KNOCK OUT宮田充プロデューサーインタビュー! キックぼんやり層と歯無しが楽しめます!!(聞き手/ジャン斉藤)
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宮田 今日は松澤チョロさんのお話ですか?
宮田 ちょっとボクも歯が欠けちゃって……。
――松澤さんは歯が欠けてるんじゃなくて、歯がないんですよ。宮田さんとはレベルが違います!
――キックファンじゃなくても最近のKNOCK OUTはちょっと気になるというか。
宮田 本当ですか? それはうれしいなあ。斉藤さん的にどのへんが響きました?
――……言いにくいですが「スキャンダルの嵐が勝手にやってくる」感じでドキドキします!
宮田 ハハハハハ! スキャンダルの嵐が勝手にやってくる(笑)。
――すいません(笑)。ボクは、いわゆるキックぼんやり層なんですけど、各団体いろんな特徴がある中で、KNOCK OUTの場合は勝手に何か事件が起きるから見ておかないといけないな、と。よくある選手・関係者のつまらない炎上商法とは違ってホントに火が付いてるので!
――宮田さんがKNOKC OUTのプロデューサーに就任して2年になりましたが、手応えはどうなんですか?
宮田 ボク自身は2020年10月1日からスタートして、いま3年目に入ってるんですけど、2年かかってようやく「こういうふうにやっていけばいいのかな」というのが見えてきた感じですかね。立ち技の中でKNOKC OUTが置かれている立場みたいなものもわかってきましたし。コロナ禍ではいろいろ打ち出していきづらい時期もありましたけど、今年3月5日の代々木大会はなんとか開催にこぎつけることができました。
宮田 変えざるをえないというのはありますよね。新生K-1とは選手層が段違いですし。ただ、選手が少ないから不利なわけではなく、選手を抱えていないほうがのびのびできる部分もあって。選手を抱えていると、どうしても組まなきゃいけないカードが出てくるんですけど、3月5日の代々木大会ものびのびやってますよ。3月5日が今年一発目の興行なんですけど、4月以降もそういった感じで思いきりやっていこうかなと思います。
宮田 背伸びして新生K-1と同じことをやっていいのかと言ったら、そうじゃないよなあと。かといって、あまりハチャメチャな方向に進んで、ファンや関係者、選手が引いちゃうようなことをやってもしょうがないわけで。そのへんの塩梅ですよね。そういう意味では、3月はいい塩梅でできたのかなと思っています。
――代々木大会はキックファンじゃなくても見どころはありますよね。鈴木千裕、木村ミノル、龍聖とかRIZINや巌流島絡みの選手が出てるので。
宮田 それはうれしいなあ。話題性のある木村“フィリップ”ミノルくんが出てくれたのはよかったと思いますし、K-1さんに相談させてもらって不可思くんの出場も決まって。そういった選手を一緒に発表できたのがインパクトあったのかなって。3月の大会に関しては、カード自体はまだ不完全ながら、けっこうたくさんの人にコメントをいただけたんですよ。小笠原瑛作選手にムエタイMVPのロンナチャイ・トー.ラミントラーを当てることもできたし、勢いが出せたなと思いますね。やっぱり、ああいう勢いがあると切符は売れるよなあと。
――そう思えるのはタフですね。
宮田 いやいや、「クソみたいなカード」と言われようが、反応があったほうがマシですよ。置きにいったカードで「しょっぱいな」と言われたら「バレたか!」となるんですけど(笑)、何か反響がないことほど寂しいことはないですから。
――とはいえ、KNOCK OUTの中でキック以外のカードを組むのも何か変ですし。
宮田 そうですね、KNOCK OUTはふたつのキックルールがあってその中でいかに工夫するかが勝負なので。あとはマッチメークでオーソドックスに組んだほうがいいのか、変化させたほうがいいのか。そういうイベントですよね。ただ、やっぱりRIZINさんや巌流島さんからは刺激はもらいますよ。あと、「仙女」さんも見習う点がありますよね。
――お、仙女ですか。
宮田 去年、リングアナのパンチ田原さんに「宮田さん明日何してる? ちょっと手伝ってもらえません?」って電話が来て。朝の6~7時に水道橋駅付近でパンチさんが運転するバンに乗って行ったんですけど、夜に興行を手伝って、帰ってきたのは翌朝で。だから、24時間後に帰ってくるみたいな(笑)。
――弾丸ツアーですね(笑)。
宮田 仙女さんは数少ないスタッフでやってましたね。里村明衣子さんがいて、若い選手たちがキビキビやっていて……ひさびさですよ、ゴングとリングアナとタイムキーパー、全部1人でやったのは。200人ぐらい入るホールがあって、毎回そこでやっているんですよ。
