斎藤裕との再戦が決まったRIZINフェザー級王者・牛久絢太郎インタビュー!(聞き手/松下ミワ)
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・セコンド横田一則が明かす「牛久絢太郎 衝撃ヒザ蹴り流血TKOの裏側」
――斎藤裕選手とのダイレクトリマッチが4月のRIZIN.35で決まりました! いまの心境としてはどういう感じなんですか?
牛久 世間ではいまだに「牛久が勝ったのはたまたまだ」という声が多くて。ボクの中では、たまたまではないんですけど、今回はあらためてボクの強さを証明できたらなと思っています。
――それ、会見でも言われてましたが、やっぱりそういう声は牛久選手のもとにも届いていたんですね。
牛久 ああ、そうですね。だから、本当に強さを証明したいという気持ちが強くて。
――振り返ると、あの試合は2ラウンドの途中で牛久選手の跳びヒザがあり、斎藤選手がカットしてドクターストップになりました。ただ、それまでの試合展開は「斎藤選手のほうが押してたんじゃないか」という意見もありますよね。
牛久 でも、ボクの中ではちゃんと自分の試合をつくっていたので。あのヒザ蹴り以外にも狙っている技があって。ボクなりにいろいろと狙っていたり考えていたことがあったので、押されたからどうとかいう考えはないですね。
――となると一見、斎藤選手のペースだったのかと思いきや……。
牛久 ペースを握られていたとしても、ボクの中では焦りとかはまったくなかったです。いつ自分の狙ってる技を出そうか、それを常に頭の中で考えていた感じですね。
――あの試合後、セコンドの横田(一則・K-Clann主宰)さんは「牛久選手はけっこうヒザが得意なんだけど、それまでの試合ではなかなか出せていなかった」というお話をされていて。今回、それが出せたのはなぜなんでしょう?
牛久 やっぱりこう、横田さんとミットとかでめちゃくちゃ練習をやり込んだんで。身体が自然と出せるようにそこまで練習したんですよね。だから、身体が意識しなくても出せるレベルまできたのかなというのは感じます。
――斎藤戦より前の試合までは、そこまでやり込んではいなかったということなんですか?
牛久 うーん、試合ごとに相手によって作戦は変わるので、それをどこで出すかというのは作戦でもあるので。べつに、前からできなかったわけじゃないですけども。
――横田さんによると「牛久選手はいつでもヒザを出せるんだけど、けっこう緊張しいだから、いままではなかなか出せなかった」というお話もされていて。
牛久 ああ、それもありますね(笑)。
――今回、作戦をちゃんと遂行できたのは、気持ち的にも違っていたからなのかなあ、と。
牛久 たしかに、前回の試合はRIZINタイトルマッチという特別な試合だったので、そういう影響もあったとは思います。やっぱり、そういう試合は気持ちは乗りますから。
――となると、周囲に「たまたま勝った」と言われても、自分の中でそうじゃないという確信があるから「好きなだけ言ってください」というか。
牛久 ボクの中での気持ちは変わらないので、周囲の声はあんまり意識してないです。ボクは基本、そういう感じの性格なんですよ。
――凄く冷静なんですね。ちなみに、斎藤選手のセコンドについていた石渡伸太郎さんの声も「何か狙っているから気をつけろ」と言われてましたよね。
牛久 ああ、その石渡さんの声はボクも聞こえてました。「斎藤選手は石渡さんの声をしっかりと聞いているな」というところまでボクも冷静に見ていたので。ボクのアクション一つひとつに対して、いろいろと反応を見ていて。それに対してセコンドが何かを言って、斎藤選手はしっかり聞きながら戦っているな、と。そこもしっかり感じていましたね。
――その斎藤選手は、大晦日の朝倉未来戦で敗れてしまいました。そこはどうご覧になってます?
牛久 うーん、どういう言葉で言えばいいか迷うんですけど、本当に試合内容としてはどっちが勝ってもおかしくないような緊張感のある試合で。で、結果的に斎藤選手が負けちゃったとしても、ボクの中での斎藤選手の価値はずっと高いままです。だから、負けたからどうというのは、何も思ってないですね。
――逆にいうと、牛久選手の中での朝倉未来選手の価値はどうなんでしょう?
