那須川天心と武尊の2人の周辺が慌ただしくなってきた!……ということで2018年4月に掲載した那須川天心の自伝『覚醒』読書会の記事を再掲載します。この時点では堀口恭司戦も、そしてあのメイウェザー戦も実現してません……
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Dropkickのプロレス格闘技本読書会!! 今回取り上げる本は那須川天心の『覚醒』(出版社クラーケン)です。この記事はDropkickニコ生配信で語られた『覚醒』の感想を再編集・加筆したものです(語り・ジャン斉藤)
【Dropkick読書会バックナンバー】
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◯ゼロゼロ年代のレフェリング論――島田裕二の『島田は見た!』
◯ボブ・サップ『野獣の怒り』と、谷川貞治『平謝り』から読むK-1崩壊
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今月の「Dropkick読書会」が取り上げる本は、那須川天心選手の『覚醒』です。那須川選手がこれまでの人生を振り返る……とはいっても、彼が19歳のときに出版されたんですが(笑)、10代で自伝って凄いですよね。一部では「まだ早すぎるんじゃないか」という声があったそうですが、あれくらいの逸材ですから早くも何もないですよ!
最近はアスリートに対して「調子に乗ってる!」と批判する声がよく聞こえてきますよね。たとえば女子スキージャンプの高梨沙羅さんがベンツを買ったからとか、化粧をしたからどうのとか。ベンツや化粧で調子に乗ってるって意味がわからないですけど(笑)。
清原和博が新人の頃から調子に乗っていたとか叩かれるときに「昔は桑田真澄もいろいろあった」とか巻き込む人っているじゃないですか。桑田は甲子園最多勝利数の投手ですよ? 調子に乗らないほうが逆に怖いですよ!
やっぱり調子に乗るからこそ、我々のちっぽけな常識の壁を飛び超える奇跡的な瞬間が生まれるわけで、そこは那須川選手の魅力のひとつでもあると思うんです。彼が調子に乗ってなかったら、格闘技界はここまで面白くなってないかもしれません。
この『覚醒』という本自体はですね、天才・那須川天心のこれまでの試合やその思考を振り返るという意味では面白い本だとは思います。安田忠夫インタビューでキャッキャッ騒いでるようなDropkickユーザー向きの内容ではない気もしますが(笑)、友達座談会とかもあって微笑ましいんですよ。那須川選手が友達とキャッキャ言いながら話しちゃってるんです。
――普段の天心選手はどんな感じですか?篠塚 え……10分の9は言えないですね、ガチで。変わってますよね。変な人です(笑)。天心 なんだ、なんだ? 何を言うか先に教えて! (『覚醒』より)
『覚醒』を読んでいくとあらためてわかるのは、那須川選手はキックボクシングというジャンルや日本格闘技界の現状を肌で感じたうえで、大きな仕掛けで疾走していくロマン型ファイターだということです。
花道で待っていて、武尊選手には僕から話しかけた。「大みそか、やりましょう」
向こうもいきなりでビックリしていたけど、もちろんやる気だった。そして、武尊選手とはグローブを2回合わせた。<中略>武尊選手には「ファンだと思ったし、まわりがうるさくて何を言ってるのか聞こえなかった」的なコメントを出されてしまった(『覚醒』より)
武尊選手に対戦を呼びかけたK-1会場突撃事件もそのロマンが原動力になんですが、格闘技で他団体に乗り込んで対戦要求って聞いてことがないですよ。やってることが大仁田厚ですよ(笑)。ただ、大仁田厚の場合は売名行為自体が存在意義なんですが、那須川選手のように売名行為が必ずしも必要じゃない人間ができちゃうのは特殊なケースですね。
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https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1817475
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コメント
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(ID:1739760)
改めて読むと「MMAから逃げているのか」という声がまったく聞こえないほどの活躍を見せているのだなぁと思いました。