――仙女は独特というか、いま流行りの女子プロとは違う雰囲気がありますよね。仙台で女子プロをやりながら農業もやってるみたいですし。
宮田 ずっと地元に根付いていて、本当におじいちゃんとかが楽しそうに観ているんですよね。どんな場所にもいろんなプロがいることがわかりました。後楽園や新宿FACEでKNOCK OUTをやりつつ、さいたまスーパーアリーナのRIZINを見上げるのもいいんですけど、なぜか福岡でリングアナやったり、延岡でムエタイの解説やったり。直前で「アレがない! コレはどうすればいい!?」みたいな興行に参加するのもけっこう楽しいもんですよ。
――鈴木千裕選手は大晦日RIZINで快勝して、凱旋するわけですけど。あの勝利はKNOCK OUTとしても大きかったんじゃないですか。
宮田 ……今回の代々木、最初はvs○○で動いてたんですけどね。
――うわ、スキャンダルカードですよ! さすがです(笑)。
宮田 斉藤さんが喜びそうなカードですよね。まあ結局、組めなかったんですけどね。いまは斉藤さんがよく知らないであろう強い外国人(マルコス・リオス)と調整中です(笑)。
宮田 千裕くんの大晦日に関していえば、ボクはMMAはあんまりわからないですけど……。
――MMAをよく知らない宮田さんと、キックをよく知らないボクで話は進んでますね(笑)。
宮田 中原由貴選手は本当に強いという話を聞いて、どうなるのかなあって見てたんですけど、あの勝ちっぷりはホッとしましたね。あれでケガなく試合後もピンピンしてたので、これだったら3月いけるな、と。やっぱり選手って、どうにもならないケガってあるじゃないですか。今回はそれがなくてホッとしたのと、あとは勝ちっぷりがよかったのでホッとした部分もあります。RIZINのスタッフさんからも「凄いね」と言ってもらえたのは、千裕くんのそばにいる人間としてはうれしかったですね。
宮田 でも、あの子はMMAに突き進むんじゃないですかね? せっかくRIZINさんでチャンスをつくってもらって、あれだけコンスタントに試合を組んでもらっているので、ボクはMMAでどこまでいけるのかを見てみたい気持ちもありますよ。KNOCK OUTのチャンピオンとして防衛戦もやってもらわないといけないですけど、今年3月に出たあとはRIZINで勝負してほしいなと思ってます。
――宮田さんとしてはあんまり縛らないと。
宮田 この業界で長くやってたら、やっぱり本人がやりたいことをやらせてあげたいなと思うんですよ。それが本人のわがままだったり、筋が通らない話だとアレなんですけど、やっぱり「ファイター人生」というか勝負どころってあるじゃないですか。千裕くんに関しては、本人は「キックをやりながら二刀流で」と言ってますけど、いまはMMAだけやってるほうが絶対に強くなると思うので。面白い子なのでファンも少しずつ増えていると思いますし、平本蓮くん効果もあってね。
――平本蓮がある意味、宣伝してくれてますね(笑)。
宮田 RIZINさんが、何かとメディアに出る機会をつくってくださっていることも有難いです。本人もそれで人生が面白いほうに転がってきているようなので、じゃあ乗っちゃえばって(笑)。ズバリ言って、選手って動くものだから、要はそこへの対応ですよね。
――宮田さんぐらいキャリアがあると、そのぐらい達観できるというか。
宮田 いろんな意味で、人を信じ込まないことが大事っていうか(苦笑)。よく「アイツには裏切られた」とかいう人いますけど、そういう考え方は持たないようにしてますね。キャリアはあんまり関係ないです。
――昔の業界はそのへんはガッチガチだったじゃないですか。
宮田 契約がないけど縛る、俺の目が黒いうちは……的な。昔は団体数も少なかったし、イベントの数も少なかったし、SNSもないし、メールもないし。手紙か電話か……「FAXなんて、ウチは置いてねえ!」みたいに怒られることもありましたね。
――選手やジムとのコミュニケーション方法もどんどん変わっているという。
宮田 けっこうね、昔は大事な話を電話ですると「そんなこと電話で話すのか?」と怒鳴られたことありますよ。じゃあってジムに行ったら「最近、ウチのジムに冷たいじゃねえかよ!」って地元のスナックに連れていかれるという。結局、マッチメークの話は3分ぐらいしかできないということなんかもありました。
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コメント
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ロバート・ダウニーjrに似てるなぁ。
なんか本人も顔造ってるし(笑)