この記事は魔裟斗vs川尻達也語ったDropkickニコ生配信を編集したものです(語り:ジャン斉藤)


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今回はですね、物議を醸している魔裟斗の川尻達也戦批判について語りたいと思います。ボクの言いたいことは原稿(https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2019885)に書いてあるんですけど、長くなるので省いた部分があって。「川尻達也は売名行為だったのか」と「魔裟斗のMMAコンプレックス」についてです。

魔裟斗さんと武蔵さんのYouTubeでは川尻選手が魔裟斗戦をやったことを売名行為扱いしてるんですね。それは魔裟斗さんと武蔵さんの2人じゃなくて、もうひとり知らない人がすごく偉そうに語ってて。誰なんだよ、適当なこと言ってんじゃねえぞ、オマエが売名行為だよ……とキレそうになったんですが、 あとから武蔵さんの弟さん(TOMO)であることがわかって(笑)。

いや、魔裟斗戦は売名行為でも、なんでもないんですよ。そんなことを当時を過ごした格闘技関係者がわかっていないことにビックリしました。

歴史や過去の捉え方って非常に難しくて、表面的に受け取りがちなことって多いんですね。今回の魔裟斗vs川尻にしても、人気者の魔裟斗に世間的には無名の川尻達也がK-1ルールで挑んだ……と認識している人は多そうですよね。ただ、当時はそんな事情ではなかったんです。 

あのとき魔裟斗さんは対戦相手にすごく困ってたんですよ。その年の春に魔裟斗さんは引退表明をして、7月と大晦日の2試合でやめますと。7月のK-1MAXは地上波ゴールデンをやるうえでFEGとしては“売れるカード”に苦労していた。K-1MAXの有力選手は同時並行で開催されていたGPに出ていましたし、仮にトーナメントがなかったとしても、あのとき魔裟斗さんと試合をしてメインが張れる相手ってK-1MAXの中にはいたのかなと。引退ラス前にクラウスやブアカーオとやっても……じゃないですか。

そこでFEGは誰と戦ったらいいですかってインターネット投票をやったんですね。 その結果1位になったのは川尻達也なんです。 川尻選手は昨年の大晦日に武田幸三選手をK-1ルールでKOして、5月にはJZカルバンをMMAで破って魔裟斗戦に名乗りを上げていた。カルバンをクリアした時点で魔裟斗戦は内定してて、あのネット投票はボクはガチではないと睨んでるんですけど(笑)。だって当時ボクは「ここで川尻が負けたら魔裟斗もFEGもすごく困るだろうな」ってカルバン戦を見てましたからね。

投票の結果1位が川尻で、2位がKID、3位が五味ちゃん。五味戦の期待感はあったんですけど、当時の五味ちゃんはFEGのオポジションだった「戦極」所属だったから現実的ではない。KIDとの再戦の雰囲気もなかったので、川尻達也一択なんですよ。だから投票がガチじゃなくていいんですよね(笑)。日本武道館のチケットも売れて、対抗戦の熱気のある空間になったし、地上波の視聴率も20%近く取った。テーマが作りづらい引退前に見どころのある試合になったわけですから、「川尻さん、ありがとうございます」のはずなんですよ(笑)。

川尻達也がなぜ魔裟斗戦をやったかといえば、DREAMのためですよね。FEGの経営が危ない中(未払いが常習化)、DREAMはPRIDEと違って自分たちが背負わないといけないという思いが強かった。のちに川尻選手は本当はもっと早くUFCに行けたのに、DREAMが続くなら……ってことで先送りにしたこともあったんです。

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