“深夜ラジオのカリスマ”伊集院光が番組の中やTwitter上でDDTを絶賛したことが、プロレスファンのあいだで話題を呼んだ。プロレス好きというイメージがほとんどない伊集院だが、なんと後楽園ホールや両国国技館に観戦に訪れるほど。一体DDTのどのへんが彼のアンテナに引っ掛かったのか? 伊集院が「会いたい人」とまで言う、DDTプロレスリングの大社長にして“仕掛け人”でもある高木三四郎。ファン待望の対談が実現!(聞き手/佐瀬順一 撮影/吉場正和)
ーー伊集院さんといえば、深夜のTBSラジオ『月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(2010年2月1日放送回)の中で「友人に薦められた飯伏幸太vsヨシヒコを見て、DDTの興行を見に行きたくなった」と発言されたことが、プロレスファンのあいだで話題になりました。もともと伊集院さんはプロレスとは縁の深い三遊亭圓楽師匠のお弟子さんで、プロレスとは近い距離にいらっしゃったと思うのですが、あまりプロレスに興味がないという印象があります。
伊集院 やっぱり古典落語のガチガチの師弟関係だから、オフにまで師匠の趣味の場所に行きたくないんですよ。もしボクがプロレスを観に行って、そこで師匠に会えばそこから仕事モードになるから。
高木 あ〜、なるほど!
伊集院 そういう意味でプロレスとは距離はあったんですけど、微妙なのは師匠がジャイアント馬場さんと凄く仲が良かったご縁で、師匠と馬場さんが麻雀を打っている横でずーっと立っていたりとか、馬場さんから「おまえ、足デカイから靴を買ってやろうか?」って言われたりしてね(笑)。あと師匠が頼まれたけど、都合で行けなかったレスラーの結婚式の司会をやったりして、そういう関わりはありましたね。
高木 あ、そんなお仕事もされていたんですね(笑)。
伊集院 逆にボクの周りにはプロレスが好きな人がいっぱいいるんですよ! 師匠もそうだし、ボクが一番最初に世話になったプロデューサーも、みんなプロレスが大好きなんです。だからプロレスに対する敬意、プロレス好きに対する尊敬は凄くあって。
高木 芸人さんもプロレス好きな方、多いですもんね。
伊集院 そうそう。そのボクにDDTを薦めてくれた友人っていうのが、もともと売れない頃から一緒にラジオをやっていた放送作家で十何年ぶりに会ったんですよ。なんでも面白いものをボクに教えてくれる人で「最近、何が面白い?」って聞いたら「これ見たら絶対にハマるよ」って教えてくれたのが飯伏選手とヨシヒコ選手の試合。
高木 そういうことだったんですね。
伊集院 「ダッチワイフとレスラーが、プロレスやってんだけど、だからといってタダのおふざけじゃないのは見れば絶対にわかるから。最初は馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないけど、絶対にそれだけで終わらないから」と。それだけのキャッチフレーズでYouTube見たら「なるほど!その通り!」って。
高木 ボクはそのラジオを聴いていなかったんですけど、ツイッターでボクに「伊集院さんがラジオでDDTの話をしています」って教えてくれる人がたくさんいたんですよ。心情的には凄く嬉しかったんですけど、伊集院さん本人とは面識もないし、どうしたらいいんだろうって凄く考えちゃって。やり取りしようにも、まだその頃、ツイッターっていまほどポピュラーじゃなかったし。
伊集院 その頃はまだツイッターの作法が確立されてませんでしたね。
高木 それでおそるおそる「ぜひ観にいらしてください」みたいな簡単なメッセージを送ったと思うんですけど。
伊集院 はいはい、それでボクが「じつは本当に見に行こうと思うんですよ」って返したら、「じゃあ、いい席を用意します」みたいなやり取りをしたんですよね。
高木 それがDDT後楽園ホール大会の当日だったんですよ。
伊集院 あっ、そうそう。「いまから行くんですよ」って。
高木 それでビックリして。伊集院さんがいらっしゃるってことで、すぐにスクランブル体勢をかけたことを覚えてますね(笑)。
伊集院 その大会がこれまた面白くて!
高木 ありがとうございます(笑)。
伊集院 あの大会を見て感じたのは「マニアの壁と向き合う方法」なんです。この対談のオファーをもらったときに「それがテーマになるんじゃないかな」と思ったんですけど、DDTを愛好してくれている人がたくさんいるじゃないですか。それは深夜ラジオもそうなんですけど、マニアたちの愛情っていうのは、時に壁になって新しいファンが入りづらくなるって側面があります。
高木 あ〜、はいはい(深く頷く)。
伊集院 なぜ入りづらいかというと、マニアの熱量に合わせられないからなんですよね。ボクにDDTを紹介してくれた放送作家のほかにも、いろんな格闘技を薦めてくれる人はいるんだけど、熱量が合わなくて楽しめないときが多かった。それまでの遺恨や歴史みたいなものを踏まえて見れば、とても面白くて盛り上がれるんだろうけど、ボク自体はその温度がわからない。いま睨み合っていることがどれだけ凄いことなのかが、とてもいい席で観せてもらっているのにわからないっていう疎外感みたいなものがあったんですよ。
高木 いや、そのお話は凄くよくわかりますね。
伊集院 誤解しないで欲しいのは、ラジオもずっと聴いてくれているリスナーは大事なんですよ。大切にしなきゃと思っているけど、マニアたちを大切にしつつ新しいファンを作ることってすっごい難しい。けれどそれこそがボクのテーマなんです。「わかる人だけわかればいい」というやり方ではなく、今日初めて番組を聴いた人にもわかる、いままで聴いてきた人たちも楽しいものにしたい。そんなことを強く考えている時にに観に行ったのがDDTで……対談の続きは誌面で!
『Dropkick vol.8』そのほかのコンテンツ
対談取材の舞台ウラ(インタビュアーの佐瀬氏ブログ)
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