先日開催された「PANCRASE271」。徳留一樹が北岡悟を豪快なKOで破りライト級キング・オブ・パンクラシストに輝くと、砂辺光久が大接戦のシーソーゲームの末に阿部博之を破り、見事初代初代ストロー級王座を載冠。アンダーカードでもブラジル勢が大躍進すれば、修斗王者経験者・室伏シンヤが完璧な勝利でタイトル戦線に名乗りを上げるなど、大盛況・大熱狂のうちに幕を閉じました。大会後の関係者やファンの評判も上々。早くも2015年年間ベスト興行にプッシュする声も聞こえています。
その熱気を裏付けていたのがパンパンに膨れ上がった客席。チケットは事前に増席したにも関わらず前売り段階で早々に完売。南側の後方や会場入口付近には立ち見客がごった返す異様な状態。あれだけ埋まったディファ有明を見たのは私の観戦歴の中でも初めと言っても過言ではありません。パンクラスの酒井正和代表が「超満員札止消防法ギリの大入り」とツイートしたのも思わず納得。本当に凄まじい混雑ぶりでした。私は有明のソウルフード・ディファーカレーを死守する事が出来てホッと胸をなでおろしています。あの日のルーはいつもよりとろみがあって一際格別だったなと。
ところがそこまで盛況になると不測の事態が起こるもの。大会後には、客席に選手や関係者が陣取って座れなかったという「席」を巡るトラブルがチラホラ聞こえてきました。選手に声援を送るため、先輩格闘家やジム生がリング付近の席に座って叱咤激励をするシーンは格闘技興行のある意味で風物詩。現実問題としてパンクラスに限らず、ディファ有明や後楽園ホールなどの興行において恒常的に行われてきたのは事実です。
それでも、これまで問題が表面化してこなかったのは格闘技の会場がある程度空席ありきだったからでしょう。今でこそチケットが完売しているパンクラスですら、2006年前後の暗黒時代なんてむしろ空席の方が多かったくらい。万が一、自分の席にいかつい集団が座っていても、周りの席も空いているし、それどころかもっと良い席も空いているぞと。それなら事を荒立てずに自ら席を移動して回避してきた心臓の弱い小市民の方も多いのではないでしょうか。お恥ずかしながら私はその典型です。
しかし、前回のパンクラスくらい満員になると話は別。他の席に座ろうにも空席はないし、自分の席では屈強な男が大声援を上げていては、さすがに切り出す事も出来ず、仕方なく泣き寝入りするケースも十分にあり得ます。さいたまスーパーアリーナや横浜アリーナのように係員やセキュリティが多数いる大会場ならいざしらず、ディファのような中規模会場では係員の数にも限りがあるし、わざわざ呼びにいくのも一苦労ですからね。
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