Krushを運営する株式会社グッドルーザーの手によって再出発が図られた新生K−1。11月3日に代々木第二体育館で65kg以下の世界トーナメントが行われ、1月18日には60kg以下の初代王座決定トーナメントが開催。同大会で65キロ以下初代王者ゲーオ・フェアテックスとワンマッチで対戦するのがこの木村“フィリップ”ミノルだ。父親がイタリア系ブラジル人、母親が日系ブラジル人という木村。KrushでKOを量産するトップファイターとしての実力に加えて、どうにも止まらないビッグマウス……
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――木村選手はブラジル出身のハーフで3歳まではブラジルに住んでいたんですよね。
木村 ブラジルの思い出はあんまりないですよね。犬と一緒に庭を駆け回っていた記憶があるんですけど。それは俺の中の勝手なイメージだと思っていたら、その当時ブラジルに住んでいた親戚と日本で会ったときに「ミノルくんは犬と一緒に遊んでいたよね〜」と言われて。ああ、あの記憶は本物だったんだって(笑)。ブラジルの記憶はその程度なんですよ。
――ブラジルにはたまに戻ってるんですか?
木村 それが1度もないんですよ。時間があったら帰ろうかなあとは思ってるんですけど。ずっとジャパンです。
――ブラジルのどこに住まわれてたんですか?
木村 自分が住んでいたのはサンパウロとかだったんですけど。おばあちゃんの家はクリチバというところにあって。
――ヴァンダレイ・シウバやマウリシオ・ショーグンを輩出したシュートボクセアカデミーがあるところですね。
木村 シュートボクセのすぐ近くだったみたいです。
――来日してからハーフということで同級生にからかわれたりしませんでした?
木村 はい。小学生の頃は「ハロー!ハロー!!」と声をかけられましたね。いやいや、俺は英語はしゃべれねえからって(笑)。中学や高校くらいになるとハーフということで羨ましがられたんですけど。
――その顔立ちだとモテたんじゃないですか?
木村 ぜんぜんモテないです。10歳の頃からキックボクシングのジムに毎日通ってたんで。練習と学校の繰り返しなので何もなかったです。いまの自分のほうがモテます(笑)。
――いまがモテキですか(笑)。キックは10歳の頃からやってたんですね。
木村 3歳の頃におもちゃのグローブを買ってもらって、遊びでサンドバックを殴ってたんです。で、映画でジャン・クロード・ヴァンダムを見て、戦うことに憧れたんですね。K−1とかを見たわけじゃなくて格闘技はそこからです。
――きっかけはアクションスターだった、と。
木村 住んでいたのは山梨だったんですけど、近くのキックボクシングのジムに入ってそこからK−1の存在を知りました。その頃は「プロになるまで7年もあるのかあ……」と思ってましたけど。
――木村選手は過激な発言も多いですよね。「俺以外の選手はカス」とか(笑)。
木村 ずっと格闘技しかやってこなかったので、そこはシビアの目線を持っちゃいますよね。もちろん、こう言えば盛り上がるんだろうなとは思いますけど、あれは素の自分ですね。
――そこは誰かの影響を受けたりするんですか?
木村 あー、とくにないですね。誰というわけじゃなくて、生き残ってるトップアスリートはみんな自信家なので。自分の主義主張を打ち出すのは悪いことじゃないのかなとは思いますね。
――MMAのトラッシュトーカーだと、チェール・ソネンという選手が有名なんですよ。
木村 MMAはよく見てます。フランク・エドガーが大好きなんですよ(笑)。ボコボコに殴られて失神寸前まで追い込まれた試合があるじゃないですか。
――グレイ・メイナード戦ですね。
木村 そうそうそう! そこから逆転した姿に心を奪われました。それにMMAから勉強することも多くて。自分の芯はボクシングの技術なんですよ。だからいろんなボクサーの試合を見ますし、ペース争いを学ぶためにムエタイのビデオを見たりするんです。で、MMAはここぞというときの仕掛け、動かない試合を動かすということに関して凄く勉強になるんですよね。キックは3Rしかないから、ラウンドが長いボクシングと違って慎重に慎重に進めてペースを掴むことは難しいじゃないですか。そうなったらMMAみたいに一気に流れを変える技術が重要になってくるんですよね。
――ギアの入れ方が参考になるんですね。
木村 はい。流れを変えたいけど、勢いだけで突っ込んでもやられちゃいますよね。MMAの選手はキック、パンチ、タックルとか、すべてを気をつけながら仕掛けるところが勉強になります。ユライア・フェイバーとかポンと間合いに入って勝負を仕掛けるし、エディ・アルバレスもパンチでの勝負のかけ方とか、絶対にチャンスを見逃さない。パンチャーじゃないですけど、ベンソン・ヘンダーソンも爆発力もあってバネの使い方がうまいなって。
――あたりまえですけど、そこは闇雲に勝負を掛けてるわけじゃない、と。
木村 ギャンブルは誰もできるんです。やろうと思えば誰だって打ち合えるじゃないですか。自分が思うのは、打ち合うにも技術が必要だし、KOを狙うにも技術が必要だし、判定勝ちも技術は必要なんです。やっぱりどんな試合も何かしら技術を持って見せないとお客さんには伝わらないと思うんですね。イチかバチかの殴り合いはアマチュアでもできる。プロなら技術的な殴り合いをしなくちゃいけない。乱打戦になってもそこに技術というベースがあれば、それはプロとして一級品なんです。
――お客さんを意識しただけの乱打戦はプロの試合ではない、と。
木村 ぜんぜん違いますね。技術が何もない選手同士がただ打ち合っても響かないですよ。そのときは盛り上がるんですよ、たぶん。その瞬間は「凄いな!」と思うんでしょうけど、絶対に心には残らないです。でも、いまの格闘技界って選手も関係者も「盛り上げなきゃ!」とか言いすぎなんですよね。クソですよ、そんなの!
――そこまで言いますか(笑)。
木村 いまの格闘技界のダメなところですよ。お客さんの「つまらない」という言葉を気にしすぎなんですよね。☆このインタビューの続きと山本宜久、ジャンボ鶴田物語など、7本のインタビューが読めるお得な詰め合わせセットはコチラ
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