Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは「抜き打ち検査の精度」「ヴァンダレイトニック・ディアズの謝罪」です!





ここが気になる!UFC時評:USADA検査は本当に有効なのか、UFCでも相次ぐタレントによる不可解な謝罪

【えっ、ミルコの検査結果が陰性?USADA検査は本当に有効なのか】

HGH(ヒト成長ホルモン)の使用を自ら認めた上で引退を表明したミルコ・クロコップに対する、USADAによる抜き打ち検査の結果が陰性であったことが明らかになった。ミルコは、HGHを使った翌日に抜き打ち検査の検査員が来たため、腹をくくってUFCにその旨を告白していた。

いくら検査結果が陰性であったとしても、本人が違反薬物の使用を告白した以上、ミルコに対する2年間の出場停止処分が解除されるわけではない。ミルコにしてみれば、黙っていれば何事もなかったはずだったのだが、もはや後の祭りである。それよりも、本人が私用を申告しているのに薬物を検出できなかったことは、権威ある検査機関であるUSADAにとっては気まずい展開だ。

とはいえ、HGHは検出されにくいことで有名で、一般には注射してから12時間以内でなければ、陽性結果が出ないとされているのだという。UFCファイターで過去にHGHで処分を受けた選手は、チェール・ソネン、カン・リー、ミルコ・クロコップの3名だけである。うち、ソネンとミルコは、実際には陰性だったのに、本人が使用を認めたため処分を受けたというケースである。カン・リーはマカオでのマイケル・ビスピン戦のあとの薬物検査でHGH陽性反応がでたものの、検査を担当した香港の検査会社に不手際があり、結局検査結果は無効とされ、リーへの出場停止処分も取り消されたのであった。このとき、リーの再三の要求にも拘わらず、UFCが誤りを認めて謝罪することがなかったことから、激怒したリーは現役を引退、現在はUFCに対する反トラスト法裁判の原告団代表となっている。このように、HGHがまともに検出されたことはほとんどなく、むしろHGH陽性結果は余計なもめ事を巻き起こしているだけであるかにも見える。


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