好評連載中の二階堂綾乃女史「プロレス格闘技☆イラスト探訪」。今回はインタビュー形式で20代プロレスオタクの女性がリングをどんな視点で見ているのか探ってみました。これを読めば職場の女性の気持ちがわかったような気がします。気がするだけかもしれません。 聞き手/さいちん(37歳)
――先日の新日本プロレスのイッテンヨン東京ドームは評判がいいですね。
二階堂 そうですね! でも残念だったのは去年のイッテンヨンは(当時)AKB48の小森美果ちゃんがゲストで来たのに今回は声優さんだったんですよ。そこは小池栄子さんとかプロレス格闘技好きな芸能人を連れてきてほしかったです(笑)。
――そこはPRIDEカラーが強い小池さんより、かつて「ワールドプロレスリングイメージガール」を務めていた乙葉さんに決まってますよ! でも、今回は演出にもお金がかかってましたね。
二階堂 ギタリストのマーティー・フリードマンが棚橋(弘至)選手と合体したり、タイムスプリッターズがバック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンに乗ってきたりとか「お金はかかってるなあ……!!」という印象は強かったんですけど、去年の「うわー、イッテンヨン楽しかった~~!」という感覚はなかったんですね。
――私のような絶滅寸前のプロ格野郎とは違って、ここ5~6年のあいだ真剣に見てきた二階堂さんみたいな新日ファンからすると物足りないところはあったですか?
二階堂 いや、私が大好きな真様(中邑真輔)がベルトを落としたことが大きいのかもしれません。
――なるほど。恋は盲目と言いますからね。それじゃあ仕方ないです。
二階堂 それだけじゃないですよ~。去年は桜庭(和志)vs中邑(真輔)という「どうなるかわからない……!?」試合がありましたよね。あれ、私のベストバウトです! もう見る前からドキドキしちゃって。今回はグレイシーがやって来たんですけど、ちょっとよく知らないワカンナイ・グレイシーだったので。
――「ワカンナイ・グレイシー」ってどこかの学プロにいそうなネーミングですよ。
二階堂 真様と闘ったグレイシー(ダニエル)もいましたけど。てっきり真様と再戦するために来たんだと思ってたんですよ。
――ワカンナイ・グレイシー2号vs中邑真輔の再戦! そんな視点、すっかり忘れてました……。
二階堂 だから桜庭vs中邑のワクワク感がなかったんです。あと、プロレスが好きになってだいぶ経ちましたけど、いろいろと過去の映像を振り返って勉強しているうちに自分の好きなプロレスの傾向がわかってきたところがあるんですね。
――二階堂さんの好きな傾向は?
二階堂 藤田(和之)選手とか人を殺しそうな試合が好きなんです!!(真っ昼間、新宿の喫茶店で大声で)。
――殺しが好き!?
二階堂 はい!!
――「殺し」好きなI編集長ならぬN編集長にお聞きしますが、それはデスマッチが好きなんじゃなくて?
二階堂 いや、殺しそうな雰囲気がある試合ですね。
――そんなN編集長におすすめの団体がありますよ。IGFと言ってですね、まあマスコミでは私しか追いかけていないし、「殺し」というか「転び」のような気もする団体なんですけど……。
二階堂 あ~、アレはけっこう好きな感じかもしれませんね。でも、大晦日にちょっと情けない選手がいましたよね(笑)。負けたのに暴れて。
――男って女子に「情けない」と言われるのって一番キツイんですよ……頑張れ澤田!! ついでに聞きますが小川(直也)選手ってどうですか?
二階堂 え~、なんか面白いですよね(笑)。1999年の東京ドームでシッチャカメッチャにしたのは小川選手ですよね。
――はい、有名な橋本真也戦ですね。二階堂さんはストロングスタイルっつぽいものが好きなんですかね?
二階堂 そうなんですかね? そういうわけでもないような……。
――たとえば柴田(勝頼)選手もストロングスタイルと言われてますよね?
二階堂 うーん、柴田選手が新日本に来たときにシッチャカメッチャカにしてくれるんじゃないかって期待があったんですけど、いまは新日本にかなり寄っているので。いま新日本は充実して人気も安定してるので、どこかでシッチャカメッチャカにしてくれる存在がほしいってことですね。
――それは二階堂さんのプライベートに何かストレスがあるせいじゃ……。人間、精神的に疲れてると何か壊れるものが見てみたい欲求が出てきますからね。
二階堂 違いますよ!(笑)。とにかく、なんか事件を起こしてほしいです。
――それは桜庭vs中邑の衝撃があったということですかね。
二階堂 そうですね。あれが面白かったから「もっともっと!!」って求めだしてしまいました(笑)。
――でも、ワカンナイ・グレイシーにそんなに刺激はなかったということは格闘技的な要素がほしいわけじゃないですよね。
二階堂 やっぱりワカンナイ・グレイシーなので……。桜庭vs中邑みたいな試合を「もっと来いよ!!」みたいな(笑)。
――あんな試合はめったにないんですよ。
二階堂 あら、そうなんですか。
――それにあったとしてもあそこまで噛みあうことってあんまりないですよね……。よく「実際に因縁があった選手が闘うと緊張感ある」とか言われまますけど、それだと相手を信用しきれないから藤田和之vs小川直也みたいにズンドコになっちゃって。
二階堂 じゃあ桜庭vs中邑って凄いことだったんですね。グレイシーが来るならトップを連れて来れないんですかね?(笑)。
――グレイシーのトップというと、ヒクソンはシッテル・グレイシー?
二階堂 シッテル・グレイシーです! ヒクソンはいいですね! ヒクソンを呼びましょう!
――野上アナウンサーを襲うヒクソンは見てみたい……のか!? <
後編はコチラ>
コメント
コメントを書く