不定期更新「ジャン斉藤のMahjong Martial Artas」――今回のテーマは「天下を取り損ねさえしなかった」元スーパーエリート中西学、引退です!
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・第5代新日本プロレス社長から見たシンニホン暗黒時代■サイモン・ケリー
プロレスラー、中西学さんが引退した。53歳だった。中西さんは1992年10月13日にプロデビュー。2020年2月22日の後楽園ホール大会でテンカウントゴングを鳴らされ、28年間にわたる現役生活を終えた。永田さんは「天下を取り損ねた男」と呼ばれたが、中西さんは天下を取り損ねさえしなかった。大成したかといえば、大成はしていないと口ごもってしまうが、そんな中西さんをファンが愛したかといえば、大声で愛したと言える。そんなプロレスラーだった。
素材的にはもうバツグン。中西さんの公式プロフィールは186センチ、120キロ。日本人離れした体格を誇り、バルセロナオリンピックのレスリングフリースタイル100キロ級日本代表。現時点で新日本にとって中西さんが最後のオリンピックレスラーとなっている。いまこんな怪物がプロレス転向したら大騒ぎになることだろう。MMAであれば榊原信行さんが口説き落として大型契約の上、大砂嵐相手に華々しくデビューしたに違いない。
明るい未来しかなかった中西さんは新日本プロレスから大いに期待され、藤波辰爾さんとのタッグで現在のWORLD TAG LEAGUEで電撃デビューをはたしている。藤波さんのパートナーは当初ビッグバン・ベイダーが予定されていたが、ベイダーはケガで欠場。わずか入門2ヵ月の中西さんが大抜擢されたことに新日本の期待度の高さが見て取れる。中西さんはその後、ヤングライオン杯で優勝後、当時新日本が提携していたWCWへ武者修行に出され、1999年には決勝戦で武藤敬司を破り、第3世代としては初めてG1クライマックス制覇。この経歴だけを見ればエリート街道まっしぐら……のように見えるが、なかなか一本立ちはできなかった。“プロレスの神様”カール・ゴッチさんの家を小一時間、訪問しただけでジャーマンスープレックスを会得したりしたが、チャンスを活かすことができなかったのだ。
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コメント
コメントを書く(ID:77772792)
本田多聞 もそうですが、鳴り物入りのエリートはハングリー精神がないから大成しないのかな、と思っていましたが、この記事で 私の考え が 間違っていた事に納得しました。
温かく優しい、良い内容でした。
(ID:17344996)
棚橋の事件からの復帰戦でキツイのをくらわした中西を忘れてはいけない
(ID:2884205)
最後の後楽園3連戦は楽しめましたね!