牛久 ああ、それも高いです。だから、勝敗として勝てば評価が高くなるのは当然ですけど、仮に負けたからって評価が下がることはないというか。ボクの中の斎藤選手は、変わらず倒しがいのある選手だと思っています。
――しかし、前回の試合で狙っていた技が複数あったとなると……、次のタイトルマッチもけっこう奥の手がありそうですよね。
牛久 もう、いっぱいありますよ(冷静に)。
――おお~!
牛久 だから、たぶん面白い試合になると思いますね。まあ、相手もいろいろと考えていると思うので、ボクも試合が楽しみです!
――余談ですが、RIZINで斎藤選手に勝ったときにリング上でマイクがありましたが、なぜか横田さんにマイクを渡そうとしていませんでした?
牛久 ああ、そうっすね(笑)。ちょうどマイクでしゃべっているときに、横田さんと目が合っちゃって。横田さんもボクに向かって何かしゃべっていたので、身体が自然と「あれ? マイク渡したほうがいいのかな?」と。
――ハハハハハ! いや、危なかったです! 古い格闘技ファンは横田さんのマイクは長くてイライラするというのが定評なので、あのシーンは本当にドキドキしました。
牛久 もしかしたら、ボクじゃなくて、マイクのほうから横田さんに寄って行ったんじゃないかという(笑)。
――あ、そういう神通力かもしれないと(笑)。ところで、あの斎藤戦が決まった経緯についてもうかがいたいんですが、じつはあのタイトルマッチが決まるより前に、神田コウヤ選手とのDEEPフェザー級タイトルマッチが決定していたんでしたよね?
牛久 はい、12月12日に決定していました。
――斎藤戦は10月24日でしたが、それでも絶対にRIZINのタイトルマッチは戦いたいという気持ちだったんですか?
牛久 もう、本当に人生を全部賭けてでも、チャンスはここしかないと思っていましたね。
――ある意味、DEEPのタイトルマッチはどういう状態でも覚悟していたというか。
牛久 でも、それも約束なので。もちろん、その約束は果たすんですけど、正直試合でケガするかどうかって、やってみないとわからないじゃないですか。ボクがそこに出ることで「牛久がケガしたらどうするんだ」と周囲に不安を抱かせてしまったことに対しては、もの凄く申し訳ないとは思ってましたけど。ただ、結果として12月12日という当初決まっていたスケジュールをずらさずに試合もやったので、この選択は間違いではなかったと思いますね。
――クレベル・コイケ問題などもあって斎藤選手の挑戦者がなかなか決まらない中、牛久選手は「(斎藤選手と)試合したい!」とツイートされていましたよね。でも、そのあとすぐに削除されていたような……。
牛久 ええっと、あのツイートで、けっこうボクも怒られまして……(苦笑)。
――DEEPのタイトルマッチが決まっていたから、一旦ツイートを削除したということだったんですね。
牛久 でも、あれは本当に純粋な気持ちですし、完全に自発的なものだったので。というのも、試合をしたいといっても、こっちのタイミングで待っていてもチャンスって来ないのでね。そこは行くしかないんですよ。だからこそ、普段はほとんどSNSを更新しないボクが「いましかない!」と。でも、その勢いでツイートしたら怒られちゃったということなんですけども(苦笑)。
――でも、結果的には試合が決まったわけですからね。
牛久 いくら試合したくても、ボクだけで動いちゃマズいんだなあと。まだ26歳だったので、許してくださいという感じですね。
――ただ、そんな勇み足をしてしまうぐらい「ココだ!」という嗅覚が働いて。
牛久 感じましたねえ、ボクの中で「行け、牛久!」というのを。
――もう一人の自分が叫んでいた(笑)。DEEPフェザー級からは牛久選手が勝ってる弥益ドミネーター聡志選手が先にRIZINに上がっていましたが、そういう部分に対しても鬱憤があったんですか?
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