少し古いが、米海兵隊の政治力を象徴する話がある。
1989年、海兵隊への導入を目指していた開発段階の垂直離着陸輸送機オスプレイの初飛行があった。だがオスプレイは91年、92年に合計死者7人、負傷者2人を数える墜落事故を立て続けに起こす。ヘリコプターと固定翼機の機能を併せ持つ複雑な構造のオスプレイは安全性に疑問がもたれていた。そして、開発費は高額だった。
当時のブッシュ(父)政権の国防長官、ディック・チェイニーはそれらの理由から開発を中止しようとした。
これに対し開発を維持したい海兵隊側は「都合の悪い情報は報告するな」と試験飛行部隊に支持し、計画続行のロビー活動を大展開する。これらが功を奏し、米政府・議会も一緒になった「軍産複合体」は開発の継続を決めた。
チェイニーは繰り返しオスプレイの計画中止を試みるが
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