業界事情通Zがマット界の動向をお届けする不定期連載。スターダムの不穏試合に続いて語るテーマは「幻の諏訪魔vs藤田和之」です!(聞き手/ジャン斉藤)



――今回は事情通Zさんに幻に終わりそうな諏訪魔vs藤田和之の裏側についてお聞きしたいと思います。

 裏側と言ってもですね、まあ報道されているとおりですよ。「鶴の一声でひっくり返った」。つまりアントニオ猪木の一声でオジャンという(笑)。

――でも、諏訪魔はわざわざIGF大阪大会に出向いて、翌日の全日本後楽園ホール大会のチケットをサイモン猪木氏に渡してますよね。

 藤田和之の来場を呼びかけたわけですね。

――それって諏訪魔の完全なフリースタイルではないわけですよね?

 そうですね。まず今回の騒動を振り返ってみると、5月5日にゼロワンとW−1がそれぞれ後楽園ホールで大会をやっていて、札止めではないんですけど、いつもよりはお客さんが入ってるんです。ゼロワンは割引していたので入るのはわかるんです。W−1のホールは最近入ってなかったんですけど、今回はよかった。そこはW−1新王者・鈴木秀樹効果はあったのかもしれない。で、翌日の全日本の後楽園はというと、これが入ってなかった。主催者発表で711人。

――主催者発表でそれだと厳しいですね……。

 今回のホールに限らず、ここ最近の全日本は興行的に苦戦しています。なんとか挽回しなきゃいけないというところで、IGFとの対抗戦を進めていたと思うんですよね。

――全日本vsIGFという対抗戦自体はだいぶ前から話がありましたよね。

 藤田が全日本の会場に来たのは去年の4月、1年前のことですよ(笑)。全日本の出たカシンのセコンドとして。

――1年がかりの計画(笑)。

 いまの全日本ってNOAHやW−1との交流は無理じゃないですか。

――政治的にも団体の成り立ち的にも難しいですね。

 ほかの団体を見渡しても、選手の交流はできるとしても、対抗戦というかたちを取れるところはない。刺激的でお客さんを呼べそうな団体は限られていて、全日本にとってパイプがあるのがIGFだけしかなかったと思うんです。

――パイプはあるんですか?

 カシンが一時期、全日本に上がっていたじゃないですか。その細〜〜いパイプなんじゃないかな、と(笑)。

――IGFとしても全日本との対抗戦は願ったりですよね。スポンサーが強いからなんとかなってますけど、チケットは売れていないだろうし、リング上もやれることがなくなってきてるじゃないですか。多くのプロレスファンは知らないでしょうけど、いまIGFはMMAトーナメントとプロレストーナメントを同時にやってますからね(笑)。

 あの手詰まり感は凄いですよね。

このインタビューの続きと、金村キンタロー、平田淳嗣、川田利明、倉持隆夫、矢野啓太など、8万字オーバーの記事9本が読める「詰め合わせセット」はコチラです