菊野克紀が必死で生き残ろうとした場所——DEEPという日本MMAの最前線
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菊野克紀が必死で生き残ろうとした場所―DEEPという日本MMAの最前線 /橋本宗洋の格闘技酔拳批評
12月8日はDEEPに行ってきた。ディファ有明のケージ大会、昼夜合わせて25試合のスペシャル長丁場である。
が、意外と長さは感じなかった。さすがに「あっという間」ってわけじゃなかったが、少なくとも退屈ではなかった。
特に夜興行のメイン、つまり昼夜の大トリである菊野克紀vsLUIZのインパクトは凄まじいものだった。1Rわずか8秒、左フックで菊野のKO勝ち。その衝撃に加えて、会心の勝利にもガッツポーズするどころか表情すらまったく変えない菊野の凄味ときたらなかった。
で、もう一つ驚いたのが試合後のインタビュースペースである。菊野に対して、こんなことを聞いた記者がいたのだ。
「大晦日をアピールするつもりはないですか?」
それはねえだろさすがに……。菊野もはっきり否定していた。というか、聞いた記者だって本気じゃなかったはずだ。まあなんとなく聞いてみて、菊野が「チャンスがあれば」くらいのこと言ったら見出しになりやすいなとか、記事作るの楽だなとか、そんなようなもんだろう。
「ここでいい勝ち方して大晦日へのアピールを」なんて考えるんだったら、そもそも菊野はこの大会に出ていない。ましていまの菊野は、そういう状況にない。
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