Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは「UFC独占禁止法違反訴訟のその後」!
今回のMMA Unleashedでは、2014年12月26日付け「必読!UFC独占禁止法違反集団訴訟とは何か?」で紹介したUFCに対する独占禁止法違反訴訟のその後の動向をフォローアップしたいと思う。
事の起こりはこうだった。昨年の12月16日、元UFCファイターのカン・リー、ネーサン・クオーリー、ジョン・フィッチが、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所(サンホセ)に、ズッファの反トラスト法違反を提訴する集団訴訟を起こす。追って12月22日には元UFCファイターのハビエル・バスケスとデニス・ホールマンが、さらに12月24日には、ブランドン・ベラとパブロ・ガーザが、同じ裁判所に同様の内容の訴訟を起こした。訴状で原告側は、UFCの独占禁止法違反行為のため、ファイターは競争的な市場で本来得られるはずの収入のごく一部しか得ることができておらず、他のスポーツに比べても報酬が著しく低いとし、さらにUFCは、ライバル団体によるトップファイターの獲得を違法に阻害し、競争を排除し、業界の健全な発展を妨げているなどと訴えた。
この裁判の第1ラウンドは、今年5月のことだった。UFC側は、複数の訴訟を1件にまとめた上で、裁判場所をサンホセからネバダ州に移送することを申し立て、裁判所はこれを認めた。
UFC側は次に、「証拠開示手続きの無期延期」を申し立てた。UFCによると原告は、過去15年分のズッファの財務諸表、ゲート収入やグッズ売上の証拠書類・放映権料・広告収入の全体像およびイベント別・選手別の分析データ、選手契約書、会場やスポンサーとの契約書など、ありとあらゆる財務関連データの開示を求めているが、このように事業全体にわたる膨大な資料を準備することはあまりにも煩雑で非現実的だと訴えたのである。しかし裁判所は今年7月、UFCの申し立てを却下する判決を下し、必要な秘密保持の手段を講じた上で、求められた証拠書類を開示するようUFCに命じた。
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