アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは地獄の軍団GCW来日大作戦インサイドレポートです!

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 2019年8月23日――東京、新木場1stRING。GCW日本大会最終日。メインの大激戦の後、血まみれの蛍光灯が散乱し、さながら地獄絵図と化したリング上に、シュラック、Gレイバー、アレックス・コロンらGCW軍団の姿があった。2日間にわたり、新木場に血の雨を降らし、狂乱アメリカンデスマッチの真髄を見せてくれた彼らが、今まさに目の前にいることを思うと、感慨深いものがあった……。

 時は遡ること2018年9月8日。アメリカ、シカゴ。GCWのリング上。デスマッチトーナメント「NGI ニック・ゲイジ・インビテイショナル 3」を制した竹田誠志がマイクを持った。そして、こう叫んだ。「アイ・ラブ・アメリカンデスマッチ! アイ・ラブ・GCW!」。ここしばらく途絶えていたアメリカと日本とのデスマッチ交流は、竹田のこの言葉に端を発した。

 GCWが、日本大会の開催を考えているらしいとの情報が、私の耳に入ってきたのは、それから程なくしてのことだった。日本の米インディーマニアの間では、多少知られた存在にはなっていたものの、それまで日本のプロレスマスコミには、まったくといっていいほど取り上げられたこともなく、一般的には無名と言ってもいいアメリカ・ニュージャージーのインディー団体が、日本大会を開く。無謀と思われる挑戦だが、GCWの過激なデスマッチを、荒れ狂ったプロレスを日本のファンにも見てもらいたいと密かに思う自分もいた。アメリカでは、デスマッチの先達でもあったCZWを追い抜き、アメリカンデスマッチNo.1と自他共に認める存在となったGCWであったが、日本ではまだCZWの方が、アメリカンデスマッチとしての認知度が高かった。何度か当コラムでも書いているが、CZWを目の敵のごとくライバル視するGCWには、その現状も打破したいという強い想いがあった。また、アメリカと並ぶデスマッチ大国日本でも、自らがアメリカンデスマッチNo.1ということを証明したい――日本大会には、そんな目論見もあったのだ。

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