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【フリー公開】パンクラス248のメインに見たファイターの分岐点■大沢ケンジ

2013/07/04 21:14 投稿

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6月30日日曜日にディファ有明で行なわれたパンクラスに、自分が開いているジム『HEARTS』でインストラクターをしている内村洋次郎と高岡尚裕が出場したので、二人のセコンドで会場に行った。

高岡はまだデビューして間もない選手だが、試合の方も危なげなく判定で勝利することができた。そして内村は今回約20試合組まれた中のメインイベントだった。ランキング1位の内村は対戦相手に強敵のガイ・デルモを迎え、今回、無事勝利で終われば次回タイトルマッチに挑戦できるのではないかという大事な一戦だった。

内村の試合のセコンドに付き、いつも思うのは、良い意味で殺気に満ち、見ていて凄くゾクゾクする選手だということ。それに彼の打撃のキレは凄まじく、一緒に練習している他の日本人のトップ選手でもなかなか五分で打ち合えない。彼の打撃は本当に一級品で、さらに超がつくほどのアグレッシブファイターなので、試合を積極的に極めにいく。

今回の対戦相手のガイ・デルモは、しつこい組み技で勝ってきた生粋のグラップラーなので、試合前から当然作戦はガイ・デルモの組み技をしっかり対処して、内村の得意な打撃の時間でできるだけ勝負しよう、途中寝技や組み技になって苦しい時間帯はあっても雑にならずにしっかり丁寧に対処しようということを話し合っていた。

実際試合が始まると、内村は1Rの最初からガンガン打撃を出していき、対するガイ・デルモも少し打撃はもらうも想像していたようでしつこくタックルに来た。それを突き放そうとする内村と組み付いて倒そうとするガイという展開が1Rは続いた。

Rが終わり、インターバルのときにミスらずに大事にいけば組まれても倒されないだろうということを確認しあって、2Rが始まった。超がつくアグレッシブファイターの内村は、当然最初からガンガン左ミドルやパンチを振っていき、打撃に合わせてガイがタイミング良くタックルに来てもしっかり切って、逆に離れたところで左ミドルやパンチを効かせ、ガイを棒立ちさせる場面もあったので、倒すのも時間の問題だと自分は思っていた。そんなときにガイのシングルのタックルが浅く入り、そこを内村はタックルを切ることよりも殴ることを優先してしまい、その後コーナーにじわじわ押し付けられ、立つスペースを作ろうとしたところでフロントチョークによる逆転一本負けを喫してしまった。

今回の内村の試合の反省点は自分からするとひとつだ。ただ、この反省点というのはファン目線で考えた時に内村の魅力を消すことになるかもしれない。この選択は選手としてもすごく難しいところだ。

自分が内村に言った反省点というのは、シングルに入られたときに攻め急がずにしっかりタックルを切ってからいつでも離れられる状態で攻撃するべきだったということだけだ。本人が最初に言ってきたのは、押し込まれたときの対処が甘かったということだった。しかし自分からしてみたら、その状態ではもう相手の土俵なのだからそこの勝負では勝つのは難しい。勝つ確率を上げるためには、仕留める確率が落ちても自分が安全なところで攻撃をすることだと自分は思っている。しかし、ここが難しい。

積極的な選手は多少自分が危険なところにいても攻撃し続ける。これが見てる人をゾクゾクさせる。反面、今回の内村のようにいけると思ったところで仕留めきれなかった時はその代償がでかい。

今回の試合は内村にとって、とても大きな経験ができた試合になっただろう。本人がこれからどういった選択をして、どう変わっていくのか、世界で戦える力を持った選手だけに楽しみだ。

ではまた次回!!(大沢ケンジ)

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