新日本プロレスの選手イラストを描いてキャッキャしていたプオタ女子・二階堂綾乃がいつのまにかMMAジムに通いだし、試合出場を目論む模様をイラストレポートすることになった当コーナー。今回は最近マット界を騒がす「プロレス女子問題」について激筆!
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最近プロレス好きな女子の増加がいい意味でも悪い意味でも何かと話題になっていますね。一部の媒体には「プロレス女子は選手に抱かれたい」と思っていると書いてあったり。……うーん、そりゃそうですよね。アイドルファンもサッカーファンも野球ファンも相撲ファンもそういう人いるじゃない。何を今さらって感じですね。世間の方々も、そういう目的でプロレスを見ている人もいれば、そうでない人もいるってわかってくれているんじゃないですか。さすがに。
そんなこんなで物議を醸している「プロレス女子問題」ですが、そもそもプロレス好きな「女子」だけがやけにピックアップされていますけども、女子のファンだけが増えたというわけではなく、女性男性全世代でプロレスファンが増え、もともと女性ファンが少なかったから女性の増加が目立っているだけなんですよね。「プロレス女子増加!」じゃなくて「プロレス人気上昇!」なんですよね。
なぜ私がプロレス女子のくせに女子だけが話題に上ることにモヤっとするのかと言うと、1・4東京ドーム大会の前日に行われた1・3の「大プロレス祭り」で似顔絵屋さんを出店したとき、たくさんのプロレスファンの方とお話をする機会があったからです。
下は0歳児を連れたプロレスファンのご夫婦から、上はマジでかわいいお嬢さん(20歳前後)を連れたダンディーな鳥越俊太郎さんのようなおじさままで、幅広い年代の方がいらっしゃいました。それぞれお話を聞くと、つい数か月前にたまたま「ワールドプロレスリング」を見て流血シーンに惹かれファンになったという女性、私と同じ頃(5、6年前くらい)からファンになりオリジナルマスクを作成するまでに成長した女性、10年前プロレスから離れ最近またプロレスを見始めた男性、そして最近プロレスファンになった小学生のお子様の影響でプロレスに興味をもったお父様(逆に!)までいました。
確かに女性ファンは増えていますが、女性だけでなく老若男女様々なプロレスファンが増えています。メディアでプロレスを紹介するとき、女性ファンだけでなく男性ファンにも話を聞いて欲しいなあ。そしたら前述の子供の影響でプロレス見始めたお父さんとか面白い人が出てくるだろうに……と、なんとももったいない気持ちになります。
あと、メディアでプロレス女子が紹介される度に、自分もプロレス女子なのになんとなくアウェーな感じがしていたのですが、最近その理由に気が付きました。
私もファンになりたての頃は試合を観て黄色い声を張り上げ、グッズを集め、サイン会で選手と触れ合うことで満足していたものです。この頃の私は今メディアで話題になっている、普通の女性らしい女性がなぜかプロレスが大好きという「プ女子」そのものでした。しかし、だんだんプロレスにハマるにつれ「私もあんな筋肉が欲しい…」「あの選手に勝ちたい…」「ラ・マヒストラルやりたい…」「闘いたい…」という、「プロレスラーに会いたい」より「プロレスラーになりたい」という欲が出てきたのです。しかし、あくまでも私がなりたいのは男性のプロレスラーであり、女子プロレスラーではない。なのでプロレスラーになる道は諦めました。ただ見た目だけでもプロレスラーっぽくなりたいと、とりあえずウェイトトレーニングを始め、そのうち総合格闘技なら階級毎に分かれているし、柔術はか弱い女子もやってるし、これなら私にもできそうだ!と思い総合格闘技に手を出しました。
こうなると、私(シックスパックでロシアンフックができて腕十字からの逃げ方を心得ている女性)がプロレスを観ていても、なんの不思議もありません。ロンダ・ラウジーがWWEを見ても何も珍しくないでしょう。それと同じです(違う)。普通の女子がプロレスを見るのが珍しいと「プロレス女子」が話題になっていますが、私は普通の女子と呼ばれるには、もはや腹筋が割れすぎてしまいました。
いまはプロレス観戦中、黄色い声援を上げることよりも技のかけ方を見ることに専念し、テレビやネットで放送しない総合格闘技の試合を現地観戦することを優先し、プロレスはネット生中継で見たり、プロレスファンになりたて女子の多くがやるであろう、気になった選手が結婚しているか検索するより、その選手にはどのようなバックボーンがあるか調べることの方が重要になりました。そして総合を学べば学ぶほど、いままであまり気にしていなかった選手の凄さがわかったりして、プロレスだけを追いかけていた頃よりプロレスの見方がかなり変わりました。
プロレスにハマるきっかけは人それぞれですが、周りを見ているとプロレスファン歴が長い人はそれぞれ普通のプロレスファンから次の段階へ進化します。例えばプロレス写真マニア、あと暗記マニア。そして技マニア。私はそんな進化の過程でウェイトトレーニングにはまり、総合格闘技を始めました。
と言うことは、いまプロレスに興味を持った女性がこのままファンでい続けてくれたら、私と同じ進化をする女性も少なからず現れると思うんですよ。たぶん数年後は「マッチョ女子」「格闘女子」がトレンドになるんじゃないですかね。そのためにもこのプロレスフィーバーが一過性のものではなく、長いこと続いてくれると嬉しいですね。(二階堂綾乃https://twitter.com/nikaidoayano)
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Dropkick編集部
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