日本で最も有名なサッカー選手の息子がサッカーボールキックで勝つ! 大晦日に衝撃デビューを飾った三浦孝太インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)
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・笹原圭一の大晦日“RIZNサファリパーク”13000字振り返り
――大晦日の激勝から時間が経ちましたが、勝利の余韻はいかがですか。
三浦 試合当日と翌日までは嬉しかったんですけど、 1月2日ぐらいから切り替えていこう、と。
――ああ、もう正月中に。
三浦 はい。お父さん(三浦知良)からも「すぐに切り替えてやっていこう」って言われて。 反響もすごく大きかったので、ここから先がホントに大変になっていくからと。
――なるほど。プロスポーツのなんたるかを知り尽くしている父親からのアドバイスは心強いですね。
三浦 そういう考えを聞ける機会は多いですね。
――試合の反響は絶賛一色ですけど、RIZINデビューの発表されたときは逆でしたよね。
三浦 ああ、そうですね。 批判の声には「やっぱりな」っていう感じで、 それで落ち込むってことはそんなになかったんですけど。やっぱり誹謗中傷がたくさんくると傷つくんだなって。
――やっぱり心に刺さりますよね。
三浦 傷ついたというか、やっぱりショックでしたね。「なんでこんなこと言われないといけないんだろう?」っていうようなことも言われたし。いきなり RIZINに出ることになったら、そういう風になるかなって覚悟はしていたんですけど、実際にやられてみるとショックでした。
――「アマチュアからやるべきだ」という意見ならまだしも人間性や家族について言われたら耐え難いですよね。
三浦 そうですね、はい。
――ネットの批判についてご家族から何かアドバイスはあったんですか?
三浦 そこは自分が見たくないんだったら、べつに見なくていいものだから、見なきゃいいよっていうふうに言われてから、なるべく見ないようにしましたね。 自分はもともとSNSとか見たことがなくて、コメント欄みたいなものもあんまり見たことがなかったんですけど。自分がRIZINに出るとなったときに、興味で今回、初めて見てしまって。 それがけっこう悪い言葉で言われていたので、やっぱり見ないほうがいいんだな……って。
――三浦選手がやってるのはインスタだけですよね。
三浦 はい。ツイッターはコメントがメインというか、そういう声が目立ってしまうところもあるので、自分はやりたくないなって思ったんですけど。インスタしかやってないのは、今回の試合で応援のメッセージが増えているので、そういう声を ひとつにまとめたほうが 吸収しやすいというか、聞き取りやすいのかなっていう考えもあって。いろんなものに手を出して分散されてしまうよりも、インスタでたくさんの声を聞けるほうがいいのかなって。それでインスタしかやってないって感じですね。
――RIZINでデビューするか、それともアマチュアからやっていくかは迷われたんですか?
三浦 けっこう迷いました。 やっぱりイチからやっていきたいっていう考えは自分の中にあったんですけど。 ただ、こういうチャンスってみんながみんな来るわけではないですし、チャンスを掴んでいける選手はごくわずかだと思うんで。 RIZINに出たいっていう気持ちもありましたし、そこにはいろんな葛藤はありました。
――ご家族はどういう意見だったんですか?
三浦 お父さんもお母さんもRIZINに出ることに関して最初は否定というか反対はしていたんですけど。いきなりそういう大舞台よりも、イチからしっかりやってほしいと。 でも、BRAVEの宮田(和幸)さんを通じてRIZINと話をしているうちに、 家族の意見も変わっていったというか。 親としては自分がRIZINに出たいという意思に感づいて、そういうプラスなほうに言葉を変えてくれたんじゃないかなって。
――ああ、なるほど。つまり三浦選手の意向を尊重してくれたわけですね。
三浦 自分はRIZINや格闘技の団体のことは知っていたし、実際に「こんなチャンスねえな」って気持ちはありました。でも、先のことを考えると……下からやっていったほうがいいんじゃないかなっていう。自分の中でも2つの意見に分かれていましたけど、自分のやりたいことを後押ししてくれる家族の存在は大きかったですね。
――デビュー前から、なかなか重い決断を迫られるという。
三浦 でも、これも貴重な経験でした。
――ご本人を前にしてあれですけど、「どうせだったら親の力を利用してやれ」ぐらいの開き直りはありました?
