密裏に」、「極秘裏」にという字句も出てくる。読者にとっては、
そのニュアンスの違いを理解することが難しい。私はこの本を読むのに、なん
ども辞書を引き、自分の頭を疑いながら読んだ。著者の片岡氏には、再度、こ
の本を校正していただいて、読みやすい本にしていただきたいと願う。
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【6】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
第1部 米国の深層 vol.10「海兵隊削減」
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10月21日。米ワシントンでの講演で、海兵隊の配置計画を担当する少
将マッケンジーが危機感を吐露した。国防長官ヘーゲルが海兵隊を現在
の約19万5千人から最小15万人まで減らす可能性に言及したことについ
てだ。「15万人なら危険なほど小さな力になる」
ヘーゲル発言に先立つ6月、海兵隊は自ら18万人4千人にまで削減する
と説明していた。だがこの日マッケンジーは「15万人」には反対する一
方、国防総省の事務方が検討している17万4千人案を受け入れる考えを示
した。
国防費削減に伴う米軍の兵員削減計画に基づく海兵隊への圧力がさら
に強まり、踏み込まざるを得なかった形だ。
米政府関係者は海兵隊は15万9千人にまで減らす選択肢もあるとしてい
る。最終方針は決まっていないが、大幅な削減案が実施されれば、在沖
海兵隊の再編にも大きく影響する可能性がある。
普天間飛行場の県外・国外移設を求める多くの県民にとって、海外基
地の検証を含む海兵隊の削減・再編の流れは大きな好機だ。だが日本国
内では政府が沖縄に「辺野古が嫌なら固定化」と二者択一で移設容認を
迫り、米国内でくすぶる移設計画の「プランB」(代替案)の可能性を
かき消している。
10月、日米のシンクタンクなどが共催する東京都内での講演で登壇し
た前国務次官補のキャンベルはフロアからの質問に流ちょうに答えてい
た。ただ「在沖海兵隊が日本本土に移転した場合、米軍の抑止力が著し
く低下するのか」との質問には様子が違った。直接的な回答を避け「沖
縄について何かコメントするといつもトラブルの原因になる。(海兵隊
の)ゲームプラン(戦略)が既にできていると述べるのとどめたい」と
かわした。
その約3週間後、元国務次官補のジョセフ・ナイは埼玉県での講演後、
県外・国外移設が抑止力低下につながるかどうかについて「両政府がほ
他にどのような手だてを取るかに懸かる」と同じく明言を避け、日本政
府が強調する「抑止力」の不透明さをあらためて浮き彫りにした。
米有力軍事シンクタンクのランド研究所が4月、在沖米海兵隊について
注目すべき報告書を公表した。現在の定数1万9千人に関して、主に小規
模紛争や災害の初期対応に当たる2200人の第31海兵遠征部隊(31ME
U)を除く大部分を米本国に移転しても、「展開能力にわずかな影響し
か及ぼさない」と報告したのだ。
報告書は国防総省からの委託によるもの。辺野古移設が頓挫した場
合、国防総省側から「プランB」が提起される可能性を示唆している。
在沖海兵隊の「抑止力」や沖縄の「地理的優位性」の薄弱さを認めたラ
ンド研究所の評価は、米国の多くの専門家らの認識とも共通するから
だ。
日米両政府関係者が出席する安全保障セミナーにオブザーバーとして
呼ばれる米ジャーナリストのピーター・エニスは、今月公開した記事に
「日米の政府当局者や専門家を含め幅広くインタビューしたが、誰一人
として辺野古の新基地が完成すると思っていなかった」と記し、「両政
府が辺野古移設に代わる計画の検討に追い込まれるのは、もはや時間の
問題でしかない」と指摘した。
移設問題の行方次第で、辺野古以外の代替案がテーブルに上る-。米
関係者はそうけん見通しながら、近づく沖縄の選択を注視している。
(敬称略)
(第1部おわり。「日米廻り舞台」取材班=島袋良太、内間健友担当)
琉球新報提供
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