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川尻達也がUFCで感じたこと――「五味くんや水垣くん、日本人選手みんな勝ってもらいたい!」

2014/04/26 11:26 投稿

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UFC第2戦となったクレイ・グイダ戦は残念ながら完封判定負けとなってしまった川尻達也。「格闘家人生最後の挑戦」と位置づけるUFC参戦での敗北に何を思うのか。遠いアブダビの地での闘いに感じたこと、これからのことをうかがった。


――
首のケガで帰国後はしばらく安静にしていたそうですね。    
川尻 ムチウチが酷くて帰国してからずっと寝込んでたんですけど、それが治りかけてきたら今度は嫁が体調を崩して入院しちゃって。同じタイミングで娘も風邪を引いてしまったのでその看病してたんですよね。
――それは大変でしたね。
川尻 嫁は1週間くらい入院してたんですけど。娘は嫁とそんなに離れたことがないから俺に凄く甘えちゃって(笑)。ちょっとでも俺の姿がないと泣いちゃうんですよ。だから全然自由に動けなくて。試合が終わったらラーメン食べに行こうと思ってたんですけど、そういうものを一切食べてないんですよね。
――今日は待ちに待ったラーメン解禁日になるわけですか(笑)。
川尻 そうです。だから早く取材が終わらないかなあって。
――ハハハハハハ。今日は先日のクレイ・グイダ戦のことについてうかがいます。
川尻 うーん、「俺ってこんなもんだったんだな……」っていうくやしさがありましたよね。ホントくやしい。くやしいですよ。
――とにかく、くやしい試合。
川尻 俺、くやしいですっ!!(芝居がかった感じで)
――ネタに聞こますよ。スクールウォーズっぽくて(笑)。
川尻 真面目な話、試合が終わった直後は自分で自分にガッカリしちゃっいましたね……。往生際が悪いかもしれないですけど、負けを認めたくないし、逆に開き直るしかないというか。試合が終わってバックステージに戻ってきたときにまず言った言葉が「積み重ねてきたものをすべて失った……」なんです。そのときはすぐには前向きにはなれなかったですけど。いまはくやしくてくやしくて仕方ないし、「俺はこんなもんじゃない!」という気持ちは強いし、このまま後悔したまま終わりたくないし。
――川尻選手がああやって封じ込まれた試合ってそんなになかったですね。修斗でやった1回目のシャオリン戦とか。
川尻 あのときのほうが何もできなかったんですけど。35歳になっていろんな経験を積んできたのに何もできないことは絶望的ではありますよね……。勝っても負けても後悔しないようにやるってのがデビュー戦で負けてからのテーマなのに。ここまで後悔する試合ってなかったです。
――勝ち負けに関わらず納得できてないわけですね。
川尻 今回の試合は凄く後悔してるというか、やりたいことがぜんぜんできなかったですね。なんか負けを認めてなくてグイダに失礼な言い方になっちゃいますけど、もっとガムシャラに闘えばよかったなって思うし。ジャブで距離を取ろうとか、らしくなかったかなって。
――普段どおりに闘えなかった、と。
川尻 うーん、くやしいですね! ガッカリですよ。「ああ、俺もこういう負け方するだ……」って。グイダに負けた選手と同じような負け方をするだなって。見てる人もガッカリしちゃいますよね。俺もガッカリしてますし。でも、こうなったら開き直ってやるしかないですよ。
――これから若い選手がUFCを目指して戦っていくと思うんですけど、UFCで経験したことで伝えたい言葉って何かありますか?
川尻 なんだろ…………楽しいですよね!!
――ハハハハハハ!
川尻 ホント楽しいですよ、強いファイターに挑んでいくことって。なんすかね、なんも後ろ盾もないところで勝負するというか。DREAMは大好きだったし、DREAMでずっと闘い続けたかったけど……やっぱり日本人選手は守られていたじゃないですか。日本のスタッフからすれば身内みたいなもんなので。要は敵地で挑戦する楽しさや、やりがいは凄くありますよ。「チクショー、てめえら見てろよ!」っていう感情も出てきますし。
――燃えるものがあるんですね。
川尻 これは五味くんも言ってて、俺もやってみてわかったけど、もっといろんな人にUFCを知ってもらいたいですよね。世界最高峰のMMAの舞台に挑戦している選手がいるってことを世の中に広めてほしいです。水垣(偉弥)くんなんてね、タイトルマッチをやってもおかしくない位置にいるわけだし。若い堀口(恭司)くんや田中(路教)くんとかこれから強くなる選手のことも知ってほしいし。その中でもちろん俺がいちばん目立ちたいし!(笑)。
――そこは大事なんですね(笑)。
川尻 UFCに上がってから、なんか意識が変わりましたよね。日本の団体で闘っているときは他人の勝敗なんてホントどうでもよかったんですよ(笑)。もちろん仲間の結果は気になるんですけど。自分が海外で闘うようになってから、海外で戦うファイターの結果が凄く響くようになったというか。ホント「みんな勝ってほしい!!」と思うようになって。
――そこはナショナリズムなんですかね。
川尻 ナショナリズムですね。日本人の負けはくやしいですよね、やっぱり。くやしいです。……俺、くやしいです!!(笑)。
――山下真司じゃないんですけど(笑)。
川尻 いやあ、ホントくやしいですよ。海外で日本人の結果が出ないのは……。
――ちなみに川尻選手が右の思想的に目覚めたわけじゃないですよね?(笑)。
川尻 それとは違いますよ!(笑)。やっぱり同じ日本人としていやしいですよね。
――昔は所属団体への帰属意識が強かったんでしょうね。修斗やパンクラスとか。
川尻 あー、そうかもしれないですね。
――いまはアメリカが首都になっちゃいましたから。その壁に挑んでいく図式ですよね。
川尻 そういう中で世界に挑む日本人のことは気になりますよね。だからONEFCの鈴木(信達)選手とか凄いですよね。カッコイイですよ。
――ONE FC王者の鈴木選手はこのまま行くと、地味強すぎてUFCすらも契約を拒んだと言われるベン・アスクレンと闘うことになりますね。
川尻 鈴木選手とアスクレンとの試合、見たくないですか?そういう期待が持てる時点で凄いですよね。
 

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