三浦 いやあ、そこまでは正直ないですけど。 でも、自分はそのことを恥ずかしいとは思ってないです。カッコいいことでもないなとも思っているんですけど。でも、なんだろう。 言ってしまえば誰だって親がいて、自分の場合は親が偉業を成し遂げてきたから、自分がこういう舞台に立てるので。親の力を使ってやろうって気は一切ないですけど、親のすごさを感じる機会になりましたね。
――RIZINに出ることで両親の存在感をあらためて知ったと。……ちゃんとした考え持ってますね!
三浦 いやいや、全然です(笑)。
――そもそも総合格闘技をやろうとしたのはどんな経緯なんですか?
三浦 最初に興味を持ったのはボクシングです。マイク・タイソンがすごい好きで。お父さんがタイソンのDVDセットを持っていたことからタイソンに魅了されて。 総合格闘技は最初は知りもしなかったんですけど。那須川天心選手の動画がYouTubeに流れてくるようになって、そこからキックや総合の存在を知って。あとはコナー・マクレガーですよね。
――なるほど、もうPRIDEで総合を知る世代じゃないですね。
三浦 PRIDEのことはちょっとわかんないです。
――憧れのファイターが金太郎選手で。
三浦 やっぱり自分にないものを持っているというか、 不良とかになりたいといっても絶対になれないですし。 金太郎選手は不良だったからカッコいいというよりも、いまはアスリートとして大舞台で活躍してる姿がカッコいいです。何回かお会いさせてもらったことがあるんですけど、すごい優しい方で。そこのギャップや人柄にも惹かれています。
――理想の選手像はありますか?
三浦 それこそ金太郎選手のようなファイトスタイルの格闘家ですね。 どの試合も面白いなって思ってもらえるような試合をしたいですね。
――最近はSNSのセルフプロデュースが問われたりして、 たとえばトラッシュトークが求められたり。
三浦 ああ、自分はあんまりトラッシュトークとかは……。 自分がやるのは違うなって思うし、競技が 危険なぶん、リング外のところでもそういう感じにしちゃうと、子供にやらせたいと思える競技にならないかなって。リングの下ではちゃんとして、試合になったら爆発する格闘家を体現していきたいなと思ってます。
――これから試合を重ねていくにつれ相手もいろいろと言ってきそうですけど。
三浦 そうですね。まあでも何を言われても自分はブレずに 集中してやっていきます。 相手にしないってわけじゃないですけど、自分のやり方を貫いていきたいです。
――いまはBRAVEの寮住まいではないんですよね。
三浦 はい。あそこは地方から出てきたり、バイトだったりをせずに格闘技に打ち込むための寮なので。自分は家から通えない距離ではなかったし、 自分が寮にダラダラと住んでいると新しく入れない人も出てくるので。寮生活は数ヵ月間でしたけど、格闘家の生活というハングリーな部分を体験できて、すごい勉強になりました。
――大晦日のお話も聞きたいんですけど。 相手のYUSHI選手はキャラクターが強い選手でしたけど、どんな印象でした?
三浦 地下格闘技でチャンピオンにもなっていて、 ある程度は強いんだろうなって思いました。ただ、格闘家ではないので、自分にとってリスクがあるというか。言ってしまえば格闘家を本気で目指している自分が格闘家じゃない人に負けるのは……。 そういうリスクはあったんですけど、いろんなことで成功されている方で、何に対しても本気でやる人だなとわかったのでリスペクトするようになりました。
――数ヵ月前に榊原さんと一緒にリングに上がってRIZIN参戦の挨拶をされたときと比べて、顔つきも精悍になって見違えるようでした。リングから見える風景も違ったんじゃないですか?
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若いのに考えがしっかりしていて、これからが楽しみな選手ですね。
三浦夫妻は子育ても一流だなぁ。